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公家タクシー、SPタクシーに心霊ツアー!?三和交通が攻めた企画に挑戦するワケ

2025.06.08

海外からのインバウンド需要がますます過熱し、日本のおもてなしが注目されているなか、朝廷に仕える貴族である“公家”のような衣装をまとったドライバーがお出迎えをしてくれる優雅すぎるタクシーがあるという珍情報をキャッチ。

そこで、同サービスを実施するタクシー会社「三和交通」に出向き、公家タクシーへの試乗を試みることに。

「三和交通」は、これまでにもユニークな乗車メニューやツアー、SNS展開をして話題を博してきた、異色のタクシー会社だ。

その中でも、関東の心霊スポットを巡る夏季限定の「心霊スポット巡礼ツアー」は募集枠40組に対して毎年1000件以上の応募が殺到する人気企画として知られており、他にも「SP風タクシー」や「忍者とタクシー」といった多彩なサービスを実施。また、TikTokでは「みぞ部長」こと同社・部長の溝口孝英さん自らが出演してダンスを踊る動画もバズり中だ。

今回試乗する「公家とタクシー」はもちろん、「三和交通」がなぜこのような取り組みをしているかも気になるところだ。

ドライバーが、要人警護のための警官「SP」に扮して運行業務を行う「SP風タクシー」。Twitterでの投稿をきっかけに予約が激増とのこと(写真提供:三和交通)

高齢化するタクシー業界のイメージアップが狙い

“公家”ドライバーが到着する前に、統括本部広報の小澤千秋さん、水品巧さんに同社がなぜユニークなサービスを実施しているのかを訪ねた。

「タクシー会社はどうしても暗いイメージがあると自覚していましたが、実際は明るく楽しい会社であることを知ってもらいたいというのが前提にありました。また、中高年男性ドライバーが多く、定年退職した方が始める職業というイメージもあり、若い人材を確保したかった。そうした中で、代表の吉川永一が海外のバスツアーを参考に、タクシーでも面白いツアーを発案していこうと企画し出したのがきっかけです。助手席裏のボタンを押すとゆっくり運転してくれる「タートルタクシー」を皮切りに、「心霊スポットツアー」や「SP風タクシー」などをスタートしていきました」(小澤さん)

実際にこうした画期的でユニークなサービスでイメージアップに成功し、新卒社員も増えていったそうだ。

「私も『心霊スポットツアー』を見て三和交通の存在を知った一人で、面白いことをできる会社だなと思い入社しました」(水品さん)

「新卒採用を始めた当初は1~2人ぐらいの採用だったのですが、2020年には24名の新卒社員が入社しました。ツアー自体は赤字のものもあるのですが、若い人材が入ってくれたことはこうしたサービスのおかげなので、やってよかったなと思います」(小澤さん)

統括本部広報の小澤さん(左)、水品さん(右)はともに、同社のユニークなサービスや取り組みに興味を抱いて新卒入社を決めたとのこと

オーダーメイドの本格的な公家装束を着たドライバーがお出迎え

「公家タクシー、到着しました」と小澤さんに誘導されて、外に出ると一台のタクシーが颯爽と近づいてきて停車。すると中から公家装束をまとったドライバー・西室勇介さんが降りてきた。恰幅のよい体と真面目で寡黙そうな雰囲気はまさに公家そのもの。すぐさま後部座席に向かい、「どうぞお乗りください」とドアを開けてくれた。

ちなみに「公家とタクシー」は代表・吉川さんのアイデアによるもので昨年の大河ドラマ「光る君へ」を観て、思いついたとのこと。

現在は八王子エリアのみで運行しており、通常のタクシー運賃と同サービスの料金・5500円(税込み)で乗車が可能だ。

公家装束にもかなりこだわっており、当初用意した衣装は「陰陽師に見える」という理由で却下されたそうで、試行錯誤の末、オーダーメイドで作成し直したそうだ。また、頭に着用する被り物・冠もなかなか本格的だ。

公家に扮したドライバーに乗車を誘導されて、思わず委縮してしまう筆者

いざ、緊張しながらも後部座席に乗車。乗っているのは通常のタクシー車両だが、気分は平安貴族が使用していた“牛車”に乗っているような厳かな気分に。

運転も実に丁寧で揺れなども少なく、快適な周遊を堪能することができた。「貴族ってこんな感じだったのかな……」と感慨深い気持ちを味わえた。

モットーは優雅な気分を味わえる丁寧な安全運転。緑豊かな八王子周辺を走ってくれる

サービスでしゃもじの舞や短歌・俳句を読んでくれる?

また、「公家とタクシー」のサービスの一環として、木製のしゃもじを使ったオリジナルの舞を踊ってもらうことも可能。その趣深い独特の舞は一見の価値ありだ。

ほかにも、短歌や俳句も読んでくれるサービスもあるそうだが、この日は上空を見上げながら想像を膨らましていたが、良い句が思い浮かばなかったようで、句の披露はお預け。またのお楽しみとなった。

短歌や俳句は特訓中の公家ドライバー・西室さん。素晴らしい句を読み上げることができた時は拍手を送っていただきたい

安全運転のために整備点検も欠かせない

「公家とタクシー」の反響について小澤さんに聞くと「東北在住の観光客が利用してくださった際は、公家タクシーがやってきた途端、公家のインパクトとクオリティーの高さに飛び跳ねて喜んでくれて、神社巡りや周辺観光を楽しんでくれた」という。今後は夏休みに向けてインバウンド需要にも期待を寄せている。

人気の「心霊スポットツアー」は今年も実施!6月末より受付予定

最後にユニークなタクシーサービスは誰が考えているのか聞いた。

「アイデアマンである代表・吉川の発案のものも多いですが、毎月新サービス開発会議を行い、若手社員やドライバーの意見を企画にしたこともあります。反響の少なかった企画もありますが、“トライアンドエラー”の精神があるので、気軽に企画を提案できています」(小澤さん)

「誕生日や記念日にタクシー車内を装飾してサプライズでお祝いをできる『サプライズタクシー』は私の企画が採用されたものです。5月末からリリース予定で、カップルや夫婦の方にぜひ利用してもらえたらうれしいです」(水品さん)

このように社員全員に企画のチャンスがあるからこそ、画期的で面白いツアーやサービスが生まれるのだろう。

ちなみに、人気の「心霊スポットツアー」は今年も実施されることが決定。6月初旬からサイトをオープンし、予約を受付予定とのことだ。

毎年恒例の「心霊スポットツアー」は、関東近郊の心霊スポットを乗務社員がタクシーで案内しながら、業務中に遭遇した恐怖体験などを話してくれる。※2024年のメインビジュアル(写真提供:三和交通)

今回、試乗体験をした優雅な公家タクシーをはじめ、多種多彩で魅力的なタクシーに乗って、非日常の思い出を作ってみてはいかがだろうか。

三和交通 『公家とタクシー』
料金:『公家とタクシー』料金(5500円・税込み)+通常のタクシー運賃
完全予約制(原則3日前までに予約を受付)
※八王子エリアのみで対応
https://www.sanwakoutsu.co.jp/special/kuge/
また、各種タクシーサービスやツアー、イベントも実施中
https://www.sanwakoutsu.co.jp/special/

取材・文/瀬戸大希 撮影/小倉雄一郎

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