参照関数を使うときの注意点
便利な参照関数にも注意すべきポイントがある。ここでは、ミスを防ぐために理解しておきたい基礎知識を紹介する。
■絶対参照・相対参照を正しく使い分ける
コピーやオートフィルを使う際、相対参照だと参照先がずれてしまうことがある。以下のように固定が必要な部分には「$」を使って絶対参照にするのが有効である。
例:
- 相対参照:A1
- 絶対参照:$A$1(常にA1を参照)
■エラー対策を講じる
参照先に値がないときや検索に失敗したとき、#N/A や #REF! エラーが表示されてしまう。これを避けるには IFERROR 関数を活用する。
例:
=IFERROR(XLOOKUP(F3, B2:B6, C2:C6), “該当なし”)
→ エラー時に「該当なし」と表示
まとめ
本記事ではエクセルで参照を使いこなす方法を解説した。参照関数を使えば、複雑な表でも正確かつ迅速なデータ処理が可能になる。初めての人は基本関数から慣れていき、徐々に応用関数へとスキルアップしていこう。
以下で、この記事の内容を簡単におさらいしておく。
- 参照とは:他のセルの値を読み込むこと。相対(A1)、絶対($A$1)、複合(A$1/$A1)の3種がある。
- 参照関数の必要性:データの一元管理が可能となり、手入力のミスや作業の非効率を防げる。
- 初心者が押さえるべき参照関数
- VLOOKUP関数:縦方向に検索。構文:=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索方法)。列番号のズレに注意。
- XLOOKUP関数:VLOOKUPの後継。縦横両対応で構文も柔軟。例:在庫表から商品名を取得。
- INDEX関数:行列番号で値を取り出す。構文:=INDEX(範囲, 行番号, 列番号)。
- MATCH関数:値の位置を返す。=MATCH(検索値, 範囲, 照合型)。INDEXと併用が効果的。
- INDIRECT関数:文字列から参照を作成。=INDIRECT(“A1”)。範囲変更に弱いため注意が必要。
- 実践テクニック
- INDEX+MATCHの組み合わせ:VLOOKUPより柔軟性が高く、列挿入にも強い。
- INDIRECTの応用:月別シートなどを動的に切り替えて参照可能。
- 注意点
- 絶対参照の使い分け:コピー時に参照先がずれないよう$記号を活用。
- エラー対策:IFERRORを使い、=IFERROR(関数, “エラー時の表示”)で見栄え良く処理。
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構成/編集部