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16周年を迎えた「マインクラフト」のキーマンが語る、日本のプレーヤーの特徴と今後の戦略

2025.05.28

2011年の登場以来、世界中で数百万人のプレーヤーが参加している『マインクラフト』は、オープンワールドと呼ばれる広大な世界で、さまざまなブロックを使ってプレーヤーが好きなものを作って世界を構築できるオンラインゲームだ。まるで砂場で何かを作るように遊べるので「サンドボックスゲーム」とも呼ばれており、その自由度の高さと創造性を育てる教育的な要素で、小学生から大人まで多くの人を夢中にさせている。」

現在、『マインクラフト』はマイクロソフト傘下で開発が行われており、日本市場に向けたビジネスや展開で中心的存在なのが日本マイクロソフトの野間豊氏だ。今回は、野間氏に『マイククラフト』が支持されている理由などについて取材した。

日本では創造性が刺激される「クリエイティブモード」が人気

「これほど長く支持されている理由についてですが、多くのプレーヤーにとって魅力的な要素のひとつは、自由なプレースタイルと無限の可能性だと思います。『マインクラフト』 には、プレーヤーに設定された具体的な目標や課題がありません。自分の好きなようにゲームを楽しむことができます。「サバイバルモード」で冒険を楽しむプレーヤーもいれば、「クリエイティブモード」で理想の家やお城を建てることを楽しむプレーヤーもいます。

想像力には限界がないのです。これに加えて定期的なアップデートによって、新しい機能の導入やコンテンツの追加、ゲームプレーの改善を行うことでプレーヤーが楽しめる要素を提供してきました。『マインクラフト』は操作が簡単ですぐに覚えられる一方で、より深く探求したいプレーヤーが楽しめる奥深いゲーム性も備えています。こうしたアップデートや新機能が成功しているのは、これらの要素を取り上げてくれるプレーヤーであるコンテンツクリエイターのみなさんのサポートのおかげでもあります」(野間氏)

『マインクラフト』には、資源を集めながら生き延びることが目的の「サバイバルモード」と無限の資源を使って自由に建築を楽しめる「クリエイティブモード」があり、日本では創造性が刺激される「クリエイティブモード」がほかの地域と比較して人気だという。いまゲームやSNSなどでは、ユーザーが自発的に独自のクリエイティブを行う「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」という考え方が広がっているが、『マインクラフト』が支持を集めた理由のひとつが自由度の高い「UGC」を実現していることだろう。

「『マインクラフト』は常に、プレーヤーが創造性を発揮できるゲームであり、私たちはこれまでに数えきれないほどの方法でその点を強化してきました。新機能を導入する時の私たちの目標は、常にプレーヤーの創造性を思う存分発揮できるようにすることです。『マインクラフト』 には基本的なルールはありますが、どのように遊ぶか、何を作るかはすべてプレーヤー次第です。この自由さがプレーヤー自身の作品を世界中で共有し、自らコンテンツを生み出すことを可能にしています。

『マインクラフト』コミュニティの作品には、私たちもいつも驚かされています。さらに日本のプレーヤーは、「クリエイティブモード」を好む傾向があり、ほかの人がプレーする様子を共有したり視聴したりするのも好きです。これは日本が『マインクラフト』関連のYouTube動画の視聴数で上位に入っていることからも明らかです」(野間氏)

現在、日本の 『マインクラフト』 コミュニティでは、毎月のテーマに沿って自分の作品をSNSで共有するキャンペーンを行っており、最終的に作品を集めてコミュニティカレンダーを作成する予定だという。こういったユーザー参加型のイベントもUCGが盛んな『マインクラフト』らしい動きといえるだろう。

気になる『Switch2』での展開は?家庭用ゲーム機でもPCでも遊べる敷居の低さ

最近のゲームソフトはハイスペック化が進み、高価なPCが必要なタイトルも多い。『マインクラフト』の場合は、PCはもちろん『Nintendo Switch』などの家庭用ゲーム機にも幅広く対応していることも大きな魅力になっている。パソコンを持っていない小学生でも遊べることで、プログラミング学習や創造力を育てるツールとしても活用されている。

「『マインクラフト』の素晴らしいと思うことのひとつは、非常に多くのプラットフォームでプレーできることです。どのプラットフォームで遊んでも一貫して素晴らしい体験ができるようにすることは、私たちが常に取り組んでいる課題のひとつです。『Switch2』に関しては現時点で具体的にお伝えできることはありませんが、『マインクラフト』 をさらに多くのプレーヤーにお届けする新たな方法を模索し続けています」(野間氏)

さらに独自イベントやコラボ企画などの展開についても日本市場に向けた施策として人気を集めているようだ。

「公式イベント、マーチャンダイジング、コラボレーションプロジェクトなどを通じて、世代を超えたプレーヤーたちがゲーム内外で 『マインクラフト』 と感情的なつながりを持つことができ、独自性の高いゲーム体験とエンターテインメント体験が生まれています。日本では「マイクラリレー」のような特別イベントを開催しており、これは特定のテーマに基づいて、『マインクラフト』 の動画クリエイターやストリーマーに動画を投稿してもらう企画です。コミュニティの皆さんは、お気に入りのクリエイターのコンテンツを楽しめるだけでなく、イベントを通じて新たなお気に入りのクリエイターを発見できることもあり、このイベントを楽しんでいます」(野間氏)

2024年に15周年を記念して、35組のクリエイターが約20分の動画をリレー式でプレミア公開した「マイクラリレー2024」も日本で開催した。こういったクリエイター参加型のイベントも『マインクラフト』の特徴といえる。

