
日本のモノづくりを支える製造業。昨今はAIの進歩・隆盛が著しいが、どれくらいの製造業者がAIを導入しているのだろうか。また、製造業の現場ではどのようなAIの機能が求められているのか?
MMD研究所はこのほど、製造業のAIソフトウェアを開発するソフトクリエイトと共同で、製造業従事者2,500人を対象に「製造業におけるAIの利用実態調査」を実施し、その結果を発表した。
業務に課題を抱えている製造業の人は63.5%、製造業の業務上での課題は「人手不足・技能継承の問題」が最多
製造業従事者2,500人を対象に、業務上の課題の有無を聞いたところ、「課題がある」が63.5%となった。
次に、業務上の課題があると回答した1,587人を対象に、具体的な課題を聞いたところ(複数回答可)、「人手不足・技能継承の問題」が60.2%と最も多く、次いで「コスト競争」が41.1%、「労働環境の改善」が30.4%となった。
製造業のAI導入率は21.4%、AIを導入して課題解決の実感がある人は83.1%
製造業従事者2,500人を対象に、勤めている企業でのAI導入を聞いたところ、「導入している」が21.4%となった。
次に、製造業でAIを導入していると回答した536人を対象に、初めてAI導入した年を聞いたところ、「2024年」が24.8%と最も多く、次いで「2023年」が18.3%、「2022年」が10.8%と年々増加傾向にあることがわかった。
さらに、業務上の課題があり、製造業でAIを導入していると回答した492人を対象に、AIを導入した結果の課題解決を聞いたところ、「解決できた」が17.3%、「まだ解決できていないが、解決に向かっていると思う」が65.9%となり、合わせて83.1%が課題解決の実感があるとなった。
AIを導入している製造業の人のAI導入理由は「業務を効率化したかったから」が最多
製造業でAIを導入していると回答した536人を対象に、AIを導入した理由を聞いたところ(複数回答可)、「業務を効率化したかったから」が47.0%と最多となり、次いで「課題解決ができそうな商品があったから」が25.7%、「人手が足りなかったから」が18.8%となった。
今後AIを導入したい企業は27.6%
製造業従事者2,500人を対象に、今後、勤めている会社でAIを導入したいか聞いたところ、「導入したいと思う」が11.4%、「やや導入したいと思う」が16.2%となり、合わせて27.6%が導入に前向きな結果となった。
続いて、どのような機能があればAIを導入検討したいと思うか聞いたところ(複数回答可)、「仕様書や指示書の更新差異を自動検出して注意する」と「工場内の状況を認識して、生産計画との相違を算出する」が14.1%と最多となり、次いで「熟練工員の作業を見て、お手本マニュアルなどを自動生成する」が14.0%となった。
製造業でAIを導入するにあたって、課題やハードルに感じるものは「AIの効果がよくわからない」が最多
製造業従事者2,500人を対象に、AIを導入するあたり、課題やハードルだと思うことを聞いたところ(複数回答可)、「AIの効果がよくわからないこと」が26.0%と最多となり、次いで「導入費用が高いこと」が23.8%、「社内での運用(システム管理)」が22.2%となった。
※本調査レポートは小数点以下任意の桁を四捨五入して表記しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合がある。
<調査概要>
「製造業におけるAIの利用実態調査」
調査期間:2025年3月26日~3月31日
有効回答:2,500人
調査方法:インターネット調査
調査対象:製造業従事者
設問数 :13問
出典元:MMD研究所
構成/こじへい