
過去を振り返るとき(主に後悔するとき)、タラレバを使うことがある。「良い使い方」と「悪い使い方」があるため、意識的に「良い使い方」を心がけよう。
目次
「あのとき、~をしていたら」「あのとき、判断を誤らなければ」という言葉を、無意識のうちに使うこともあるのではないだろうか。
過去を振り返るとき(主に後悔するとき)、タラレバを使うことがある。「良い使い方」と「悪い使い方」があるため、意識的に「良い使い方」を心がけよう。
タラレバとは
「もしあのとき、~だったら」のように過去を振り返るとき、「タラレバ」という言葉を使うことがある。
無意識のうちに使うこともあるが、まずは基本的な意味や語源を再確認しよう。
■タラレバの意味
「タラレバ」は、「もしも〜だったら」「もしも〜であれば」という仮定の話を表す言葉だ。実現しなかった過去の可能性や、起こらなかった仮定の状況について語ることを指す。
「あの時勉強していたら、もっといい大学に入れたのに」「あのタイミングで株を買っていれば、今頃お金持ちだった」「あの人と付き合っていたら、今頃結婚していたかも」のように、多くの場合は後悔や愚痴のニュアンスを含む。
■タラレバの語源
「タラレバ」の語源は、「〜だったら」「〜であれば」という仮定を表す助詞だ。2つの仮定表現を組み合わせて「タラレバ」という言葉が生まれた。
なお、類語や関連表現として以下が挙げられる。
- 後悔先に立たず
- 愚痴をこぼす
- ないものねだり
- 絵に描いた餅
- 取らぬ狸の皮算用
「タラレバ」は現代的で親しみやすい表現として、日常会話でも頻繁に使われる。
タラレバの良い使い方、悪い使い方
過去の後悔ばかりしていても、人生が好転するわけではないため、タラレバを連発すると人から嫌われる可能性がある。
良い使い方と悪い使い方を紹介するため、できるだけ良い使い方を意識しよう。
■タラレバの良い使い方
良い使い方として、反省と学習のニュアンスで用いるシーンが挙げられる。「あの時もっと準備していたら成功したかもしれない。次回は同じミスをしないよう、今度はしっかり計画を立てよう。」のように、過去の失敗を分析し、将来への教訓として活用しよう。
また、「もしあの時事故が起きていたら大変だった。安全対策をもう一度見直そう。」のように、ヒヤリハットが発生したときに使うのは建設的だ。
■タラレバの悪い使い方
タラレバの典型的な悪い使い方は、現実逃避や自己憐憫だ。「あの時違う会社に就職していたら、今頃もっと稼げていたのに。今の状況は全部あの時の選択のせいだ。」のように、現状への不満を過去のせいにして、現在の努力を怠るのはまったく建設的ではない。
「もしあなたがちゃんと教えてくれていたら、こんな失敗しなかったのに。あの時止めてくれれば良かったのに。」のように、他人への責任転嫁のニュアンスで用いるのも避けたほうがよい。
信頼を失い、困ったときに誰も助けてくれなくなってしまうだろう。悪いタラレバを連発する人は嫌われやすく、プライベートでもビジネスでも人間関係で苦労する可能性が高い。
まとめ
起こらなかった仮定の状況について語るとき、「タラレバ」は無意識のうちに使うことがある。無意識のうちに使うからこそ、「良い使い方」を意識しよう。
過去の誤りやミスを認めたうえで、「どのようにしてより良い未来にしていくか」というニュアンスで用いると、人生がうまくいく。
逆に、過去に固執して後ろ向きだったり、愚痴や言い訳に終始したりすると信頼を失いやすい。自分の成長機会を失ったり人間関係で苦労したりする可能性があるため、悪い使い方は極力避けるべきだ。
文/柴田充輝(しばたみつき)
厚生労働省や不動産業界での勤務を通じて社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。 FP1級と社会保険労務士資格を活かして多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。現在はWebライターとして金融・不動産系・ビジネス系の記事を中心に執筆しており、1,200記事以上の執筆実績がある。