
私事になるが、食玩が大好きだ。
子供の頃から祖母にお小遣いをもらうと、その足でスーパーに向かっておまけつき菓子を買い漁っていた。
筆者が子供の頃、不二家がウルトラシリーズのミニモデル入りのチョコスナックをシリーズ化してかなり長い間販売していた。
また、コリスの『フエラムネ』もしょっちゅう買い求めていた記憶がある。
おまけつき食玩はいつの時代も消費者の心を躍らせる!
90年代の終わり頃になると、フルタ製菓が『チョコエッグ』のおまけに、動物のフィギュアを同梱するようになり、これが大ブームに。
以降、食玩は子供だけでなく大人も楽しめるアイテムを多数輩出するコンテンツに成長していく。
食玩を語る上で欠かせないのがバンダイだ。
バンダイは玩具もそうだが食玩にもかなりの力を入れている。
昔も今も、バンダイは食玩には相当に心血を注いでいる。そのクオリティは日々進歩しており、消費者を驚かせているわけだが、今年の7月に、そのバンダイがこれまた魅力的な新商品を発売する。
それが『チョコサプ 機動戦士ガンダム』だ。
チョコサプとは、チョコレート菓子の中におまけフィギュアが封入されたスタイルの商品。
イタリアのフェレロというメーカーが発売する『キンダーサプライズ』という商品を源流に、世界中に同種の食玩が存在している。前述のチョコエッグもその一つ。
そして筆者の記憶が確かなら、チョコサプの前身にワンダーカプセルという商品が存在した。これもおまけがサイズの割にかなり精密な造形で驚嘆したものだ。
チョコサプはこれまでにいくつかのシリーズが発売されたが、いよいよ『機動戦士ガンダム』のアイテムも登場することとなる。
これが非常に興味をそそる造形、ラインナップになっているため、先日筆者は株式会社バンダイの同商品を担当し、「バンダイ キャンディ スタッフBLOG」でも新商品情報を自ら発信されている、開発担当108氏にインタビューを敢行した。
非常に興味深い回答をいただけたため、今回発売直前ということもあり、同商品についての質疑応答の模様をご覧いただきたい。
新作ガンダムリリースのタイミングにあわせ、チョコサプでもガンダム商品を投入したいという思惑があった!
松本 チョコサプからついに『機動戦士ガンダム』のアイテムが登場したことに注目している方も多いと感じます。
この商品の発売が決定するまでの経緯について教えてください。
開発担当108 チョコサプシリーズとして、『ドラゴンボール』、『ちいかわ』、『たまごっち』、『にゃんこ大戦争』と展開してきましたが、『機動戦士ガンダム』についてはチョコサプシリーズを立ち上げるタイミングから商品化については構想しておりました。
私自身『機動戦士ガンダム GフレームFA』シリーズ等の多くのガンダム食玩の企画開発担当をやらせていただいておりますが、より低価格かつ多くの数量をお菓子売り場から展開し、ガンダム食玩を盛り上げたいと考えていたので、チョコカプセル商材での商品化は念願でした。
『機動戦士ガンダム』というガンダムシリーズ1作目が盛り上がるタイミングはどこかと考えた時に、やはり『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』合わせで商品化すべきだと思い、今回のリリース・発売タイミングで準備をさせていただきました。
塗ってよし!そのまま飾ってよしのエッジが立ったミニフィギュア!
松本 私はフィギュアの塗装を趣味でやっているのですが、御社のGフレームFAやモビリティジョイントも毎回楽しく部分塗装させてもらっています。
ラインナップを見た途端に、否応なく塗装したくなってしまいました。
成形色の時点でかなり塗りやすく感じますし、仮にダブっても色んな塗装パターンを再現できるため、嬉しく感じます。
この辺りはやはり、塗装を前提として商品を購入するファンを想定しての配色でしょうか?
