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事業継続計画(BCP)が機能していない企業の社員が感じている課題、3位業務の属人化、2位社員の取り組み意識の低さ、1位は?

2025.05.27

企業が自然災害やテロ攻撃など緊急事態に直面した際に、重要な業務を継続し、迅速に復旧するために定める「事業継続計画(BCP)」。日本のBCPの策定率は、着実に向上しているという(※)。
※ 内閣府「令和5年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」

しかし、大規模地震や富士山噴火、異常気象などといったさまざまなリスクに日々さらされている企業においては、策定率だけに目を向けるのではなく、「実効性」という観点から定期的にBCPの現状を捉え直す必要がある。

そこでリスクマネジメントコンサルティングを手掛けるニュートン・コンサルティングは、BCP策定済みの企業に所属する1,000人を対象に、BCPの現状と課題を調査したので、詳細をお伝えしよう。

BCPが機能すると思っているのは半数以下!BCPが機能しない組織は“ヒト”、機能する組織は“モノ”が課題

BCP策定済みの企業に所属する回答者のうち、想定内の危機でBCPが「機能する」と回答した割合は、昨年と変わらず48%と半数以下にとどまった。

■自社のBCPは想定する危機が発生した際に機能すると思いますか?(全体)

グラフ1-1:想定内の危機でBCPが機能すると回答した割合

さらに、自社のBCPが機能するかどうかという回答を役職別にみると、経営者・役員は59%、BCP事務局は65%が「機能する」と答えている一方で、事業部門は45%と役職や部門ごとに大きな実感の差があることが判明。

■自社のBCPは想定する危機が発生した際に機能すると思いますか?(役職別)

グラフ1-2:想定内の危機でBCPが機能すると回答した割合(役職・役割別)

また、想定外の危機でBCPが「機能する」と回答した割合は27%にまで下がっている。

■自社のBCPは想定外の危機が発生した際に機能すると思いますか?(全体)

グラフ1-3:想定外の危機でBCPが機能すると回答した割合

BCPの課題についての設問では、BCPが機能しない組織と機能する組織とで、正反対の傾向が見られた。

BCPが機能しない組織では「経営陣の取り組み意識が低い」、「社員の取り組み意識が低い」などヒトに関する課題が上位を占め、BCPが機能する組織では「代替生産・開発拠点がない」「重要なITシステムに対する代替システムがない」といったモノに関する課題が上位を占めている。

■赤色:ヒトに関する課題  青色:モノに関する課題

表2-1:BCPが機能しない組織が感じているBCPの課題

表2-2:BCPが機能する組織が感じているBCPの課題

実効性にはトップの危機意識・訓練・企業風土が欠かせない

「有事に適切に動けるBCPに必要なもの」を尋ねた設問では、全体としては「従業員のへの教育」、「適切なBCP対策」、「平時からのトップの危機意識」という回答が上位にあがっていた。

■有事に適切に動けるBCPとなるには何が必要だと思いますか?(全体)[複数回答]

表3-1:有事に適切に動けるBCPに必要なこと1

次に、BCPが機能する組織に「有事に適切に動けるBCPに必要なもの」を尋ねたところ、全体の回答とは異なり、上位から「現場からの権限移譲」、「BCPなど直接利益を生まない活動を重要と捉える企業風土」、「平時からのトップの危機意識」、「対象者への訓練」という回答が続いた。

BCPが機能する組織は、企業風土や訓練が必要だと考えていることがわかる。

まとめ

自社のBCPが想定する危機で「機能する」と回答した割合は、昨年同様48%と半数以下にとどまっていた。

役職別での内訳を見ると、経営層やBCP事務局では「機能する」と感じる割合が約6割であるのに対し、事業部門では45%と、役職ごとの実感に大きな隔たりがあるという点においても、昨年と同じ傾向が見られた。

さらに、想定外の危機では「機能する」と回答した割合は27%にまで下がっている。また、BCPにおける課題については、BCPが機能しない組織と機能する組織とで顕著な違いがあった。

BCPが機能しない組織は、経営層や従業員の取り組み意識など“ヒト”に関すること、BCPが機能する組織は、拠点やシステムの代替手段など“モノ”に関することが課題であることが明らかになっている。

BCPが機能する組織は、BCPの実効性に「企業風土」や「トップの危機意識」、「訓練」が必要だと考えていることがわかった。教育やBCP対策も必要なことではあるが、それだけでは機能するBCPにはなり得ないようだ。

BCPは有事が発生しないとその真価を発揮しないものであり、有事が起きることは稀であるが故、形骸化しやすく、活動を継続しないと実効性は失われていく。

BCPの策定率が一定の改善を見せている今だからこそ、「有事に真に機能するBCP」を追求する必要がある。実効性のあるBCPが評価される社会の実現に向けて、本調査が少しでも役に立つことができれば幸いだ。

調査概要
BCPの策定内容・活動(事実)と実効性(真実)に関する状況・意識調査
調査対象者:BCPを策定している企業で、自社のBCP関連業務に携わっている方
サンプル数:1,000名
調査方法:ウェブアンケート
調査期間:2024年11~12月
※数字の合計はパーセンテージの端数処理のために100%にならない場合がある。

関連情報
https://www.newton-consulting.co.jp/download/bcp2025_report.html

構成/Ara

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