
ビジネスに取り組む上で挑戦意欲を持ち続けることは大切だが、一方で安定志向も捨てきれない。そんな挑戦と安定のはざまで揺れながら、日本のビジネスパーソンは「失敗」についてどのような考え・価値観を持っているのだろうか?
「しくじりECカンファレンス」実行委員会はこのほど、「ビジネスパーソンの『失敗』に対する意識調査を実施し、その結果を発表した。
本調査は、企業で働く会社経営者・役員・団体役員、正社員からなる全国の20~50代男女400名を対象に行われた。
新たな挑戦に対して慎重な姿勢を示す一方で、63.0%が「企業の成長には挑戦が必要」と回答
「職場で新しいことに挑戦したいと思うか」と尋ねたところ、「できるだけ安定した業務を続けたい」が47.5%に達した一方、「積極的に挑戦したい」(12.7%)、「状況に応じて挑戦したい」(39.8%)を合わせて52.5%に達した。
「新規事業における失敗は企業の成長にとって必要だと思うか」と尋ねたところ、「必要不可欠」が12.0%、「ある程度は必要」が51.0%で合わせて63.0%に達した。
新たな挑戦に対して慎重な姿勢を示す一方で、多くのビジネスパーソンが企業の成長には「挑戦が必要」だと考えていることがわかった。
失敗を成長に生かした企業の『賢い失敗』の具体例、1位は「スペースXによるロケット実験」
「失敗を成長に生かした企業の『賢い失敗』の具体例」について尋ねたところ、「スペースXによるロケット実験」が32.8%で最も多く挙げられた。以下、「ユニクロの野菜生産・販売事業SKIP」(30.8%)、「任天堂の『Wii U』」(27.8%)と続いた。
「『賢い失敗』ができる企業になるために必要だと思うもの」について尋ねたところ、「失敗の原因を社内全員で共有しやすい環境を整えること」が30.0%で最も多かった。以下「失敗の責任を追及するのではなく、失敗を『学びの機会』として捉える文化を根付かせること」(29.3%)、「失敗の原因をデータ分析し、根本的な原因を追究し改善策に反映させること」(28.5%)と続いた。
企業の『愚かな失敗』として、最近目立っていると思うもの、「ガバナンスの欠如」が26.8%で最多に
「企業の『愚かな失敗』として、最近目立っていると思うもの」について尋ねたところ、「ガバナンスの欠如」が26.8%で最も多く、以下「短期的な利益の優先」が24.8%、「トップダウン型の意思決定」が18.8%と続いた。また、今後増加しそうな失敗としても、「ガバナンスの欠如」(20.8%)、「トップダウン型の意思決定」(20.3%)、「マーケットの誤読」が19.5%、「短期的な利益優先」が19.3%と上位を占めた。
EC事業者が失敗する主な要因、「市場調査が不十分だった」が28.0%、「競合との差別化不足」が20.8%
「EC事業を展開する企業が失敗する原因」について尋ねたところ、「市場調査が不十分だった」が28.0%で最多となり、以下、「競合との差別化不足」が20.8%、「EC上の情報と実際に販売されている商品に大きなギャップがある」が19.3%と続いた。
SNSの失敗で致命的だと思うもの、「炎上に対して逆ギレ・反論をしてしまう」が28.5%で最多に
「SNSの失敗で致命的だと思うもの」について尋ねたところ、「炎上に対して逆ギレ・反論をしてしまう」が28.5%で最多となり、以下、「不適切な表現や差別的な内容の投稿」が24.3%、「謝罪文が誠意に欠ける・火に油を注ぐ表現」が22.5%と続いた。