
転職を考えているけれど面接が苦手で動き出せない人も多いはず。エンジニアの転職支援サービスなどを展開するフロンティアは、面接が苦手だった男女200名を対象にアンケートを実施して、「なぜ面接が苦手なのか」、「どうすれば克服できるのか」というリアルな声を集めて、克服のきっかけや具体的な工夫などについての意見を公開した。
自力で面接が苦手なことをどうにかしたいと考える人もいるはずだが、誰もがぶつかる可能性がある“面接の壁”に対して、どのように立ち立ち向かえばいいかリアルな体験談からヒントを見つけてみよう。
緊張しやすい人に効果的なのは「場数」
面接にのぞむときに、「緊張しやすさ」に悩む人にもっとも効果的だったアドバイスとして多くの回答が集まったのは、「模擬面接を繰り返して慣れを作る」ことだった。事前に想定質問の回答を準備する「イメージトレーニング」や合否ではなく、対話の場として捉える意識づけも一定数の支持があったが、実際に声に出して練習する経験が自信につながっていたようだ。
アンケートでも「とにかく回数をこなして“場に慣れる”ことが一番だった」、「最初は緊張で早口になったが、ハローワークの面接練習を何度も受けたことで、質問の流れや自分の話す順番が自然と体に染みついた」など数を重ねることを重視した声が多かった。
また「志望動機や自己紹介を何度も音読して録音し、自分で聞き返したことで、話すテンポや語尾の癖に気づけた」や「スマホで模擬面接を撮影し、目線や表情のチェックをした」など自分を客観視する工夫を取り入れた人もいた。
模擬面接の相手に関しても「家族や友人に頼んで練習台になってもらった」、「就活支援サービスの無料練習をフル活用した」という声があり、面談のプロに頼まなくても環境次第で対策できることもわかった。
アピールが苦手なら「事実共有」を試そう
自分をよく見せることに抵抗を感じてしまう人もいると思うが、その抵抗感から自分の必要な情報を控えてしまうケースもあるという。そんなメンタルの人が効果的と回答したのが「アピール=誇張ではなく、事実を共有すること」と捉える考え方だった。
実績やエピソードを盛るのではなく、実際に感謝された経験や自分が取った行動とその結果をそのまま伝えるという姿勢が支持を集めたという。
自由回答でも「“自分がやったこと”を事実として伝えればいいと気づいたとき、すごく楽になった」や「“実際に上司から褒められたこと”をそのまま言うだけでも、自信につながった」という声があった。
「エピソードを話すことで、自分でも気づいていなかった強みを再発見できた」、「伝えるのが苦手でも、出来事を時系列で説明するだけで説得力が出た」といったように、飾らない言葉だからこそ伝わる強さがあるという考え方もできるはずだ。面接を自己主張ではなく、事実の伝達であると捉えることでハードルは一気に下がるはずだ。
面接失敗の恐怖心を和らげた意外な視点
面接に落ちたり発言を否定されるなどの不合格への恐怖は、面接そのものへの苦手意識と直結しているという。今回のアンケートでも多くの人が恐怖心を持ったままでは自分の良さが伝えきれなかったとコメントしている。
この悩みで支持を集めたのは、「企業が選ばれる立場でもある」と視点を反転させるアドバイス。受け身ではなく、面接を受けているこちらが選ぶ側でもあると考えることで、過度な緊張がほぐれたという声があったという。
回答では、「企業と自分は“対等な立場”だと考えるようにしたら、不思議と緊張しなくなった」や「自分も企業を見極めるために面接をしていると思えたことで、冷静になれた」という具体的な経験談も寄せられた。
「ここで落ちたら終わり」という思考をやめることや「就活・転職はご縁とタイミングのゲーム」だと割り切る姿勢も面接に対する恐怖を和らげるきっかけになったようだ。
