
デロイト トーマツ グループから、今年で調査開始から27回目を迎えるグローバル調査「Global Powers of Retailing」(現在、隔年発行)の最新版を日本語に翻訳したレポート「世界の小売業ランキング2025」が発表された。
本稿では同社発表リリースをベースに、その概要をお伝えする。
2018年度から2023年度における小売売上高の年平均成長率は6.2%
2018年度から2023年度における小売売上高の年平均成長率は6.2%本レポートは、全世界の小売企業から2023年度(2023年7月1日から2024年6月30日までの12か月間に期末を迎える事業年度)の売上高上位250社のランキングを地域別、商品セクター別に分析しているほか、急成長小売企業20社と上位250社へ新たに加わった企業について解説。小売業界を取り巻く世界経済の展望をまとめている。
また、今年度のレポートでは「小売業界のトレンド」と題して小売業界全体を取り巻く最新の4つのトレンドについて解説しているほか、「小売業界経営幹部インタビュー特集」として、ブランド価値向上に向けた取り組みやイノベーション戦略などに関する世界の小売企業幹部のインタビューを掲載している。
今回の調査結果として、上位250社の総小売売上高は6兆300億米ドル(前回の2023年版では5兆6505億米ドル)、平均小売売上高は241億米ドル(前回は226億米ドル)、2018年度から2023年度における小売売上高の年平均成長率は6.2%となった。
トップ6社の順位は2022年の調査から3回連続で変化がなく、1位のWalmartに続き、Amazon.comが2位、Costco Wholesale Corporationが3位にランクインしている。
上位250社の小売売上高のうち、上位10社の売上高が占める割合は34.9%と前回よりわずかに拡大した。
それら10社のほとんどが、新たな収益源を得る取り組みの一環としてリテールメディアネットワーク(※)サービスを導入し広告料収入を得ているほか、業務効率化とコスト削減のためAIなど、テクノロジーへの投資による日常業務の自動化を重要視していることがわかった。
※リテールメディアネットワーク:小売企業のウェブサイト、アプリ、デジタルスクリーン、屋外大判広告、フロアグラフィック、棚札などを活用したデジタル広告プラットフォーム
小売業の上位10社

今回、日本企業の中でのトップは前回に続きセブン&アイ・ホールディングスとなった。上位250社にランクインした日本企業の数は長期的に減少傾向にあり、特に今回は20社(前回の27社から減少)と、過去最低を記録した。
これは、当レポートがグローバル共通指標として売上高を米ドル換算しており、前回調査時と比べて日本円が対米ドルで8%下落したことの影響も出たと考えられる。一方で、ランクインした日本企業の1社あたり平均売上高は、129億米ドルとこれまでの調査で最も高い。
■上位250位にランクインした日本企業

◎250社のランキング詳細や急成長小売企業20社の一覧、地域別の動向、商品セクター別の動向などについてはこちらから。
https://www.deloitte.com/jp/ja/Industries/retail/research/global-powers-of-retailing.html
関連情報
https://www2.deloitte.com/jp/ja.html
構成/清水眞希