また、ゲーム内のコラボ企画やリアル店舗イベントでも他企業や人気キャラクターと組んで展開することも多いようだが、自由度が高いゲームなので柔軟な対応が可能でユーザーの支持も集めやすそうだ。

「マーチャンダイジングやコラボレーションプロジェクトに関しては、私たちのコンシューマープロダクトチームとライセンス代理店であるCAA Brand Managementが、Burberry、LUSH、Lacosteといった素晴らしいグローバルブランドとのコラボレーションやユニクロ、バンダイ、小学館など国内の主要パートナーとの商品化を実現してくれました。このような多様なコラボレーションや商品展開のおかげで、長年のファンも新しいファンも、ゲームの枠を超えて自分らしさを表現できるさまざまな方法を提供することができています」(野間氏)

国内8か所でゲームをモチーフにした公式グッズを販売する「EVERTHING MINECRAFT(エブリシング マインクラフト)」をリアル店舗でも展開中だ。

海外スタッフとの連携の良さも人気を後押し!

海外で生まれたゲームだが、日本市場向けには国内外のスタッフが連携して行っており、スムーズなローカライズと日本向けのさまざまな施策を行っているという。

「日本は『マインクラフト』にとって重要な市場のひとつであるため、新機能やコンテンツ、アップデートを開発する時は、日本のプレーヤーにも楽しんでもらえるよう、海外チームと日本チームが連携して取り組むことがよくあります。山岳バイオームに桜を追加する時にも両チームの間で多くのやり取りを行いました。「マインクラフトマーケットプレイス」には、日本のプレーヤーを意識して制作されたコンテンツも多数あります。たとえばゴジラやハローキティといった人気キャラクター、そしてカラフルピーチやドズル社など日本で親しまれている 『マインクラフト』 クリエイターによるコンテンツも含まれています」(野間氏)

今年1月から「マインクラフト マーケットプレイス」でスタートした『Hello Kitty and Friends DLC』は、ハローキティなどのサンリオキャラクターや180種類以上の家具やデコレ―ションなどを用意している。

2024年1月からスタートした『ゴジラDLC』では、巨大なゴジラから逃げたり建築スキルを使って街を救うアドベンチャーなどを楽しむことができる。

今年のゴールデンウィークには、東京・渋谷でオフラインイベント「スティーブ工事中」も開催した。「多くの来場者と直接つながることができ、スティーブたちのパフォーマンスや巨大モブの頭、写真撮影、ステッカーなどを楽しんでいただけたようです。また、多くの観光客の方々にもイベントに訪れていただき、とてもうれしく思いました」(野間氏)

ハリウッド映画のメガヒットと今後の進化

さらに今年の大きな話題は、映画『Minecraft』の大ヒットだろう。最近ではゲームのハリウッド映画化やメガヒットも続いているが、そのなかでも特に成功した作品となった。

「ジャレッド・ヘス監督、ワーナー、レジェンダリーのパートナーたちと制作過程で密に連携してきた結果、この映画は素晴らしいものになると確信していました! 『マインクラフト』のコミュニティのみなさんだけでなく、これまで『マインクラフト』をプレーしたことがない方々にも映画を楽しんでいただけたことをとても嬉しく思っています。

コミュニティからは、ゲームの世界観がしっかりと表現されていて、『マインクラフト』の楽しさの要素がしっかりと盛り込まれていたという声を多くいただきました。映画にはオリジナルのストーリーがあり、年齢を問わず楽しめるユーモラスなシーンもたくさんあります。日本語吹き替え版の声優陣も素晴らしい演技をしてくれましたし、私自身もジャレッド・ヘス監督、ジャック・ブラックさん、ジェイソン・モモアさん、そして『マインクラフト』 の大ファンなので、この映画は私にとって史上最高のお気に入り作品のひとつになりました!」(野間氏)

『Minecraft』は広大なオープンワールドで、さまざまな動物や怪物も登場する。今後はそれらの登場キャラクターにAIを導入するなど新しい進化も予想される。

「『マインクラフト』は、プレーヤーの自由と創造性を体現するゲームであり、それはこれからも常にゲームのコアな部分となります。AIには大きな可能性がある一方で慎重な活用が求められるため、私たちもどのように統合していくかを模索している段階です。その好例のひとつが、『Minecraft Education』で提供している「Cybersafe AI: Dig Deeper」モジュールです。これは、責任を持ってAIを活用するために必要なスキルを学習者に身につけさせる教材で、『Bedrock』版のマーケットプレイスでも無料コンテンツとして提供されています」(野間氏)

ゲームだけでなく、さまざまなメディアやジャンルに拡大している『マインクラフト』は、今後も新しい驚きと創造性を刺激する機能を提供し続けていきそうだ。

野間 豊(のま・ゆたか)氏プロフィール
日本マイクロソフトGame Content & Studios インターナショナルエクスパンション ディレクター。1999年にユービーアイソフトに入社し、カプコンを経て2004年にマイクロソフト(日本マイクロソフト)に入社。Microsoft Game Studios所属として『ブルードラゴン』や『ロストオデッセイ』などでプログラムマネージャーおよびプロデューサーを務める。2015年以降は『Minecraft』フランチャイズに携わり、『Wii U』、『Newニンテンドー3DS』、『Nintendo Switch』版のリードプロデューサーおよびシニアプロデューサーを歴任。現在は、インターナショナル・エクスパンション・ディレクターとして、日本市場における『Minecraft』事業の戦略的成長を推進するほか、日本国外への事業拡大にも積極的に取り組んでいる。

『マインクラフト』公式サイト

(c)2025 Microsoft

取材・文/久村竜二

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