
日本の就業者数は約6700万人(2024年総務省労働力調査)と言われており、2025年3月の厚労省の調査では、労働者のうちリモートワークを実施しているのは約25%で出社と組み合わせたハイブリッドの形態が首都圏を中心に定着している。
大手企業がリモートワークを縮小して出社回帰している風潮もあるが、新型コロナの流行と鎮静化を経て「リモートワーク」を検索している人がどのような興味や関心を持っているのか変化はあるのだろうか?
INEヤフーが提供する「ヤフー・データソリューション」は、「リモートワーク」や「テレワーク」を検索する人々の興味や関心を分析したレポート「海外求人を探す、リモートワーク検索者の興味を可視化してみた。~ハイミドル世代の意外な興味~」を公開した。
それによればコロナ禍の環境適応のための情報収集から自宅の就労環境の整備、「出社回帰期」や「廃止」などリモートワークに関する考え方の変化がわかったという。
■リモートワーク・テレワークの検索者数推移
2023年からの「出社回帰期」は「廃止」などの検索がランクイン
■2020年1月~2024年12月までの各年のボリューム上位15件
利用データ:Yahoo!検索
集計対象期間:2020年1月~2024年12月までの年間で比較
新型コロナウイルスの流行を背景として、2020年をリモートワークの「黎明期」、2021年~2022年を「定着・運用期」、2023年ごろからを「出社回帰期」と定義した上で、「Yahoo!検索」の検索ビッグデータをもとに2020年から2024年の「リモートワーク」、「テレワーク」を含む検索キーワードを検索人数順にランキング化すると、それぞれの期間で関心の変化が非常にわかりやすいものだったという。
リモートワークが急速に進んだ2020年は「助成金」や「テレワーク 導入」など環境適応のための情報探索に関連する検索が主流で、2021年と2022年は「デスク」、「椅子」、「グッズ」など就労環境の整備を思わせる検索キーワードが登場した。2023年からは出社回帰の流れを感じさせる「テレワーク 廃止」というキーワードが上昇している一方で、「完全リモートワーク」への関心も高まっていたという。
「リモートワーク」を検索した人は40・50代が中心
使用ツール:「DS.INSIGHT Journey」
集計対象期間:2024年5月6日~2025年5月11日
※「リモートワーク」を検索した40代・50代が「リモートワーク」の前後に検索したキーワードで特徴的なものを表示
使用ツール:「DS.INSIGHT Journey」
集計対象期間:2024年5月6日~2025年5月11日
※「海外求人」を検索した40代・50代が「海外求人」の前後に検索したキーワードで特徴的なものを表示
「リモートワーク」を検索している人を「ヤフー・データソリューション」が提供するデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」で分析すると、40代・50代は46%とおよそ半数を占めていたという。この世代で「リモートワーク」を検索したユーザーの特徴的な検索行動の傾向としては、「海外求人」や「リモートワーク 英語」などのキーワードが検索されていたという。
さらに「海外求人」を検索した40代・50代のユーザーに焦点を当てて検索行動を分析すると、「リモートワーク」以外にアジア圏の渡航に関係するようなキーワードや「青年海外協力隊」や「jica」、米国発のクラウドソーシングプラットフォーム「Upwork」を指すと思われる「upwork」などが挙がったという。
この調査では、一定の語学力を持っている人が海外での仕事を現地またはリモートで検討したり、国際的な社会貢献に興味を持っているハイミドル世代のユーザーが見えてきたという。
リモートワークの登場で大きく分かった仕事環境について、語学力がある40代・50代は国際的な場所で仕事をすることにも興味を持っているという分析もできそうだ。
構成/KUMU