6月に株式上場するウェルネス・コミュニケーションズ。IPOとはいったいどういったものでしょうか?
目次
遡ること2025年6月、ウェルネス・コミュニケーションズが、東京証券取引所グロース市場へ新規上場することになりました。
これより、所有が少数の株主に限定されている未上場会社から、証券取引所に株式を上場し、一般の投資家に向けて売り出す上場企業になります。
そもそもIPOとは何でしょうか?また、IPOで利益や損益が出るのはどういう理屈でしょうか?初心者のみなさんにもわかりやすくまとめてみました。
株のIPOとは?
それでは基礎知識として、まずはIPOとは何か? 確認してみましょう。
■新規株式公開「IPO」は何の略?
IPOは「Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)」の頭文字を取った略称です。
オーナー一族やベンチャーキャピタルといった限られた人しか持てなかった未上場企業の株式が新たに証券取引所へ上場して、一般の投資家に向けて売り出されることを意味します。

IPOに関連する株式用語一覧
IPOで売り出される株式はどうやって入手するのでしょうか?
IPOでは上場前に証券会社を通じて投資家への抽選配分や裁量配分が行われます。まずは、IPOを取り扱う証券会社を探しましょう。
銘柄とは?
銘柄とは、株式や債券、投資信託など、有価証券の名称です。
今回の例では「ウェルネス・コミュニケーションズ」が株式の銘柄となります。
公開市場
IPOの場合は、上場して取引が行われる市場のことを指します。
銘柄コードとは?
銘柄コードとは、上場企業に割り当てられた4桁の番号のことです。証券コードと呼ぶ場合もあります。
2024年1月以降は「123A」といったように、英文字が入ったコードが設定されています。
今回のウェルネス・コミュニケーションズの銘柄コードは、366Aになります。
主幹事とは?
IPOでは、上場する企業と発行条件や引受契約内容などを協議し、サポートする証券会社がつきます。これを「幹事会社」もしくは「幹事証券会社」といいます。
幹事会社が複数になる場合もあり、その際、メインとなる証券会社を「主幹事」「主幹事会社」と呼びます。
仮条件とは?
新規公開予定の株式の発行価格を需要申告(後にご説明します)方式とする場合、引受する証券会社が提示する価格帯のことをいいます。
投資家はその価格帯をもとにして需要価格や株数を申告します。
今回のウェルネス・コミュニケーションズの仮条件の発表は2025年6月3日(火)になります。
申込期間(需要申告期間・ブックビルディング)っていつ?
IPOの銘柄を購入する場合、みなさんは申込期間に申告をします。
申込期間は需要申告期間・ブックビルディング期間とも呼ばれ、仮条件を参考にして、株数と金額を選んで申告します。
なお、当選した際に必要となる金額=前受金をあらかじめ入金しておかないと抽選を受けられない場合が多いので、申告した株数×金額に相当する金額を、申込する証券会社に振り込んでおきます。
申込株数単位とは?
IPOの銘柄を購入する単位です。
抽選日っていつ?
みなさんが需要申告した内容をもとに判定・抽選が行われます。それがドキドキの抽選日です。
「当選」もしくは「補欠」の結果を、証券会社からのメールまたは証券会社のWebサイトへログインすることで、確認する場合が多いようです。
補欠でも諦めずに待てば、キャンセルする投資家も居ますので、繰り上げ当選する可能性があります。
公募価格(公開価格・募集価格)とは?
公募価格とは、IPOで新たに公開する会社の株の公開・売り出し価格のことです。公開価格や募集価格、発行価格などと呼ぶ場合もあります。
こちらは当選日に公開されることが多いです。
購入期間(購入申込期間)っていつ?
申告の結果、当選(補欠の繰り上げ含む)した投資家が、購入意思を申込した証券会社に伝える期間をいいます。
上場日とは?
IPO銘柄が市場で株式の取引を開始する日のことです。

IPOでの利益と損益の違いはどう出るの?公募割れとは?
IPOの株式が無事に上場して、市場で取引が始まると、株式の売買が本格化します。
そして、公募価格で購入したみなさんにとっては、上場価格で利益や損益の目処がでます。
初値とは?
IPOの初値とは、新規に上場した株式が、最初に市場で取引された時に成立した株価をいいます。
IPOで募集する株式の数には上限があります。そのため、抽選に漏れた投資家が多い場合は、上場後に同銘柄の購入を希望するケースがあります。
そのため、初値が公募価格を上回る可能性があり、値上がりに期待する投資家が多いのも事実です。
公募割れとは
公募割れとは、初値が公募価格を下回ることをいいます。
申告期間や当選日、申込などの期間を経て初値に期待したものの、公募割れでがっかり……ということもあります。
株式に絶対儲かる手段は無いのです。
ただし、公募割れした後に、その銘柄が値上がりすることもあります。また、初値が公募価格を上回ったとしても、その後の値上がりを期待しているうちに、価格が下がり、公募価格を下回ることも、多々あります。
東京メトロを超えた新規上場銘柄・JX金属が話題!今さら聞けない「IPO株投資」の基本的な流れ
今年第1四半期の世界IPO市場は287件のディールにより総額237億ドルを調達
※当記事に掲載している価格などのデータは2025年12月時点でのものです。
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文/中馬幹弘







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