F検定の結果の見方と判断基準
F検定で算出された結果は、p値の値を見て判断する。ここでは判断のポイントと注意点について解説する。
■p値の意味と判断のポイント
データのばらつきを調べる際には、F検定を行って得られたp値で「差があるかどうか」を判断する。判断のポイントとしては、以下のとおりだ。
- p値 < 0.05 → 「分散に有意な差がある」
- p値 ≧ 0.05 → 「差はない(同程度のばらつき)」
この基準は「5%の有意水準」と呼ばれ、実務でも多く活用されている。
■正しい判断のための注意点
F検定で判断するためには、以下の条件が前提となるので注意が必要だ。
- データは正規分布している
- データ同士が独立である
- 分散に極端な外れ値が存在していない
まとめ
F検定は、データのばらつきや安定度を客観的な数値で示す分析手法だ。ビジネスや学術研究で用いられる場面は多い。
エクセルを使えば簡単に計算できるので、この機会にやり方を習得し、活用してほしい。
本記事の内容を以下で簡単におさらいしておこう。
- F検定とは
- 平均値ではなく「ばらつき(分散)」の差を調べる統計手法。
- t検定との違い
- t検定は平均値の差を検証するのに対し、F検定は分散の差に注目する。
- 活用シーン
- 製造業:2つの機械で製造した部品の品質ばらつきを比較
- 教育:異なる指導法による成績の安定性を調査
- 医療・心理学:薬や治療法に対する反応の安定性を評価
- Excelでの実施手順1:関数を使う方法
- 比較したい2つのデータを入力
- =F.TEST(配列1, 配列2) を入力
- 結果として p値 が返される(差の有無を判断)
- Excelでの実施手順2:データ分析ツールを使う方法
- 「ファイル」→「オプション」→「アドイン」で「分析ツール」を有効化
- 「データ」→「データ分析」→「F検定:2標本の分散の検定」を選択
- 範囲を指定し、結果を出力
- p値の判断基準
- p値 < 0.05 → 有意な差あり(分散が異なる)
- p値 ≧ 0.05 → 差なし(同程度のばらつき)
- 注意点
- 正しい結果には、正規分布・独立データ・外れ値の排除が前提条件となる。事前のデータ確認が重要。
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構成/編集部