裁判所のジャッジ
裁判所
「Xさんは会社に合計1417万円払え」
「内訳は、高級アクセサリーなどの購入1322万円と交通費詐取95万円です」
▼ 会社のお金で自分の物を買いまくる
約1322万円も買いまくってます。完全に自分の物を買ってるのに、Xさんは「キャスティングに必要な費用」などとして会社に支払わせていたんです。
ーー どんな商品を買ってましたか?
裁判所
「あるブティックからは高価なアクセサリーを買ってますね(ダイヤネックレス19万8000円、ハートダイヤリング39万円、ダイヤピアス6万8000円、ダイヤチェーンブレス23万8000円、ダイヤクロスNC29万円)。そのほか、スカート、ジャケット、リングサイズのお直しもしてます」
ーー おいおい。リング直してんじゃねーよ……。あとは?
裁判所
「別のところからは高級バッグも買ってます(鍵付きバッグ12万円、スーツケース<大>8万5800円、スーツケース<小>6万9300円、リュック20万9000円)」
ーー まだあります?
裁判所
「ベビータオル、クッション、ダストボックス、ソファーなどですね」
Xさん
「ちょっと待ってください。買ったことは認めますけど、不測の事態が生じて撮影できなくなることを避けるため、あらかじめ衣料品などを買っていました。予算の範囲内で。代表者から指示があったので。あと、使用済みの衣類などは、多くの場合は再利用することがなく保管場所もないため処分しています。なので会社は黙示的に所有権を放棄しており、従業員などの自由な処分に委ねています」
裁判所
「シャラップ!非常識だね。キャスティング業を行う営利企業が、必要になるか分からない衣料品をあらかじめ準備し、しかも、使用済みのものを売却することなく処分するっていうのは常識的に考え難い!」
一蹴されております。あと、別のところからも、257万円、237万円の購入が認定されています。Xさんは訴訟前のメールでも自爆しています。「●さんの個人口座請求分は~、私に入っており、モデルや●さんには入っていません」と送って自認しているんです。
1回成功したので、ズルズルと沼にハマりこんだんでしょうね。合掌。
ていうか20万円のリュックって何や!
▼ 交通費を多めにもらう(95万円)
あと、交通費も詐取しています。引っ越したのに、引っ越し前の住所からの交通費をもらいつづけていました。本来もらえる金額よりも多く詐取していたんです。その金額、95万円。
お金を扱う部署にいる方。
泥沼にハマらないようにお気をつけください。
今回は以上です。「こんな解説してほしいな~」があれば下記URLからポストしてください。また次の記事でお会いしましょう!
取材・文/林 孝匡(弁護士)
「ムズイ法律を、おもしろく」をモットーにコンテンツを作成している弁護士
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