
こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。
ーー ある女性社員に会社のお金をジャブジャブ使われたとかで?
会社
「1300万円ですよ……」
女性社員は1300万円を何に使ったのか!?
本当にあった横領事件をお届けします。
(大阪地裁 R5.9.29)
登場人物
▼ 会社
・テレビ、雑誌などの宣伝広告の企画や制作をする会社
・具体的な業務内容はTV番組に出演するタレントの手配など
▼ Xさん
・H17 アルバイトとして入社
・H18 正社員となる
・営業を担当。具体的には広告やイベントなどの案件の受注、撮影現場へ立会いなど
どんな事件か
ーー いつ頃から「おかしいな~」と感じ始めたんですか?
会社代表者
「H27ころからです。Xさんの勤務態度が悪くなり、業務に関する申告にオカシイ点があると感じるようになりました」
会社に納品された商品の明細と、取引先から会社への請求金額がオカシイ…と感じたんです。「こいつ、業務に必要ないものを買って会社に支払わせてるんじゃないか」という疑惑ですね。
▼ 面談
会社代表者がXさんと面談します。会社の弁護士も同席しました。代表者はXさんに対して「不正行為があったのでは?」と聞きましたが、Xさんは不正行為を認めませんでした。
▼ 懲戒解雇
その後、Xさんは不正の一部を認めたのでしょう。約4ヶ月後、会社はXさんを懲戒解雇します。通知書には「貴女自身がお認めになられているとおり、今般、貴女が行った金銭に関する様々な不正行為により、当社が多額の損害を被っていたことが発覚致しました。(以下略)」との記載がありました。
会社は、Xさんに対して損害賠償請訴訟を提起しました。