変換時の注意点
PDFからの変換精度は、元の表構造に大きく左右される。以下のような点に注意しておくと失敗が少ない。
■表によって精度に影響がある
行・列が整っているシンプルな表ほど変換結果もきれいになる。複数行にまたがるセルや結合セルがあると、レイアウトが崩れることがある。
■有料ツールの方が変換精度は高い
無料ツールも手軽だが、業務利用や精度が求められる場面では有料ツールの方が無難である。特に複数ページや画像混在のPDFでは違いが顕著に出る。
■スキャンPDFへの対応
紙をスキャンして作られたPDFや画像形式のPDFをエクセル化するには、OCR(光学文字認識)機能が不可欠である。
OCR対応ツール:
- Adobe Acrobat Pro DC(有料)
- PDFelement(有料)
- HiPDF(一部無料)
- Smallpdf Pro(有料)
- iLovePDF(OCRは有料)
■セキュリティとプライバシー
PDFには個人情報や機密データが含まれることもあるため、オンラインツールを利用する際は取り扱いに注意が必要である。社内文書・顧客データなどはオフラインツールの使用を検討すべきだ。オンラインサービスでは、ファイル削除ポリシーやSSL暗号化の有無を確認する必要がある。公開環境のネットワークでの利用は避けたほうがよい。
まとめ
PDFの表をエクセルに変換する方法には、エクセル内蔵のPower Queryを使う方法、無料オンラインツール、有料ソフトウェアの3つがある。目的やPDFの形式、変換精度の必要性に応じて、最適な方法を選ぶことが重要である。セキュリティを意識しながら、業務効率化に役立ててほしい。
本記事の内容を以下で簡単におさらいしよう。
- Excel標準機能(Power Query)での変換手順:
- Excelを起動し[データ]タブをクリック
- [データの取得]→[ファイルから]→[PDFから]を選択
- 対象PDFを開き、ナビゲーターからTableを選択
- [データの変換]をクリックして編集
→ ソフト不要で使えるが、スキャンPDF非対応、複雑な表は不正確
- 無料オンラインツール:
- Adobe Acrobat Online:高精度だがOCRは有料
- Smallpdf:使いやすいが1日2回まで、OCRはPro限定
- iLovePDF:複数PDF一括可、OCRは有料のみ
- CleverPDF:登録不要・無料、精度はやや劣る
- 有料ソフト:
- Adobe Acrobat Pro DC:最高精度、OCR対応、要インストール
- PDFelement:安価でOCR付き、直感的操作
- 注意点:
- シンプルな表ほど変換成功率が高い
- 複雑・結合セル多用の表は崩れやすい
- スキャンPDFにはOCR機能が必須(無料では非対応が多い)
- セキュリティ対策:
- 機密性の高いPDFはオフラインソフトで処理
- オンラインサービスではSSL暗号化や自動削除機能を確認
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構成/編集部