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2024年度のフィットネス市場は「コンビニジム」業態が奏功し7100億円規模に拡大、一方で損益の二極化が鮮明に

2025.05.26

帝国データバンクは、成長が続くフィットネス業界に注目した「フィットネスクラブ・スポーツジム」業界動向調査(2024年度)を実施。結果をグラフ等にまとめて発表した。

本稿では同社リリースをベースに、その概要をお伝えする。

フィットネスクラブ市場、2024年度は過去最高の7100億円規模へ

コロナ禍で需要が落ち込んだフィットネスクラブが好調だ。2024年度における、スポーツジム等を含む「フィットネス市場」(事業者売上高ベース)は7100億円前後で推移する見通しとなった。

コロナ禍以降、客足鈍化の影響を最も受けた2021年度(5248億円)から3割超の増収となるほか、これまで過去最高だった2019年度(7085億円)を上回る規模に拡大するとみられる。

フィットネス事業を展開する主要な大手15社の店舗数推移をみると、2024年度末時点では6500店前後に到達する見込みとなった。10年前に比べると3000店超、2.3倍の増加となったほか、コロナ禍の影響を受けた2020年度末時点(4387店)以降から2000店超の増加となった。

特に、「chocoZAP」(運営:RIZAP、東京・新宿)を中心とした低価格帯の小規模ジムの出店増が大きく押し上げた。

2024年度のフィットネス市場は、コロナ禍以降に高まった健康志向を取り込んだほか、多くの企業がSNSを活用したプロモーション活動を強化したこと、積極的な新規店舗の開設といった取り組みも奏功し、各社で会員数が増加した。

特に「chocoZAP」に代表される、いわゆる「コンビニジム」業態の台頭が市場拡大に寄与した。フィットネス・スポーツジムの利用に対する敷居を低くしたエントリーモデルとして、初心者や女性会員の獲得に成功したほか、中~上級者へのステップアップに伴うフィットネス各社の利用増にもつながった。

また、オンラインフィットネスや、ウエイトトレーニングなど特定の目的に特化した24時間ジム、女性専用ジムといった業態も好調だった。

こうした業界全体の追い風を背景に、損益ベースでも十分な収益を確保できた企業が多かった。2024年度の損益が判明した約80社の動向をみると、48.8%が「黒字」となった。

店舗運営に必要な電気代の高騰に加え、プール運営では水道代の上昇、トレーナー常駐型の店舗では人件費の増加が顕著だったものの、会員数の大幅な増加に伴う増収効果でコストアップ分を吸収し、増益となった企業が多くみられた。

一方で、前年度から「減益」となった企業が15.9%を占めたほか、「赤字」となった企業も31.7%判明し、合計で47.6%のフィットネス運営企業が「業績悪化」となるなど、二極化も鮮明となった。

会員数の増加による増収があったものの、建設費の高騰で新規出店による投資負担や、トレーナー増加による人件費の増加、低価格のコンビニジムの台頭も重なって顧客獲得競争が激化し、収益力が低下したことも要因となった。

■2025年度も市場拡大予想、価格戦略がカギに

2025年度のフィットネス市場も、引き続き各社で新規店舗の開設に向けた動きが進んでおり、増収傾向で推移するとみられる。

健康志向の高まりや、在宅勤務の普及に伴うフィットネス需要の拡大も背景に、各社では新規会員向けのキャンペーンや既存会員向けのフォローアップ活動を展開するなど、会員の維持と獲得に注力しており、会員数の増加を背景とした収益の拡大が期待できる。

一方で、足元ではフィットネスジムの稼働率上昇に伴い、各社では必要なトレーナー数を拡充する必要に迫られているほか、マシンメンテナンスなど固定費負担も増加するなど店舗運営コストは増加している。

また、低価格帯の24時間フィットネスジムの増加により、業界全体で顧客の獲得競争が激化しているほか、物価上昇による消費者の節約志向の高まりで会費の値上げも難しく、有人・無人店舗を問わず売上高とコスト管理とのバランスが課題となっている。

高品質なトレーニングプログラムの提供や、暗闇サイクリング、バイクエクササイズ、キックボクシングなど特化型フィットネスへの取り組み、特殊なトレーニング機器の導入など、価格戦略や差別化を優位に進める取り組みも求められる。

関連情報
https://www.tdb.co.jp/index.html

構成/清水眞希

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