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プログラマー不要の時代はくるのか?AIと対話してコードを書かせる「Vibe Coding」がもたらす4つのメリット

2025.06.13

ソフトウェア開発の世界に、AI(人工知能)の力を借りてコードを書く新潮流が現れています。それが「Vibe Coding(バイブ・コーディング)」と呼ばれる開発スタイルです。OpenAIの共同創設者であり元Tesla AI責任者でもあるAndrej Karpathy氏が2025年初頭に提唱したこの手法は、「コードを書くのではなくAIに話しかけて書かせる」開発スタイルとして紹介され、注目を集めました。

そこで今回は、Vibe Codingの概要や特徴、従来のプログラミングとの違い、メリット、実践事例、ビジネスへの応用可能性、そして未来展望について、DIME読者向けにわかりやすく解説します。

Vibe Codingの定義と背景

Vibe Codingとは、開発者が作りたいものや望む雰囲気といったアイデアや意図を自然言語でAIに伝え、AIがその指示に基づいてコードを自動生成するという、新しいソフトウェア開発手法です。つまり人間は細かな文法や構文にとらわれず、実現したい機能やニュアンスを言葉や感覚で伝えることに集中し、実際のコーディング作業(実装)はAIに任せてしまいます。

そもそもVibe(バイブ)とは英語で「雰囲気」「感覚」を意味する言葉であり、仕様書に書き切れないあいまいなニーズや場の空気感までもAIと共有しながら形にしていく発想を示しています。従来はプログラマー自らが言語の文法に則って一行一行コードを書く必要がありましたが、Vibe Codingでは「もう構文のことなんか考えなくていい。ただやりたいことをAIに伝えるだけで動く」というKarpathy氏の言葉どおり、理論やシンタックスに縛られない直感的アプローチが可能になります。

この概念が生まれた背景には、近年の生成系AI(Large Language Model)の飛躍的な進化があります。従来のAIコーディング支援ツール(例:GitHub Copilotなど)は主にコード補完や短いスニペット生成といったタイピング支援に留まり、開発者が細かく指示を出す必要がありました。しかし2025年にはGitHub CopilotのAgent Modeが登場し、AIがエディタ上の複数ファイルにわたる文脈を理解し、自然言語の指示だけでプロジェクト全体のコードを変更・生成できるようになるなど、AIを実質的な共同開発者として使える環境が整いつつあります。

例えば「ユーザ登録機能を追加して」と指示するだけで、必要なルーティングやバリデーション、データ保存処理までAIが一括して実装してくれるのです。

AIモデル自体もChatGPTやClaudeといった高度な対話型AIが台頭し、AIがコードの構造を理解した上で適切な提案や修正を行える水準に達してきました。こうした技術基盤の上に生まれたVibe Codingは、まさに「AIと対話しながらコードを書いてもらう」開発スタイルとして、次世代のソフトウェア開発の象徴となると予測されているのです。

Vibe Codingの特徴(直感・創造性重視、AIとの協調)

Vibe Codingには、従来のコーディングにはない独特の特徴があります。そのキーワードは「直感・創造性重視」と「AIとの協調」です。具体的には次のようなポイントが挙げられます。

• 自然言語で指示:「サイドバーのパディングを半分にしてください」など、実装したい内容を日常の言葉でAIに伝えるだけでコード生成が始まります。専門的なシンタックスやAPIの名前を思い出す必要はありません。

• キーボードに頼らない:コードを一文字一文字手で打つ場面が大幅に減ります。場合によっては音声認識ツールでAIと対話し、会話するように開発を進めることも可能です。

• AI提案の即受け入れ:AIが提案したコード変更は細部まで逐一検証せず、まずは**「すべて受け入れる」ことで素早く形にします。プロトタイピング段階では完璧さよりスピードを優先し、後から改善する前提で進めるのがVibe Coding流です。

• エラーもAIにお任せ:実行時にエラーが出ても、人間がスタックトレースとにらめっこする代わりに、エラーメッセージをそのままAIに送り、修正を依頼します。AIはエラーの原因を解析し、自動でコードを修正してくれます。

• 「動けばOK」のマインド:生成されたコードが多少複雑でも、とにかく一度動くものができれば良しとします。コードの細部の理解やリファクタリングは必要に応じて後回しにし、まずは動作するプロダクトを優先するのです。

以上のように、開発者は技術的な詳細よりもアイデアの具現化や全体像のデザインに集中し、実装の大部分をAIが担うのがVibe Codingのスタイルです。極端に言えば、開発者はディレクターやプロデューサーのような立場になり、AIが有能なエンジニアとしてコードを書いていく共同作業ともいえます。実際、Vibe CodingではAIにこれまで以上に大きな開発責任を委ねるため、AIはもはや単なる道具ではなく「共同作業者」として位置付けられています。人間が「◯◯のようなものを作ってほしい」「こんな雰囲気でまとめて」といった抽象的な要求を出発点に、AIとの対話を何度も繰り返しながらアプリケーションを育てていく、それがVibe Codingの本質と言えるでしょう。このような発想はまさに創造性と直感を重視したものであり、AIという心強い相棒との協調によって初めて可能になったアプローチなのです。

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