
最近の物価高騰に実質賃金が追いつかない状況は、多くのサラリーマンが不満を持っているはずだ。転職サービス『doda』などを提供するパーソルキャリアは、運営する調査機関『Job総研』で社会人の「はたらく現場での不満や不安」などの意見を収集する『Job weeQ』を実施して、匿名社会人ユーザーを対象に「給与に関するリアル」を調査した。
合計1498件の投稿が集まり、その主なコメントなどを発表した。それによると社会人の85.0%が給与の不満や不安を持った経験があると回答し、特に男性で顕著だったという。一方で社会人の84.0%が「給与への直接的な評価がされにくいと感じた経験」があると回答したが、こちらは女性がより感じているという結果になった。
85%が給与に不満・不安を持ったことがある!
「給与」に関する不満・不安を持った経験についての質問では、「ある派」が85.0%で「ない派」が15.0%だった。男女別の「ある派」では、男性が85.7%、女性が84.1%で女性より男性の方が不満・不安経験が多い結果となった。
主なコメントとしては、男性は「物価も高騰しローンや子育て費もあるため家族を養うには少ない。管理職の仕事量に見合わない給料」や「ブラックな環境も当たり前だった氷河期世代。仕事量や環境にも耐えてきて今の賃金か……となる」という意見のほかに、「同期と同じ給料なのに、仕事量も責任の度合いも自分の方が遥かに多くモヤっとした」や「同期が転職して年収100万アップ。自分は会社に残って評価されず、ただ疲弊する日々」など同世代との比較で不満を持つ人もいた。
女性は「派遣先で正社員登用され「給料は上がる」と言われていたが、実際はそこまで給料が上がらなかった」や「氷河期世代だが、就職や正社員登用に悩まされてきた。今年の新卒の初任給を見ると納得しにくい」など現在の環境への不満がある一方で、「男尊女卑思考の上司の元にいた際、私よりも成果を出していない男性の先輩の方が給料が高かった」や「昇給試験の対象に、実力度外視で対象になりそうな男性を上司が推薦していた」など性別による格差から不満を感じている人もいた。
84%が仕事の評価が給与に反映されにくいと感じている!
給与への直接的な評価がされにくいと感じた経験については、「ある派」が84.0%と過半数を占めた。男女別では、「ある派」は男性が82.5%で女性が84.1%だった。
主な不満については、男性では「上司へのアピールや、自分から売り込みに行かないと評価されず、普段からの頑張りは評価されない」や「営業で数字を出していなくても、上司から気に入られる人を見てやる気がなくなった」などの意見のほかに、「飲み会の幹事を何度もやったけど、「次もよろしく!」だけで労いゼロ」や「上司がクライアントとの飲みで相手を怒らせ、そのフォローや謝罪を私が行った」などのコメントもあった。
女性では「同じ会社でも、営業が花形、事務はあまり評価されなかった」や「店舗スタッフという同じ役回りでも売上で他店と相対評価される。評価基準も知らされていない」など明確な評価軸が見えないことに対する不満を持つ人もいた。
さらに「絶対に誰かがやる必要のある雑用をやっているが、アピールしてもそれで給料が変わる訳でもないと不満」や「新人の教育を、上司でもないのに善意でやっていた。評価にはならず善意だけで成り立っている」など善意でおこなった雑務や新人への教育が正当に評価されていないという不満の声もあったようだ。
同世代や周囲との比較や格差が不満や不安につながっているケースが多いようなので、周囲に惑わされずに働き方のスタンスを再考してみるのもいいかも知れない。
■『Job weeQ 休養に関するリアル』調査概要
参加対象者:現在就業中の『JobQ Town(ジョブキュータウン)』登録者
調査条件:全国の20代~50代の男女
実施期間:2025年4月18日〜2025年4月28日
総投稿数:1498件
調査方法:インターネット調査
https://job-q.me/categories/job-souken
構成/KUMU