発売から3か月で完売!アンファーDISMの美顔器「EMS EER メディスキンケアデバイス」が売上計画比600%を突破した理由
2025.06.20
男性一人ひとりの肌悩みを解決するために生まれたドクタースキンケアブランド「DISM(ディズム)」から、美顔器『ディズム EMS EER メディスキンケアデバイス』が登場。発売から約3か月で完売し、計画比600%を上回る大ヒットとなっている。
今回は、アンファー株式会社 取締役 新規ブランド本部長 長内尚さんに、商品の特徴やヒットの要因、開発までの試行錯誤についてお話を伺った。
*本稿はVoicyで配信中の音声コンテンツ「DIMEヒット商品総研」から一部の内容を要約、抜粋したものです。全内容はVoicyから聴くことができます。
コンパクトなのに本格派!美容医療発想が生んだ“新・美顔器”
はじめに、長内さんは「ディズム」について、次のように説明する。
「『ディズム』は、2021年4月に立ち上がった男性向けスキンケアブランドです。アンファーグループの美容クリニックの知見を生かし、手軽にスキンケアができる洗顔料やオールインワンジェルのほか、肌悩みに合わせて本格的なスキンケアができる商品をラインアップしています」
ディズムが初の美容家電としてプロデュースしたのが、美顔器「ディズム EMS EER メディスキンケアデバイス(以下 メディスキンケアデバイス)」。EMS機能をはじめラジオ波や温感機能など、8つの機能を備えている。
「同商品には『エレクトロポレーション』という機能が付いています。電気の力で肌に微小な穴を開け(※1)、普段お使いの化粧水などの成分をしっかり届ける(※2)技術です」(長内さん)。
男性向けの美顔器ということもあり、形状や、サイズのコンパクトさにもこだわった。
「ポイントは、T字の髭剃りのような形を採用した点です。コンパクトで軽いので持ち運びにも便利ですし、使っていて腕や肩が疲れることもありません。また、T字の横棒が90度回転して‟I字”になるのも特徴です。T字は頬などの広い部分に、I字にすれば目の下など細かい部分をケアできます。T字型でエレクトロポレーション機能がついている美顔器は、実は世界初(※3)なんです」
発売後は、およそ3か月で計画比約600%を突破。当初1年かけて売るはずだった製品が、一時欠品になるほどの大ヒットとなった。
「当初は男性が美顔器を使うのか不安もありましたが、実際には20代から50代と幅広い男性にご利用いただいています。予想外だったのは、女性のお客様にも大変好評をいただいていることです。男性は初めての美顔器に、女性は持ち運び用や買い替えとして選ばれるケースが多く見られます」
ユーザー視点を大切にしたからこそ完成した“シンプルな機能”
ドクターとの会話がきっかけで生まれたメディスキンケアデバイス。“クリニック発想で作った美顔器”という点で、ほかにない独自性を打ち出した。
「一般的な美顔器が‟おうちエステ”を楽しむ感覚だとすると、私たちが目指したのは‟おうちクリニック”を実感できる商品です。また、高価なイメージのある美顔器ですが、気軽にお試しいただきたいと考え、手に取りやすい3万5000円の価格に設定しました。そういった意味では、『エントリー美顔器』としても最適なポジションの商品だと思います」
エレクトロポレーションの機能を最大限に引き出すため、ドクターと一緒に作り上げたメソッドが「3つのモード」だった。
「モード1では、成分を入れる前に肌をしっかりほぐします。畑を耕すイメージですね。次にモード2で、エレクトロポレーションを使って成分を肌の奥に押し込みます(※2)。最後に、せっかく入れた成分が逃げないように、モード3で肌を引き締めて(※4)閉じ込める流れです」
中でもこだわったのが、出力パワーだという。
「小さくても効果をしっかり感じられるよう、試行錯誤を繰り返しました。エントリー美顔器とはいえ、効果が弱いとお客様をがっかりさせてしまいます。コンパクトでもパワフルであることには、絶対に譲れないこだわりがありました」
自分たちにしか作れない美顔器を作る。そのために、長内さんは「お客様の声を聴くこと」を大切にした。
「二つの属性の方に、徹底的にヒアリングを行いました。美顔器を使ったことがない男性と、美顔器を使ったことがあるけれど途中でやめてしまった方です。『美顔器はハードルが高い』『置き場所に困る』『腕が疲れてやめてしまった』という声を受けて、コンパクトで軽い本体デザイン、そして1回3分で完了する手軽さを追求しました」
