
人間、孤独に耐え続けることは難しい。特に職場のような見知った人同士で形成されるコミュニティの中ではなおさらだ。ふとした瞬間に疎外感を覚え、楽しげに話している同僚たちを見て一層孤独感を強めて、ストレスを抱えてしまうこともあるだろう。
転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリアが運営する調査機関「Job総研」はこのほど、社会人男女576人を対象に「2025年 職場の孤独実態調査」を実施し、その結果を発表した。
全体の69.2%が「職場で孤独を感じた経験がある」
回答者全体の576人に「職場で孤独を感じた経験」を聞くと、「とてもある」が18.2%、「ある」が26.2%、「どちらかといえばある」が24.8%となり、69.2%が職場で孤独を感じたことがあるとわかった。
職場で孤独を感じた経験ありと回答した399人の孤独を感じた時期を見ると、コロナ禍前の2019年では19.8%だったものが、コロナ禍に入った2020年に27.1%に増加し、2022年までは27.1~31.1%とほぼ横ばいとなった。
また、5類移行後の2023年で36.1%に増加したものが2024年までに微増、そして2025年では67.2%と、過去7年比で最多となっただけでなく、前年比での増加率も最大となった。
孤独を感じた経験は50代男性で顕著
職場で孤独を感じた経験ありと回答した人を年代別でみると、50代が73.8%で最多となり、次いで30代が73.1%、20代が68.3%、40代が62.1%となった。男女別では男性が72.2%、女性が64.0%となった。
役職別では主任クラスが最も孤独を感じているという結果に
職場で孤独を感じた経験がある人を役職別で見ると、主任クラスが80.7%で最多となり、次いで課長クラスが72.1%、一般社員クラスが67.0%、部長クラス以上が64.1%、係長クラスが63.5%となった。職場で孤独を感じた経験ありと回答した399人に、職場で孤独を感じた場面を聞くと「人間関係が希薄だと気づいた時」が34.8%で最多となり、次いで「職場で雑談が少ない時」が33.6%、「上司や同僚に相談しにくい時」が28.3%となった。
職場で感じた孤独感の内容、「年齢・性別・価値観が違う」が最多に
職場で孤独を感じた経験ありと回答した399人に職場で感じた孤独感の内容を聞くと「年齢・性別・価値観が違う」が38.6%で最多となり、次いで「頑張りが誰にも届かない」が32.3%、「自分だけ周囲と“何か”が違う」が26.3%となった。
また、職場の孤独感が及ぼす影響を聞くと「不安・ストレスを感じやすい」が40.1%で最多となり、次いで「職場への帰属意識が下がる」が38.3%、「モチベーションが下がる・転職を考えるきっかけになる」が同率で37.1%となった。
83.0%が職場の孤独が仕事やメンタルへ「影響する」と回答
職場で孤独を感じた経験ありと回答した399人に仕事やメンタルへの影響を聞くと「とても影響する」が26.1%、「影響する」が29.3%、「どちらかといえば影響する」が27.6%となり、83.0%が仕事やメンタルへ影響するとわかった。
また、職場の孤独感による退職・検討経験を聞くと、「退職をした」が21.3%、「退職を検討した」が45.4%となり、66.7%が退職・検討経験があるとわかった。
職場の孤独感を拭う対策は「何もしていない」が30.3%で最多
職場で孤独を感じた経験ありと回答した399人に職場の孤独感を拭う対策を聞くと「特に何もしていない」が30.3%で最多となり、次いで「諦めた」が23.3%、「雑談など自ら交流を試みた」が21.6%となった。また、職場以外でも孤独を感じるかと聞くと、「とても感じる」が15.5%、「感じる」が17.8%、「どちらかといえば感じる」が26.8%となり、60.1%が職場以外でも孤独を感じていることがわかった。
職場の孤独感軽減に必要なものは「リラックスできる場所」
回答者全体の576人に職場で孤立している人はいるかと聞くと、「いる」が28.9%で、「いない」が30.6%、「わからない」が40.5%となった。また、孤独軽減に必要だと思うことを聞くと「リラックスできる場所」が30.2%で最多となり、次いで「気軽に会話できる対面の場」が28.1%、「定期的な1on1面談」が21.7%となった。
<調査概要>
調査対象者:現在就業中のJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件 :全国/男女/20~50代
調査期間 :2025年5月9日~5月14日
有効回答数:576人
調査方法 :インターネット調査
出典元:Job総研
構成/こじへい