
今回は、梨の礫の基本的な意味合いや具体的な使い方などを解説する。日常生活とビジネスシーンにおいて使う場面があるため、教養の一つとして知っておくとよいだろう。
目次
連絡を送ったのにも関わらず相手から返信が来ないシーンや、連絡を求めているのに音信不通になっているシーンを表すとき、「梨の礫」という言葉を使うことがある。
日常生活とビジネスシーンにおいて使う場面があるため、教養の一つとして知っておくとよいだろう。今回は、梨の礫の基本的な意味合いや具体的な使い方などを解説する。
梨の礫(なしのつぶて)とは
「梨の礫(なしのつぶて)」とは、連絡を送っても相手から返事が返ってこない状態を指す慣用句だ。まずは、基本的な意味や語源などを確認しよう。
■梨の礫(なしのつぶて)の意味
「梨の礫」は、「なんの音沙汰もない」「連絡や返事が全くない」という意味で用いられる。たとえば、手紙を出したりLINEを送ったりしても、相手から何の反応もない状況を表す。
■梨の礫(なしのつぶて)の語源
梨の礫は、「梨」と「無し」の掛け合わせから生まれた言葉だ。「礫」は投げられた石を意味しており、「投げた石が何の反応も返ってこない」という状況から、「返事がない」「音沙汰がない」という意味に発展した。
■梨の礫(なしのつぶて)の類語
梨の礫の類語や似たような表現技法として、以下が挙げられる。
- 音沙汰なし
- 沈黙を守る
- 返事がない
- 連絡が途絶える
- けんもほろろ(冷たくあしらう様子)
- のれんに腕押し(手応えがない)
ニュアンスはそれぞれ微妙に異なるが、「連絡を送ったのに、返信がない」という状況を示す際には、「梨の礫」という言葉を用いるケースが一般的だ。
梨の礫の使い方
どのような場面において、梨の礫を使うのかを見ていこう。
■梨の礫(なしのつぶて)の使い方
日常生活における梨の礫の使い方を、例文で見てみよう。
「久しぶりに高校時代の友達にLINEしたが、梨の礫で全然返事が来ない。」
「彼に予定確認の催促したメールを送ったのに、もう1週間も梨の礫。さすがに不安になってきた。」
どちらの場面でも、相手からの反応がないことへの困惑や不安を表現する際に使われている。
■ビジネスシーンにおける梨の礫(なしのつぶて)の例文
梨の礫はビジネスシーンで用いることもある。
「新規提案の資料を送ってから2週間経つのに、先方からは梨の礫です。別の会社を検討した方がいいかもしれません。」
「面接を受けた会社に合否の問い合わせをしたんですが、梨の礫で困っています。他の選考も進めたほうが良さそうですね。」
やや古風で文学的な響きがあるため、カジュアルすぎず品のある表現として使いやすい。社内で状況報告をするときや同僚と情報共有をするときなど、さまざまな場面で使えるだろう。
ただし、梨の礫には相手を批判するニュアンスが含まれるため、直接的な商談や重要な会議では使用を避けたほうがよい。フォーマルな場面では「お返事がない状況です」など、より丁寧な表現を使おう。
まとめ
連絡が取れない状況を示すとき、「梨の礫」という慣用句を用いることがある。日常生活でもビジネスシーンでも使える一般教養として、知っておくとよいだろう。
ビジネスシーンで使うときは、社内で状況報告をするときや同僚と情報共有をするときなどに用いるのが一般的だ。フォーマルな場面では使わず、より丁寧な表現を用いよう。
文/柴田充輝(しばたみつき)
厚生労働省や不動産業界での勤務を通じて社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。 FP1級と社会保険労務士資格を活かして多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。現在はWebライターとして金融・不動産系・ビジネス系の記事を中心に執筆しており、1,200記事以上の執筆実績がある。