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70年ぶりの法改正でどう変わる?注目を集めるCBD市場の可能性と課題

2025.06.23

昨年12月12日に大麻取締法および麻薬及び向精神薬取締法が改正され、大麻由来の商品市場が注目されはじめている。特に大麻草に含まれる「カンナビノイド」と呼ばれる成分群の一つのCBD(カンナビジオール)は、抗不安・睡眠サポート・抗炎症・鎮痛・抗けいれん・抗酸化・自律神経調整など、現代の私たちの心と体の健康に役立つ作用がある。

CBD市場は世界的にも堅調な拡大が見込まれ、2030年には218.7億米ドル(出典Mordor Intelligence)。日本でも年間800億円の市場になると予測されている。国内でも少しずつCBDを通常の薬に加えて、補完的に取り入れる病院が出てきた。しかし、原料は大麻だ。依存性はないのだろうか。臨床CBDオイル研究会の事務局長・根木孝朗さんと、実際にCBD商品を販売しているスピック(神奈川県横浜市、代表芝田崇行氏)のLypo-C CBDブランドマネージャー冨田人嗣さんに、CBDについて聞いてみた。

麻薬に関する法律が国内70年ぶりの全面改正に

――はじめまして、根木さんは臨床CBDオイル研究会の事務局長でいらっしゃいますが、最初に大麻に関する法律改正についてごく簡単に教えてください。

根木さん はじめまして。昨年2024年12月に70年ぶりに大麻に関する法律が改正されました。正式名は「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」です。前回の大規模改正は1954年(昭和29年) の大麻取締法制定時であり、今回の改正はそれ以来の抜本的見直しで、約70年ぶりの全面改正となりました。

今回の法令見直しでは、医療用大麻が国際的に見直されていることによって市場規模も拡大していることや、精神活性成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)成分やその類似成分(合成成分含む)を含有する製品の流通増加に対応する規制強化、医薬品開発時の手続き簡素化などが盛り込まれています。ちなみにTHC成分の規制については、世界でも類を見ない厳しい値が設定されました。

――取締りが厳しくなったのに、なぜCBDなど大麻由来の商品開発が急に注目されるようになったのでしょうか?

根木さん まずWHO(世界保健機構)がCBDの安全性について明確に報告したことは日本でも注目されるきっかけになりました。その報告の中で、CBDは精神活性作用を持たないことに加え、依存性が無い上に、副作用も心配する必要も無いなどの安全性に対しての懸念点が払しょくされたことが良い後押しとなったのだと理解しています。

それ以前にも米国CNNテレビのドキュメンタリー番組で、重篤なてんかん発作を持つ子供がCBDを摂取した直後から発作がほとんど出なくなったことを動画と解説で大きく報道したことは、良い意味で世界に衝撃を与えました。

上記のような報道は日本では関係者以外には、あまり知られていませんが、世界を見渡せば多くの国々においてCBDの市場は大きく成長していることも日本への影響はあるのではないでしょうか。

CBDは毎年平均12%の高い成長率

根本さん ちなみにCBDにおける世界市場の規模は、2030年くらいまでは少なくとも毎年平均的に12%程度は成長し続けることが見込まれています。海外でもとりわけアメリカやヨーロッパでも人気が続いていますし、CBDの専門店が多く存在しているだけにとどまらず、チェーン展開する様々な業種、例えばスーパー、薬局、サプリメント店、最近では有名なアパレルなどでも取り扱う業種も世界的には増えていることも影響しているのではないでしょうか。

店頭でサプリメントとして販売されているCBD

近年では日本でもインバウンドやスポーツの国際大会なども増えていることもあり、今までのようにTHCの値が明確になっていない頃とは違ってTHCの値が明確になった今、法律を遵守してさえいればCBDや他のマイナーカンナビノイド類を使用できるため、今までは手が出せなかった企業においても、今後の市場を見据えて真面目に取り組む企業はそれなりにいるということかと思います。

ただし、今回の法律改正で日本国内では、THC含有量は検査機関でもちょっとしたブレ程度でも検出されやすい数値であることからも、まだまだ慎重になっている企業が多いのも事実です。

今回の法律改正では、大麻草の栽培についても変更となりました。経口摂取やスキンケアなどいわゆるCBD原料とは異なる麻繊維なども、日本では昔から広く一般的に使用されてきています。

大麻草は半年で2メートル以上に成長する上、大気中や土壌内の汚染物質を吸うなどの利点が多く含まれます。また、綿と比較しても、加工する際には水を使用する量もかなり少なく、環境に優しい上に、いくつもの機能性を備えている身体にも優れた天然繊維であることが知られています。

そのことからも、化学繊維に体が合わない人たちだけではなく、地球環境に配慮したい人たちの間でも、今後はもっと日本の昔のように麻を使用した天然繊維も改めて注目を浴びることになるでしょう。環境負荷やカーボンニュートラルなどの観点からも既に麻を活用している企業も世界には存在していますし、日本では尚更のこと、そのような企業はどんどん増えることが望まれるところです。

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