面接に落ちることにフォーカスするのではなく、合わなかったから断られたと捉え直すことで、自己肯定感を保ったまま次に進めたという回答者も多く、恐怖を力に変えるには結果ではなく行動に焦点を当てて未来志向で動くことが大切になりそうだ。
「話すのが苦手」に効いたのは“うまく話そうとしない”勇気
面接では、“話すこと”そのものへの苦手意識が大きな壁になるという。今回のアンケートでは、「うまく話そうとしない」や「伝わることを重視する」というシンプルな意識転換が多くの人の支えになっていたことがわかった。
「最初は“何を話せば正解か”ばかり考えていたが、“とにかく伝わればいい”と思ったら自然に話せるようになった」や「完璧な答えを出すより、誠実に話す姿勢が伝わるほうが大事だと気づいた」など、話すことに苦手意識がある人こそ言葉選びにとらわれすぎない姿勢を保つことが結果として自分らしい受け答えを引き出してくれたようだ。
トラウマ克服の鍵は“笑い話に変える”自己昇華術
さまざまな過去の面接での失敗体験が強く心に残り、次の面接に挑む勇気を奪うことも多い。そんな“トラウマ”を抱える人が負の感情を乗り越えるうえでもっとも効果的だった方法として、「失敗を笑い話として昇華させる」が最多票を集めた。
自由記述では、「あのときの面接官の表情まで覚えていて怖かったが、友人に話して笑い飛ばしてもらえたことで気持ちが軽くなった」や「“またやったらどうしよう”という怖さをネタにしたら、次は冷静に臨めた」など失敗を語ることで消化するというプロセスが前に進む力になると答えた人もいた。
当時と今の自分は違うと考えて、自己成長を認識したり失敗した理由を言語化して整理するなどの分析型アプローチも高い支持を集めた。面接で失敗したからダメな人間なのではないと受け止め方を変えることで、ネガティブな記憶に振り回されずに次の一歩を踏み出せるようになるはずだ。
面接準備不足には「逆算スケジュール」&「声に出す練習」が有効
面接当日の準備が足らずに不安を持って、それが本番のパフォーマンスに影響を与えてしまった経験がある人もいるはずだ。面接当日の準備として、志望理由を“その会社限定の理由”で用意するが最多の支持を集めた。
そのほかで目立ったのは「職務経歴書を声に出して読む練習をする」や「逆算スケジュールで計画的に準備する」など具体的な行動に関するアドバイスだった。
自由回答でも「面接までに“今日何をやるか”をリスト化して逆算したら、不安が減っていった」や「職務経歴書を録音して聞き返すと、“自分らしさ”が出ていない部分が分かった」などの意見があり、準備不足の克服には“見える化”と“耳での確認”が大切な要素になりそうだ。
さらに練習の“量”と“質”の両面を意識することの重要性も浮き彫りになったという。特に未経験職への転職やブランク期間がある人にとっては、「質問されそうなことを予測し、その答えを口に出して準備する」ことが、不安を払拭して自己肯定感を高めるきっかけになるようだ。入念な準備は、“面接対策”だけではなく、自分の魅力を再発見して言語化するトレーニングにもなっているといえるだろう。
今回の調査では、面接に対する苦手意識は特別なものではなく、多くの人が自分に合った方法を見つけて乗り越えてきたことがわかった。
緊張しやすさには場数を踏むこと、アピールが苦手な人には事実を伝えるという意識の切り替え、過去の失敗には自己肯定感を取り戻すためにポジティブにとらえるようにする。面接に臨む機会があるなら、ぜひ自分にあった攻略方法を見つけてほしい。
「面接が苦手と感じる人の克服方法【男女200名アンケート結果】」調査概要
調査方法:インターネットアンケート
調査地域:全国
調査期間:2025年4月1日~2025年5月3日
回答数:200人
調査協力:Nekorobi Group
出典
https://nekorobi-group.jp/career/tenshoku/23/
https://mensetsu-tobaseru.com/
構成/KUMU