細部へのこだわりが巻き起こした口コミ旋風
長内さんは、「開発当初の“社内のどよめき”を鮮明に覚えている」と振り返る。
「T字型の試作品が上がってきたとき、みんな見たことのない形の美顔器に驚いていました。社長に見せたら、男性ながら『とても良い』と興奮されていたのを覚えています。チーム内でも、早く発売したいと盛り上がっていました」
チームの盛り上がりをそのままに、発売直後から話題となった同商品。ヒットの裏にある、4つの細かなこだわりについて、長内さんは次のように説明する。
「1つ目のこだわりは、EMS機能の波長です。本製品では、高い波長と低い波長の異なる2種類の波長を組み合わせています。肌に電気を流した際に、奥深くまで届く刺激と、比較的浅い部分への刺激が交互に発生し、リズミカルに『もみほぐす』ような体感を得られる設計にしました」
機能面だけでなく、「あったら便利」なこだわりも詰め込んだ。
「2つ目は、Cタイプ充電の採用です。Cタイプが主流になっている現代で、簡単に充電できるようにしました。充電器は付属しています。そして3つ目は、オートオフ機能です。つけっぱなしにして充電が切れてしまわないよう、5分で自動的にオフになるように設計しました。最後に、コンパクトなサイズです。どんな棚にも収まる高さ、メイクポーチにも収まるサイズ感にこだわりました」
長内さんは、「口コミからも売れ行きが広がっている」と話す。
「まずは体験していただきたいと考え、さまざまな場所で体験の機会を作りました。実際に触れて購入してくださった方のレビューが、ありがたいことにとても高評価で。皆さん、ギフトに使ってくださったり、友人にすすめてくださったり、SNSに投稿してくれたり。想像以上に、波及効果があると感じています。TikTokは動画でサイズ感やパワフルさが伝わるようで、特に反響がありました」
アンファー ディズムが考える、これからの男性美容
マーケティングのアプローチとして最初に行ったのが、「美容賢者」と呼ばれる方に試してもらうことだった。
「自分たちが作ったものを受け入れてもらえるのか、まず確認したいと考えました。否定的な意見が出てくるのではないかと不安でしたが、実際はそんなことはなく『小さいのにパワフル』『肌が変わる』といった嬉しい声をたくさんいただきました。自発的にSNSにあげてくださる美容賢者の方もいて、どんどん拡散されていきましたね。著名人が使用している話も耳にして、社内で盛り上がっています」
「美顔器を使うことで、『美容は楽しい』と感じる男性が増えてほしい」と話す長内さん。開発を通して、男性美容のトレンドが見えてきたと続ける。
「ヒアリングを通して、昔より化粧品に効果・効能を重視する男性が増えているように感じました。美容家電のトレンドとしては、ミニマル化が進んでいるように思います。限られた生活空間をスタイリッシュに保ちたい、コンパクトなものを使いたいニーズは、今後さらに増えていくのではないでしょうか」
今回の開発を経て得た知見について、長内さんは次のように話す。
「最初の企画段階でチームが盛り上がると、お客様とのコミュニケーションやサービス、伝え方など、アイデアがどんどん生まれてきます。一人ひとりのアイデアが組み合わさって、大きな力になる。社内のわくわく感が、最終的にお客様の熱量にも繋がるんだと改めて感じました」
最後に、リスナーにメッセージをもらった。
「同商品は男性でもすごく始めやすい美顔器なので、ぜひ一度お試しください。アンファーストアや主要オンラインストア、一部家電量販店などで手に入ります。また、女性にも大変好評いただいているので、大切なパートナーへのギフトにもおすすめです。今後も男性美容を盛り上げていけるようディズムも頑張りますので、応援していただけると嬉しいです」
※1 角質層を一時的に緩めることで成分が浸透する通り道を作ること。一時的なものです。
※2 角層まで
※3 EERモード(EMS、エレクトロポレーション、RFの組合せ)が搭載された本T字型美顔器(T字I字切り替え可能)として/2024年8月 アンファー調べ
※4 電流の効果により物理的に収縮させること
取材・文・撮影/久我裕紀 構成/DIME編集部