
辞められたら困る人材とは、人望が厚く柔軟性があり、成長意欲やポジティブ思考を持ち、専門性の高いスキルを持つ人です。離職の前兆として、コミュニケーションの減少、発言の減少、評価への無関心などが見られたら注意が必要です。
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人材は企業にとっては欠かせない経営資源の1つです。人材を流出しないためには、辞められたら困る人を把握し、辞めそうな前兆をいち早く察知して対策をすることが重要です。
では、実際に辞められたら困る人とは、どのような人材を指すのでしょうか。
この記事では、辞められたら困る人の特徴と、辞めたいと思っている人の前兆をお伝えします。
辞められたら困る人の特徴
辞められたら困る人には、いくつか共通する特徴があります。辞められたら困る人とは、能力やスキルがあるだけではないのです。ここでは、その特徴を取り上げていきます。
1.人望が厚い
まず、特徴として人望が厚いことが挙げられます。企業に勤めている場合、すべての仕事を1人だけで遂行することは不可能です。仕事は複数人が1つのチームになって取り組むものです。なので、コミュニケーションスキルに優れ、周囲に気を配りながら仕事に取り組める人は、組織にとても大きな貢献をしています。
人望のある人材が辞めてしまうことは、残された人のモチベーション低下にもつながる恐れがあります。
2.柔軟性がある
1.で触れたように、仕事は1人だけで遂行できるものではありません。自分の考えだけで仕事を進めるのではなく、周囲に合わせられる柔軟性が必要です。
また、柔軟性がある人は、仕事のミスなどイレギュラーな事態が発生しても瞬時に対応できる力があります。さらに著しい変化が伴う現代社会においては、その柔軟性という能力は企業にとって必要な能力と言えるでしょう。
3.成長意欲、向上心がある
成長意欲がある人は、現状で満足することなく常に成長しようと努力するため、未経験なものや失敗したものに対しても挑戦を続けます。そして、その成長意欲は周囲にもよい影響をもたらします。
そのような人材が辞めることは周囲のモチベーションは下がってしまうことにもつながり、企業に大きな損失をもたらします。
4.ポジティブ思考
ポジティブ思考を持つことも辞められたら困る人の特徴の1つです。ポジティブな思考を持つ人は、失敗してもそれを糧にして成長することができるからです。
仕事をする上で一度も失敗を経験しない人は、まずいません。誰もが経験する失敗を受け止め、冷静に原因を突き止めて成長に活かせる人は、重要な人材だと言えます。
5.専門性の高い知識やスキルを持っている
専門性の高い知識やスキルを持っている人も、もちろん企業にとっていなくなっては困る人材です。なぜなら、その専門性を活かした重要な業務を担っている傾向があり、その人材がいなくなることは企業実績に直結してしまう恐れがあるからです。
また、そのような人材を育てるためには莫大がコストや時間が必要なため、企業としてはいなくなっては困る存在なのです。
辞められたら困る人が離職を考えている時の前兆
辞められたら困る人は単に優秀なだけでなく、様々な能力が備わっています。そのような人は仕事に対して意欲的に取り組んでいることが多いはずです。下記のような前兆が見られた場合は、仕事を辞めるほうへ傾いている可能性があるので、注意が必要です。
1.周囲とのコミュニケーションが減った
以前より周囲とのコミュニケーションが減っている場合には、辞めることを考えている可能性があります。もう辞めるのだからと、職場の人間関係に関心がなくなっているサインだからです。
業務時間だけでなく、休憩時間に周囲とのコミュニケーションを取らなくなった場合も離職を考えている可能性があるので、注意して観察するようにしてください。
2.仕事に対しての発言が減った
離職を考えている人は仕事に対してのモチベーションが減少していきます。普段よりも仕事に関する質問や発言が減ったときには注意してください。
また、仕事に対するネガティブな発言が減ったときも辞めることを意識している可能性があります。なぜなら、そのネガティブな発言は、仕事に改善を求める前向きな意見でもあるからです。改善を求めないということは、もう仕事に興味がなくなってしまっているのかもしれません。
3.周囲からの評価を気にしなくなる
周囲からの評価を気にしなくなることも辞めることを考えている人に見られる兆候です。特に優秀な人は評価だけでなく、普段から周囲をよく見ており、細かなことに気づく能力に長けています。
そんな人が周囲からの評価を気にしなくなるということは、仕事に関心がなくなっているというサインと言えます。
文・構成/藤野綾子
ライター・編集者。精神保健福祉士、産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。