
物価高が続く昨今、生活コストを下げるために地方移住を考える人は少なくないだろう。しかし、首都圏に暮らすメリットも捨てがたく、なかなか離れられないという人も多いのではないだろうか?
転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリアが運営する調査機関「Job総研」はこのほど、社会人男女461名を対象に「人口移動の実態調査」を実施し、その結果を発表した。
58.7%が「1都3県」に勤務、うち79.3%が現在の仕事に満足
461人を対象に「現在の勤め先地域」について尋ねたところ、「東京都」が47.9%、「神奈川県」が6.1%、「千葉県」が3.0%、「埼玉県」が1.7%となり、「1都3県」が58.7%で過半数を占めた。
1都3県に勤めていると回答した271人を対象に現在の仕事の満足度について聞いたところ、「とても満足」が15.1%、「満足」が25.5%、「どちらかといえば満足」が38.7%となり、79.3%の人が満足していることがわかった。その他の地域に勤めていると回答した190人に同様の質問をしたところ、「とても満足」が15.3%、「満足」が25.8%、「どちらかといえば満足」が36.8%となり、77.9%の人が満足していることがわかった。調査の結果、わずかではあるが、地方勤務の人より、1都3県に勤務する人のほうが仕事の満足度が高いと判明した。
今仕事をするなら「1都3県」を選択した人は70.2%
461人を対象に「もし今、仕事をする地域を選ぶなら」と尋ねたところ、「断然1都3県」が27.9%、「1都3県」が17.4%、「どちらかといえば1都3県」が24.9%となり、70.2%が「1都3県」で働きたい意向があることがわかった。
1都3県で仕事がしたい人の割合を年代別で見たところ、20代が78.3%で最多となり、以下、40代が70.0%、30代が69.5%、50代が56.3%と続いた。
1都3県で働きたい理由、「給与が高くなる」が56.5%で最多に
今仕事をする地域に1都3県を選ぶ人の割合を年収別で見たところ、「301万~500万円以下」が73.5%で最多となり、次いで「501万~700万円以下」が72.7%、「701万~1,000万円以下」が71.8%、「1,001万円以上」が68.9%、「300万円以下」が61.8%となった。
1都3県で働きたいと回答した324人にその理由を聞くと、「給与が高くなる」が56.5%で最多となり、次いで「仕事の選択肢が多い」が50.9%、「生活自体の満足度が高い」が33.3%となった。
転勤辞令が出たら41.9%が「異動命令に従う」、33.6%が「断る」
461人を対象に人事異動で転勤辞令が出た際の選択について聞くと、「異動命令に従い、転勤を受け入れる」が41.9%で最多となり、以下「現職に残るが、転勤を断る」が33.6%、「転勤したくないため、転職(退職)する」が24.5%と続いた。
異動命令に従うと回答した193人にその理由を聞くと、「転勤先での新しい刺激が楽しみ」が47.7%で最多となり、次いで「キャリアアップのチャンスがある」が39.4%、「会社の指示に従う義務を感じる」が34.2%となった。
転勤を断る理由は、「家族や個人の生活を優先したい」が69.7%で最多
転勤を断ると回答した155人にその理由を聞くと、「家族や個人の生活を優先したい」が69.7%で最多となり、次いで「断る権利があると思う」が54.2%、「ライフスタイルが変化する不安」が43.2%となった。転職(退職)を選ぶと回答した113人にその理由を聞くと、「自分で仕事や環境を選びたい」が49.6%で最多となり、次いで「転勤を避けるための手段」が45.1%、「異動が転職(退職)の決め手になる」が31.0%となった。
65.3%が支援金による地方移住を検討
461人を対象に支援金があれば地方移住/勤務を検討するかと聞くと、「とても検討する」が15.4%、「検討する」が20.2%、「どちらかといえば検討する」が29.7%となり、65.3%の人が「検討する」と考えていることがわかった。
検討する人の割合を年代別で見たところ、「301万円~500万円以下」が69.4%で最多となり、次いで「300万円以下」が69.1%、「501万~700万円以下」が68.4%、「1,001万円以上」が55.1%、「701万~1,000万円以下」が50.7%となった。
<調査概要>
調査対象者:現在職を持つJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件 :全国/男女/20~50代
調査期間 :2025年4月2日~4月7日
有効回答数:461人
調査方法 :インターネット調査
出典元:パーソルキャリア株式会社
構成/こじへい