
年齢を重ねて転職したり、再就職したりすると出くわす機会が増える「年下の上司」。自分より若い人から指示を仰ぎ、時に叱責を受けることもあるという状況に、働く女性たちどのような思いを抱いているのだろうか?
キャリアデザインセンターが運営する女性の転職に特化した転職サイト『女の転職type』はこのほど、働く女性396名を対象に「年下の上司」に関するアンケート調査を実施し、その結果を発表した。
約8割が年下の上司と働くことに「抵抗はない」
Q1. 上司が年下だったら、抵抗はある?
『女の転職type』会員に、もし上司が年下だったら抵抗はあるかどうかを尋ねると、「あまり抵抗はない」が最も多く42.9%となった。「まったく抵抗はない」(32.3%)を合計すると、「抵抗はない派」は75.2%となり、多くの人が抵抗を感じていないことがわかった。一方、「かなり抵抗がある」(3.8%)と「やや抵抗がある」(16.7%)を合わせて、20.5%が「抵抗がある派」だとわかった。
年代別で比較すると、若年層のほうが抵抗を感じる割合が高く、年代が上がるにつれ「抵抗はない派」の割合が増加する傾向があった。社会人経験が長くなると上司が年下のケースも増えていくので、抵抗がなくなると予想される。
抵抗を感じるポイントは「敬語の使い方や態度に気を遣う」
Q2. 年下の上司に抵抗を感じる理由は?
※Q1で「かなり抵抗がある」「やや抵抗がある」と答えた人のみ
※複数回答あり
年下の上司に抵抗を感じる理由として最も多かったのは「敬語の使い方や態度に気を遣う」(55.6%)となった。以下「年下であることに心理的な抵抗がある」(49.4%)、「経験や知識不足が不安」(30.9%)と続き、コミュニケーション面や心理面、上司の能力面への懸念が上位を占めた。
Q3. 年下の上司と働いたことはある?
年下の上司と働いた経験があるかを尋ねたところ、全体の59.1%が「年下の上司と働いたことがある」と回答。年代別の回答を見ると、20代以下は18.2%に対し50代以上は91.3%と、年齢を重ねるほど年下の上司と働いた経験があることは、当たり前になる様子が見て取れる。
年下の上司と働いてよかった点は「年齢に関係なく、能力や実績が評価されると感じた」
Q4. 年下の上司と働いて「よかった点」は?
年下の上司と働いてよかった点としては、1位「年齢に関係なく、能力や実績が評価されると感じた」(37.2%)、2位「新しい視点や発想を学べた」(32.1%)、3位「フラットで風通しの良いコミュニケーションができた」(26.5%)となった。学びと挑戦が促進され、風通しのよい職場になるというメリットを感じた人が多いようだ。
「その他」の回答では、「年齢差がそこまでなかったので、年下という意識が無かった」「優秀かどうかは年齢ではないということが分かった」というポジティブな声があった。
よくなかった点は「指示や指導の経験不足」
Q5. 年下の上司と働いて「よくなかった点」は?
よくなかった点では「指示や指導の経験不足を感じた」(33.8%)、「精神的に未熟だと感じた」(28.6%)が上位を占めた。経験の不足や精神面の未熟さに対する不満が、主な要因となっているようだ。「よくなかった点はない」は26.5%で、Q.4の「よかった点はない」(22.6%)よりやや多い結果となった。
「その他」の回答では、「評価に多少の偏りがあった」「遠慮が見られた」「言い方など言葉に角が立つ」といった意見もあった。
Q6. 年下の上司と働くなら、どんなことを心がけたい?
年下の上司と働く際に心がけたいこととしては、「年齢にとらわれず、敬意を持って接する」(70.8%)が圧倒的に多い結果となった。以下「年齢にとらわれず、仕事の成果で信頼関係を築く」(52.0%)、「困ったことや疑問点は、遠慮せずに相談する」(47.2%)と続き、年齢に関係なく一人のビジネスパーソンとして、真摯に向き合おうとする姿勢を持つ人が多いことがわかった。
※調査データ(グラフ)は、小数点第2位以下は四捨五入しているため、合計しても100にならない場合がある。
※本調査は「女性」と性自認している人を対象に調査を行っている。
<調査概要>
調査内容:第108回「年下の上司について」 / データで知る「女性と仕事」
・調査期間:2025年4月24日~5月7日
・有効回答数:396名
・調査対象:女の転職type会員
・調査方法: Web上でのアンケート
出典元:女の転職type
構成/こじへい