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大企業で進む「賞与の給与化」とは?ボーナスと給料が一緒に支払われるメリットとデメリットを解説

2026.04.26

大手企業を中心に賞与(ボーナス)を毎月の給与に組み込む会社が増えている。賞与が給与として毎月支給されるようになるとどうなるのか、メリット・デメリットをまとめた。

2025年度は、ソニーグループ、大和ハウス工業、バンダイなどの大手企業が次々と賞与給与化を発表した。

この流れを受けて、賞与が毎月の給与として支給されるとどのようなメリットがあるのか、デメリットはないのか気になる人も多いはず。実は、賞与給与化のメリット&デメリットは、社員と企業のどちらの立場から見るかで異なる。

そこで本記事では、賞与給与化の概要と目的、社員・企業のそれぞれの立場から見るメリット&デメリットについて解説する。

賞与給与化とは?

まずは賞与給与化の概要と、企業で給与体系の見直しが進む背景について見ていこう。

■賞与給与化とはボーナスを基本給に組み込む制度

賞与給与化とは、年に1~2回支払われるボーナスを月給として毎月の給与に組み込むことを指す。

たとえば、賞与が年2回、月収の3か月分支給される会社で賞与を全廃し給与化した場合、ごく単純に計算すると、年間の賞与6か月分が毎月の給与12か月分に振り分けられ、毎月の給与額が1.5倍になる。

ただし、現在、賞与給与化を進めている企業では、賞与を完全に廃止するケースは少なく、年2回の賞与を1回に削減するなど給与化は一部となっている。

■企業で取り組みが進む賞与給与化。理由や目的は?

企業が賞与給与化を進める背景には、日本企業が抱える人材不足の問題がある。優秀な人材を確保するため、企業同士の比較対象となりやすい月給の額面をアップさせることが目的だ。賞与の一部を給与にプラスすることで、高い月給額を実現させる狙いだ。

■賞与と給与の違いは?

なお、賞与と給与の違いについても簡単におさらいしておこう。

・賞与(ボーナス)……毎月の給与とは別に支給される給与のこと。会社の業績を従業員に還元する目的で支給される。日本では年次により金額の変動はあるものの、ほぼ毎年定期的に支給される。

・給与(給料、賃金)……労働の対価として会社から支払われる金銭のこと。労働基準法により月1回以上の決まった日に支払う義務がある。基本給、残業代、各種手当、賞与も給与に含まれる。

賞与給与化のメリットは?

賞与給与化は、企業と社員のいずれにもメリットがある。ただし、メリットの内容は労使で異なるケースもあるので、どちらにとって有利かを知っておこう。

■賞与給与化のメリット1:初任給や基本給を引き上げて人材確保につなげやすい(企業)

賞与を給与(月給)に含めることで、初任給や基本給の額面を引き上げられる。特に新卒など若手社員の採用では初任給が重視される傾向にあり、現在、大手企業の多くが初任給の引き上げを行なっている。人材獲得競争で優位に立つために、賞与給与化が活用されていると言えるだろう。

■賞与給与化のメリット2:人件費のコストがかからない(企業)

賞与給与化は、賞与の一部を月給に転化するため、純粋に基本給を増額したケースと比較すると人件費が上がりにくい。また、賃金の内訳を変更するだけなので、見直しの手間も小さいと言えるだろう。

■賞与給与化のメリット3:安定的な収入につながる(企業、社員)

賞与給与化により社員の毎月の収入は増額された状態で安定する。日本の場合、賞与は慣例的に毎年支給する会社が多いが、業績を反映しボーナスカットに踏み切るケースもあることを考えると、賞与が給与化されることで社員は収入面での安心を得られるはずだ。

■賞与給与化のメリット4:残業手当やボーナスも増額になる可能性(社員)

賞与の一部が給与化されることで月給が増額になると、月給(基本給)を基準として計算される残業手当や賞与(給与化されなかった部分)も増額となる。

そのため、賞与給与化の以前と就業時間・業務内容がまったく同じでも、月給に加えて年収も増額になる可能性がある。

賞与給与化のデメリットは?

一方、賞与給与化には以下のようなデメリットもある。こちらも企業にとってのデメリットと社員にとってのデメリットが異なる場合があるため確認しておきたい。

■賞与給与化のデメリット1:人件費をコントロールしづらい(企業)

賞与を固定給に組み入れると、業績に連動して賞与を増減することは難しくなる。人件費のコントロールという賞与の目的が果たしづらくなる上、固定給に含めた賞与を再度外すことは労務的に困難となる。

■賞与給与化のデメリット2:ボーナスが減額・廃止される可能性(企業、社員)

賞与給与化によりボーナスが減額・廃止されると、既存社員の反発や混乱を招く可能性があるため、企業側は社員への十分な説明が必要不可欠だ。

社員側も、給与体系が見直されることでローンのボーナス返済の見直しなどを迫られるケースがあるだろう。

■賞与給与化のデメリット3:所得税の税率や社会保険料の料率が増える(企業、社員)

賞与給与化により月給が増額されると、それによって所得税(源泉所得税)の税率や、社会保険料の保険料率も変動する可能性が高い。

源泉所得税・社会保険料とも賞与にも課税されるが、源泉所得税は税率と計算方法が毎月の給与とは異なる。増減が気になる場合は、どの程度変動するかを会社に確認しよう。

なお、会社員は毎年の年末調整により社会保険料等が控除され、納めた源泉所得税が還付される。年収の変動を調べる場合は、それらの還付状況も考慮した上で比較したい。

※参考:

給与所得者と税|国税庁

No.2523 賞与に対する源泉徴収|国税庁

都道府県毎の保険料額表 | 協会けんぽ | 全国健康保険協会

■賞与給与化のデメリット4:年収アップにつながるとは限らない(社員)

賞与給与化により毎月の固定給がアップしても、ボーナス分が移行されたのみの場合は、年収アップにつながらない可能性がある。会社から賞与給与化の告知があった場合は、目的と具体的な賞与の移行分を確認すると共に、自分の年収がどの程度変動するかを確認しよう。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文/編集部

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