
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)シグネチャーパビリオン「EARTH MART」(テーマ事業プロデューサー:小山薫堂氏)は、同パビリオン展示の一つである「万博漬け」の漬け作業を開始するにあたり、2025年6月6日に記念式典を開催する。
本式典には、梅の提供、及び2050年までの梅干しの保管を担う紀州梅の会(会長:真砂充敏氏)と天然塩を提供する熊本県天草市(市長:馬場昭治氏)が出席。万博漬けを通じて初めて、梅干し作りにおけるコラボレーションが実現した。
万博の思い出を未来へと託す「万博漬け」
万博漬けとは、2025年大阪・関西万博シグネチャーパビリオン「EARTH MART」にて、会場内で実際に漬けられる梅干しのこと。万博開幕日から同パビリオンにて、それを2050年に食べられる引換券を来館者に配布している。
長期保存のできる梅干しを使って万博の思い出を未来へと託す、いわば「食のタイムカプセル」でもある。
また、EARTH MARTでは来館者に未来へのメッセージを記入してもらった「絵馬カード」を展示しており、万博終了後に熊野本宮大社でご祈祷いただいた後、2050年まで紀州梅の会にて梅干しと共に保管される。
和歌山・紀州が誇る伝統的な梅干し技術と天草の天然塩「あまくさン・ソルト」のコラボレーション
今回、実際に2025年に和歌山県にて収穫された青梅を夢洲会場に搬送して、パビリオン内で梅干しとして塩漬けする。
梅干しは、梅を塩で漬けるだけで、特別な技術なしに長期保存できる日本の伝統的食材で、昔は薬として重用された。近年、クエン酸やβカロテン、梅ポリフェノールなど、梅の成分の研究がすすみ、科学的にも梅の効用・機能性は実証されつつある。
そして、和歌山県は全国の梅の収穫量の6割以上を占める梅の産地で、江戸時代初期より栽培が盛んになったといわれている。水はけが良く、通気性の良い土壌と温暖で湿潤な気候が梅の生育には最適だったのだ。
以来、400年、養分に乏しく礫質で崩れやすい斜面を利用して薪炭林を残しながら梅林を配置。高品質な梅を持続的に生産してきた仕組みが、2015年に「みなべ・田辺の梅システム」として世界農業遺産に認定され、今年で10周年を迎える。
■ミネラル豊富な天草の天然塩「あまくさンソルト」
さらに、今回、梅干しをつけるための塩は、ミネラル豊富な天草の天然塩「あまくさンソルト」を採用。複数の製造者が参画して作るブレンド塩で梅干しを漬けていく。
天草の天然塩は有明海、八代海、東シナ海の3つの海に囲まれた日本でも稀有な地域「天草」で採れる海水を原料としており、成分の99%が塩化ナトリウムである精製塩とは違い、多くのミネラルが含まれている。
それぞれの海域は、「日本一干満の差が大きく、潮の流れが速く澄んだ海」、「内海で山からの伏流水が流れ込み、多くの生物を育む豊穣の海」、「複雑に入り組んだリアス海岸には、魚たちのすみかとなる岩礁などがあり、色とりどりのサンゴも生息する海」といった特徴を有している。
こうした地の利を生かし、天草では、古墳時代から製塩が行われ、九州一円で塩を使った交易が行なわれていた。
■記念式典について
記念式典では、EARTH MART・小山薫堂プロデューサー、紀州梅の会・真砂会長、天草市・馬場市長が登壇し、万博漬け開始を祝福すると共に、紀州梅の会が実際に漬ける梅の一部を公開漬け作業を行なう。
また、当日は「梅の日」を記念してEARTH MART来館者を対象に梅干し、及びあまくさンソルトの無償配布(数量限定)を予定している。
日時/2025年6月6日(金)「梅の日」 AM11時〜(45分程度)
場所/大阪・関西万博 夢洲会場内 EARTH MART 前
登壇/
・小山薫堂氏(テーマ事業プロデューサー)
・真砂充敏氏(紀州梅の会会長/田辺市市長)
・馬場昭治氏(天草市市長)
・紀州梅の会(若梅会)
・天草の天然塩製造者
・くまモン(熊本県営業部長 兼 しあわせ部長)
・きいちゃん(和歌山県PRキャラクター)
関連情報
https://expo2025earthmart.jp
構成/清水眞希