
参照関数を使うと複雑な表でも正確かつ迅速にデータ処理できる。VLOOKUP関数・XLOOKUP関数・INDEX関数・MATCH関数・INDIRECT関数の使い方を身につける。その際に相対参照・絶対参照を間違えないように気をつけよう!
目次
エクセルで多量のデータを扱う際に、正確に、そして簡単に情報を取得するために「参照関数」を使いこなすことが不可欠である。特に初心者にとっては、どの関数をどのように使うか悩む場面も多いだろう。
ここでは、エクセル初心者のために代表的な参照関数の使い方や実践例を交えて詳しく解説する。
エクセルにおける参照とは?
参照とは、エクセルで他のセルの値を利用する基本的な考え方である。データの連動や自動化に不可欠な基礎知識として、まずは参照の仕組みを理解しよう。
■セル参照の基本
エクセルにおける「参照」とは、他のセルの内容を別のセルから利用することを指す。
参照方法には以下の3種類がある。
- 相対参照(例:A1):セルの位置関係を基準に参照する
- 絶対参照(例:$A$1):セルの場所を固定して参照する
- 複合参照(例:A$1、$A1):行または列のみを固定する
これらを正しく使い分けることで、表計算が効率よく行えるようになる。
■なぜ参照関数が必要なのか
参照関数を使えば、複数の表を連動させたり、データを一元的に管理できる。たとえば、商品番号から商品名や単価を自動的に引き出すことができ、手入力によるミスを防ぎ、作業の効率も飛躍的に高まる。
初心者が押さえるべき参照関数5選
ここでは初心者が最初に覚えておきたい代表的な参照関数を紹介しよう。実務で頻繁に使われる定番関数を中心に、特徴と使い方を具体的に解説する。
■1. VLOOKUP関数
VLOOKUPは、指定した範囲から縦方向にデータを検索し、条件に一致する行の指定列の値を取得する関数である。
構文:=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, [検索方法])
例:=VLOOKUP(E2, A2:C6, 2, FALSE)
注意点:
- 列番号の指定ミスによる誤取得の可能性がある。
- 左端の列からしか検索できない。
■2. XLOOKUP関数
XLOOKUPは、VLOOKUPやHLOOKUPの上位互換であり、縦横どちらの検索にも対応している。
構文:=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り値範囲, [見つからなかった場合の値])
例:=XLOOKUP(F2, B2:B6, C2:C6)
特徴:
- 列の位置に関係なく検索できる。
- 見つからない場合の値を指定できる。
■3. INDEX関数
INDEX関数は、指定した行・列番号に基づいて、表の中からデータを取り出す関数である。
構文:=INDEX(範囲, 行番号, [列番号])
例:=INDEX(B2:D6, 3, 2)
柔軟な構成により、後述のMATCH関数と組み合わせることで高機能な検索も可能になる。
■4. MATCH関数
MATCH関数は、指定した値が範囲内の何番目にあるかを返す。
構文:=MATCH(検索値, 検索範囲, [照合の型])
例:=MATCH(“S103”, A2:A6, 0)
INDEX関数と併用することで、検索値の位置に基づいてデータを取得できる。
■5. INDIRECT関数
INDIRECT関数は、文字列として入力された参照をセル参照として認識させる。
構文:=INDIRECT(“A1”)
使用例:=INDIRECT(B1 & “!A1”)
【実践編】参照関数を組み合わせるテクニック
参照関数を複数組み合わせることで、より高度な検索やデータ抽出が可能になる。
ここでは、実務で活用できるテクニックを紹介する。
■VLOOKUPの代わりにINDEXとMATCHを使う
VLOOKUPは便利だが、検索値が最左列にあることが前提であり、列の変更に弱いというデメリットがある。
INDEX関数とMATCH関数を組み合わせることで、検索値が最左列にある必要がなくなる。また、表の中で列を入れ替えても対応できるようになる。
■INDIRECT関数で複数シートをまとめて参照する
INDIRECT関数を使うと、文字列をセル参照に変換できるため、複数のシートから自動的にデータを参照することが可能。
例:=INDIRECT(“Jan!B2”)