開発担当108 塗装の腕に自信のある方は是非! ともちろん考えておりますが、塗装せずにそのまま飾ってもディティール・エッジが際立つようにサーフェーサーをイメージしたグレー成形色にしております。
全高約45mmのミニフィギュアでフルABS(硬質素材)に挑戦した商品なので、今までのミニフィギュアに比べてパキっとした形状が出せていると思っています。
塗装していただくもよし、そのまま飾っていただくもよしとなっておりますので、お好みで楽しんでいただけると嬉しいです。
これはもう仕方ない!塗装無し、成形色オンリーでの発売に関する、やむをえない理由…
松本 これまでチョコサプではさまざまなキャラクターのフィギュアがおまけとして同梱されていましたが、いずれも塗装済みアイテムでした。
一方で今回の『機動戦士ガンダム』編では従来とは異なり、サフ吹き状態をイメージしたグレーの成形色がデフォルトと紹介されていました。
この仕様に至った経緯は昨今の情勢を鑑みれば当然だと感じるのですが、やはり現在では塗装コストが商品価格に与える影響はかなり大きいということなのでしょうか?
開発担当108 そうですね、塗装コストは商品仕様を決める上でも大きなポイントでした。
今までチョコサプシリーズで展開してきたキャラクターに対して『機動戦士ガンダム』のモビルスーツ(MS)の彩色数は多いので、塗装済みで商品化したらコストが全く合わない商品になります。
MSの形状の都合上、パーツ数も今までのチョコサプシリーズよりも多いので、その点も踏まえて今回は成形色での商品化に踏み切りました。
劇中イメージそのままの立体化!特に注目すべきはアッガイ!?
松本 今回のフィギュアのラインナップを見ていますと、各モビルスーツも劇中の動きや特徴的な登場シーンを再現していることに気づかされます。特に旧ザク、ジオングが素晴らしいです!
こういったポージングに際しては、どういった基準で選定したのでしょうか?
また、ご担当者さまの特にお気に入りのアイテムと、その理由についても教えてください。
開発担当108 ポージングについてはフィギュアを複数体組み合わせることでよりシーンを想起させられることを心がけて選定しました。
旧ザクやシャア専用ザクのように単体で成立するものもございますが、ガンダム(ハイパー・ハンマー装備)とゴッグ、ジムとシャア専用ズゴックといったように、複数ラインナップを集めることでより世界観が広がるのも今回のポイントにしています。
どのポーズも気に入っていますが、強いて言えばアッガイですかね。ジャブロー潜入時の愛くるしいポーズをしっかり再現できたかと思っています(笑)。
過去最大アイテム数!君は集めることができるか?
松本 最後になりますが、7月発売予定の本商品に関しまして、購入を希望しているガンダムファン、チョコサプファンの方々に向けてメッセージを一言お願いします。
開発担当108 低価格のミニフィギュアでありながらもフィギュアの出来に徹底的に拘って作りました。また、今回はチョコサプシリーズ史上過去最多の全19種類をラインナップしているので集め甲斐のある商品に仕上がっています。
是非全種コンプリートを目指してコレクションしていただけると嬉しいです!
ダブっても嬉しい!新たなガンダムのミニフィギュア。どう楽しむかはあなた次第です!
ということでは、今回は7月に発売予定の『チョコサプ 機動戦士ガンダム』に関するお話を、同商品を手掛ける開発担当108氏にインタビューさせていただいた次第である。
食玩で中身が開けてみるまで分からないアイテムというのは昔からあるが、ガンダムシリーズの場合はダブりもそんなに悔しくないのは大きなメリット。
量産型ならいくらあっても問題ないし、一点モノの機体だって塗装を変えれば別モノになる。
今回の場合はガンダムがダブったらG-3やプロトタイプに見立てておけば良いし、腕に覚えがある方は塗装で再現してもいいだろう。
『チョコサプ 機動戦士ガンダム』はメーカー希望小売価格385円(税込)。
この夏のお小遣いの使い道は、チョコサプで決まり!
文/松本ミゾレ
【取材協力】
株式会社バンダイ
『チョコサプ 機動戦士ガンダム』商品サイト
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