
右も左も分からずがむしゃらに突き進む20代、自分のできること・できないことが見えてくる30代を経て、迎える40代。キャリアやお金に関する理想と現実に直面する年齢でもあるが、今年40歳を迎えたビジネスパーソンの何割程度が、かつて思い描いた「なりたい自分」になれているのだろうか?
ヒューマンホールディングスはこのほど、企業や組織・団体に勤務している1985年生まれの男女1000名を対象に「40歳のキャリア実態と『なりたい自分』意識調査2025」を実施し、その結果を発表した。
Q1.「何歳まで働きたいか」は、「61歳~65歳」が最多、「動けるうちはずっと」も多数
「何歳まで働きたいと思いますか」という質問には24.3%が「61歳~65歳」と回答し、最多の結果になった。一般的に定年後の再雇用や継続雇用が始まる年齢であり、定年後も働く意向の人が多いようだ。
また、「動けるうちはずっと」(23.6%)と回答した人もほぼ同数であり、身体的に問題がなければ、働き続けたいと考える人が多数派のようだ。

Q2.「今後のキャリアの方向性がわからない」のは、65.4%
“40歳の壁”と表現されるように、キャリアの転機が訪れ、キャリアパスのゴールを意識し始めたり、これまで積み重ねた経験とスキルを基盤に、新たな挑戦や働き方を模索する人が多い時期と言われるが、「今後のキャリアの方向性がわかっているか」という質問に対し、65.4%(「方向性がわからない」(19.5%)」と「どちらかといえば方向性がわからない(45.9%)」の合計値)が、方向性が明確になっていない状況が浮き彫りになった。
社会の変化、また、Q1の結果からもわかるように、従来の「定年まで働く」というモデルが崩れつつあること、さらに、選択肢が増える一方で「何を選ぶべきか」「どう働き続けたいか」という悩みも生まれやすい状況にあり、自身のキャリアの次の一手を明確に描けずにいる人が多い様子が推察される。

Q3.「『なりたい自分』の姿を思い描けている」のは46.8%で、キャリアの方向性の明確化と関係している
「なりたい自分の姿を思い描けていますか」という質問に対して、思い描けていると回答したのは46.8%となった(「しっかりと思い描けている」(8.9%)と「ぼんやりとだが思い描けている」(37.9%)の合計値)。

前述のQ2では、65.4%が自身のキャリアの方向性が明確になっていない状況が示されているが、なりたい自分の姿を思い描けていると、キャリアの方向性も明確になっている傾向が見られる。

Q4.「老後の生活資金」について「不安を感じている」のは75.0%
「老後の生活資金」に対する質問では、75.0%が不安を感じているという結果となった(「非常に不安を感じている」(34.7%)と「どちらかといえば不安を感じている」(40.3%)の合計値)。
Q1で、定年後も働く意向が多い結果になったのは、老後の生活資金への不安感が影響を与えている可能性も考えられる。

Q5.「20代のときに想定していた40歳時点の貯蓄額」は「1000万~1500万円未満」が最も多く、「実際の貯蓄額」は「1万~100万円未満」が最多で、想定を大きく下回る
「20代のときに想定していた40歳時点の貯蓄額」で最も多かったのは「1000万~1500万円未満(17.6%)」だが、実際の「現在の貯蓄額」は「1万~100万円未満(16.6%)」が最も多い結果になった。想定していた貯蓄額と大きく乖離している実態が浮き彫りになった。

貯蓄・資産運用の方法(複数回答可)は、「円貯金」(38.6%)が最も多く、「投資信託」(24.9%)、「株式投資」(22.6%)が続いた。

Q6. 「自分らしく働いていると思う有名人」は、1位「藤本美貴」、2位「綾瀬はるか」、3位「上戸彩」
「自分らしく働いていると思う同年代の有名人」を聞くと(自由回答)、1番多くの票を集めたのは、「藤本美貴さん」となった。次いで、2位は「綾瀬はるかさん」、3位は「上戸彩さん」という結果になった。
藤本美貴さんと綾瀬はるかさんに関しては、男女どちらからも多くの票を集めており、「同年代では自分らしく働いている女性が多い」という印象が強そうだ。

Q7. 「20年後の60歳のときに『なっていたい自分』のイメージに近い有名人」は、1位「明石家さんま」、2位「山口智子」、同率3位「ヒロミ」「大地真央」「浜田雅功」
「20年後の60歳のときに『なっていたい自分』のイメージに近い有名人」を聞いたところ(自由回答)、1位は「明石家さんまさん」という結果になった。2位は「山口智子さん」、3位は「ヒロミさん」「大地真央さん」「浜田雅功さん」が同率でランクインした。

<調査概要>
[期間]2025年5月19日~5月20日
[対象] 企業や組織・団体に勤務する1985年生まれの男女
[回答数] 1000名(男性:500名/女性:500名)
[方法]インターネット調査
※調査結果の構成比は小数点2位以下を四捨五入して算出しているため、合計値は必ずしも100%とはならない
構成/こじへい