「今の会社で働き続けたい」と思っている新入社員はどれくらいいるのか

入社早々に退職代行サービスを利用する新入社員が後を絶たない…そんなニュースが世間を賑わせている昨今だが、実際のところ、新入社員で「今の会社で働き続けたい」と考えている人はどれくらいいるのだろうか？

ALL DIFFERENTおよびラーニングイノベーション総合研究所はこのほど、2025年入社の新入社員 3,933人を対象に「新入社員の勤続意向」に関する実態調査を行い、その結果を発表した。

「今の会社で働き続けたい」65.4％が回答し、12年間で最大の割合

2025年度の新入社員に対し、今の会社で働き続けたいか、質問した。結果、「できれば今の会社で働き続けたい」と回答した割合65.4％と最も高い割合となった。

その他、「そのうち転職したい」（13.2％）、「いつかは起業したい」（3.5％）、「フリーランスとして独立したい」（1.7％）、「家庭に入りたい」（1.4％）となり、離職を視野に入れている新入社員が約2割いることがわかった（図1）。

次に、今の会社で働き続けたいか、2014年度から12年間、各年度の新入社員に質問した結果を比較した。結果、「できれば今の会社で働き続けたい」と回答した新入社員の割合は、2019年度に全体の半数まで減少したこともあったが、それ以降は増加傾向にあり、今年度は過去最大の割合となった（図2）。

今後取り組みたい仕事、勤続意向者と離職意向者の違いは？

図1の、入社した今の会社で働き続けたいかという質問で、「できれば今の会社で働き続けたい」と回答した人を『勤続意向者』、「そのうち転職したい」「いつかは起業したい」「フリーランスとして独立したい」「家庭に入りたい」と回答した人を『離職意向者』と分類し、分析した。（「わからない」と回答した人は除く）

今後どのような仕事をしていきたいかと質問した結果、『勤続意向者』『離職意向者』どちらも、「楽しくてやりがいのある仕事」と回答した割合が他項目より突出し、トップの結果になった。以下、「自身の成長につながる仕事」がそれぞれ41.4％、41.6％と続いた。

回答割合の差に注目すると、『勤続意向者』は『離職意向者』よりも「チーム一丸となって取り組む仕事」が11.9ポイント、「楽しくてやりがいのある仕事」が5.2ポイント高くなった。一方、『離職意向者』は『勤続意向者』よりも「成果次第で給与が上がる仕事」が7.4ポイント、「自分のペースでやり切れる仕事」が6.5ポイント高くなった（図3）。

今の会社で働き続けたい条件「職場の人間関係」「高い給与・賞与」6割超が回答し、2大トップ

新入社員が今の会社で働き続けたいと思う条件を質問した。結果、「職場の人間関係が良い」と回答した割合が65.7％、「高い給与・賞与をもらえる」と回答した割合が62.2％となり、この2つの項目が6割を超え、他項目より突出した（図4）。

新入社員が今の会社で働き続けたいと思う条件を、性別で比較した。

結果、男性のトップは「高い給与・賞与をもらえる」（65.4％）、次に「職場の人間関係が良い」（60.0％）となった。女性のトップは「職場の人間関係が良い」（73.5％）で、次に「高い給与・賞与をもらえる」（57.9％）となった。

男性・女性の割合を比較すると、男性は「業績が安定している」と回答した割合が女性よりも6.0ポイント高く、女性は「頑張りを認めてもらえる」と回答した割合が男性よりも7.0ポイント高くなった（図5）。

新入社員が今の会社で働き続けたいと思う条件について、2020年度から6年間、各年度の新入社員が回答した結果を比較した。結果、「職場の人間関係が良い」と回答した割合が全年度6割を超え、トップを維持していた。

年度別に変化があった項目は、「高い給与・賞与をもらえる」と回答した割合で、2020年度は51.5％のところ、徐々に増加し2025年度は6割を超えた。一方、「仕事を通じて成長できる」と回答した割合は、2020年度は45.4％のところ、2025年度は33.5％に減少した（図6）。

長く働きたい会社の雰囲気・文化「互いに協力し合い、チームワークを重視する文化」7割が回答

どんな雰囲気・文化の会社だと、長く働きたいと思うか質問した。結果、「互いに協力し合い、チームワークを重視する文化がある」と回答した割合が72.8％で、他の項目よりも突出した結果となった（図7）。

出典元：ALL DIFFERENT株式会社

構成／こじへい