
かつては「睡眠は時間(量)を確保すればよい」と考えられていた。その後、深い眠りや途中覚醒の少なさといった「質」への関心が高まり、「黄金の90分(入眠直後の深い睡眠が重要)」という考え方も浸透してきている。
こうした流れの中で、今あらためて注目されているのが、「睡眠休養感」だ。これは朝の目覚め時に「どれだけ休めたと感じるか」という感覚を指すもので、厚生労働省の健康調査においても“睡眠の質を評価する構成要素のひとつ”として扱われている。
そこで寝具ブランド「NELL(ネル)」を展開するMorghtは、全国の20~60代の男女500名を対象に、「睡眠休養感」に関する調査を実施した。
眠っても「休めていない」と感じる人は34%、寝具が影響していると感じながら行動に至っていない人は90.4%
朝起きたとき、よく眠れたと感じられるか聞いたところ、「睡眠で十分に休養できていない」と感じている人は33.8%にのぼった。
この傾向は、厚生労働省が実施する「国民健康・栄養調査(令和元年)*」において、休養が「十分に取れていない」と回答した人が21.7%であることとも共通しており、社会的な傾向として信頼性のあるものと考えられる。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001126766.pdf(厚生労働省)
昨今では、睡眠を脳波や体動などのデータで捉えるスリープテックの技術が進み、「客観的に測る」ことの重要性も増している一方で、朝起きたときに「全く休めた気がしない」という感覚も、私たちの生活実感に深く根づいている。
睡眠研究においても、「客観的には眠れているのに眠れていないと感じる“睡眠誤認”」が問題視されており、客観評価と感覚のギャップにも注目が集まっているのだ。
今回の調査では、78.8%が「寝具が睡眠の質や休養感に影響する」と認識しているにもかかわらず、実際に「寝具を見直した経験がある」と答えた人はわずか9.6%にとどまっていた。
また、「睡眠休養感を高めるために心がけていること」(自由記述)という設問に対しては、500名中250名以上が「特になし」と回答。
次いで多かったのは「早く寝る」「早寝早起き」「0時前に布団に入る」などの“時間や量”に関する回答が約70件と続き、「寝具に工夫している」という回答はわずか約10件。
これは、多くの人が“睡眠の量”や“入眠時間”に注意を払ってはいるものの、「休養感」を高める工夫や環境整備には十分意識が向いていないことを示している。
NELLはこの「意識と行動のギャップ」に着目し、“ただ眠る”から“休める睡眠”への転換を、寝具という生活に直結した手段から後押ししていくとのこと。
調査概要
調査対象:全国の10~60代の男女 500名
調査期間:2025年5月9日~5月11日
調査方法:インターネット調査
関連情報
https://nell.life/
構成/Ara