
自分の都合よく解釈する人は、自己中心的で思い込みが激しく、失敗を認めず責任転嫁しがち。他人を巻き込む傾向があり、対応には注意が必要。関わりを最小限にし、記録を残す、第三者を交えるなどの工夫でストレスを減らし、冷静に対処することが大切です。
「部下が自分の解釈で仕事を進めてしまい、ミスが多くて困っている」、「友人が自分の都合で物事を進めてしまって、結局合わせることになる」などなど、相手の都合のよい解釈に振り回されている人が多くいます。
自分の都合よく解釈する人はなぜそうなってしまうと思いますか?
今回は、都合よく解釈する人の特徴、そして、そんな人とストレスをためずに付き合う方法をお伝えします。
自分の都合よく解釈をする人の特徴
自分の都合よく解釈をしてしまうことは、誰にでも備わっているものとされています。例えば、何かを失敗したときに、「この失敗は次の成功につながっている」と思うことはありませんか。これは自分にとって都合よく失敗を捉えたものです。失敗をいつまでも引きずらないよう、落ち込んだ気持ちを和らげようとするためのものであって、悪いことではありません。
しかし、この都合よく解釈することに他人を巻き込んではいけないのです。ここでは、都合のよい解釈によって他人を巻き込んでしまう人の特徴をご紹介します。あなたに当てはまる特徴がないかも、ぜひチェックしてみてください。
1.自己中心的
自己中心的とは、何事も自分中心に考え、他人の意見や感情はかえりみないことを指します。都合よく解釈してしまう人の特徴の1つとして、この考えを持っていることが多いです。
都合よく解釈してしまう人は、自分の思い通りに物事を進んでいると勘違いしがちです。また、思い通りにならなかったときには受け止めず、「これは自分のせいではない」と責任転嫁をしてしまいます。このときに他人を巻き込みます。
2.思い込みが激しい
思い込みが激しいとは、対象の物事が真実かどうかも確かめず、自分の考えが正しいと思っていることを言います。自分のことだけであればそれで構わないのかもしれませんが、他人の言動などにも自分の考えで解釈してしまいます。
また、自分が正しいと思い込んでいるので、他人のアドバイスも受け入れない傾向があります。
3.負けず嫌い
自分の都合よく解釈をする人は、負けず嫌いという一面も持っていると言われています。
何かを失敗してしまったとき、「この失敗は次の成功につながっている」と自分の都合よく考えるのは、ミスをちゃんと受け入れた後です。しかし、負けず嫌いな人は失敗を認めません。認めることで自分が負けてしまうと思っているからです。失敗を認めず、自分の都合よく考えて、なんとかその場を逃げ切ろうとしてしまうのです。
4.自分のよい面しか目を向けない
自分の都合よく解釈する人は、しばしばポジティブ思考だと捉えられることがあります。物事のよい面を見ようとすることは、確かにポジティブな性格なのかもしれません。しかし、表面上はポジティブ思考に見えても、自分の都合のよい面しか見ていないのか、都合のよい面と不都合な面の両方を見て、よい面に目を向けるようにしているのかとによってその人の言動は大きく異なります。都合がよい解釈をする人は、もちろん前者のほうです。
都合のよい面と不都合な面の両方を見る人は、客観的に自分のダメな部分を受け入れているので他人の意見も受け入れます。一方の都合のよい面しか見ない人は、主観がすべてとなります。なので、他人の意見を受け入れません。不都合なほうは見ないようにしているので、同じミスを繰り返したとしても「なんとかなる!」と開き直ってしまうのです。
都合よく解釈する人と付き合う方法
都合よく解釈する人は、意見を受け入れない、ミスを認めないなどの特徴があり、他人を巻き込みます。ここでは、そんな都合よく解釈する人と上手に付き合う方法をご紹介します。
1.相手にしない
基本は、なるべく関わらず、相手にしないことです。仕事などで付き合うしかない場合には、業務内容以外のことでのやりとりはしないようにしましょう。
都合よく解釈する人は自分のために行動します。つまり、他人はどうなってもいいのです。そんな人の発言に振り回されたり、イライラしたりしたら損だと割り切ってください。何かの意見を伝えることは、相手に変わってほしいという思いがあるからこそ。そのエネルギーは他のことに使いましょう。
2.他の人を巻き込む
業務内容など、直接やりとりをしなければいけないものは、2人だけでのやりとりを避け、できる限り他の人を巻き込んでください。相手と2人になると、こちらが伝えたことに対しても「聞いていない」と言われてしまう可能性もあります。お互いの発言を確固たる証拠にするために、他の人に立ち会ってもらってください。
3.メールやメモなどを活用する
いつも他の人を巻き込んでもらいたいのですが、毎回は厳しいもの。どうしても2人だけのやりとりが発生したときには、やりとりの内容をメモに残したり、やりとりの後に確認として内容をメールで送っておくことが有効です。
メモの場合は、相手の目の前で、「忘れてしまうから」というようなこちら都合の理由をつけて取りましょう。メールのときには可能であれば「cc(カーボンコピー)」で他の人にも内容を共有することをおすすめします。
文・構成/藤野綾子
ライター・編集者。精神保健福祉士、産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の資格を持つ。大学に通い直し、心理の国家資格取得に向けて勉強中。教育施設、就労移行施設などでカウンセラー研修、実務も続けている。
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