
一人暮らしを始めたばかりの沙織の心強いパートナーは「生成AI」!? 日常や仕事で起きるさまざまなピンチを、生成AIと共に乗り切れるのか!? 「ChatGPT」などでおなじみの生成AIを使いこなすためのヒントをマンガで解説します。
※本記事は技術と人をつなぐテックメディア「in.LIVE」からの転載記事になります。
企画・原作:アステリア株式会社 エバンジェリスト 森 一弥
作画:漫画家 佐倉 イサミ
マンガでわかる生成AI【第1話】キャラ設定からはじめよう!はこちら
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マンガでわかる生成AI【第8話】画像生成のコツと注意点
マンガでわかる生成AI【第9話】画像生成でデザインチームの能力を強化!
マンガでわかる生成AI【第10話】Webページを作るよ!
マンガでわかる生成AI【第11話】自社用チャットを作りたい!〈前編〉
マンガでわかる生成AI【第12話】自社用チャットを作りたい!(後編)
キーワード解説
漫画の原作者である、アステリア株式会社 ノーコード変革推進室 エバンジェリストの森が、今回のお話の概要や会話に登場したキーワードについて簡単に解説します!
■簡易的なRAGと本格的なRAG
ここではChatGPTの「GPTs」のような、チャットサービスに付加されている画面操作でファイルをアップロードして使うようなものを「簡易的なRAG」と表記している。数人のチームで使うような場合であれば十分機能する。それに対して、VectorStoreを準備し、システム構築を伴うようなものを「本格的なRAG」と表記している。
■チャンク
ここでは、VectorStoreに投入されるひとかたまりのデータの単位を指している。プロンプトにもチャンク単位で入るため、元の文書でなにかの説明をする文章が長く、複数のチャンクにまたがってしまいそうな長さがあると、精度低下の原因となってしまう。できるだけ完結に説明された文章が望ましく、質問と答えを簡素にまとめた「よくある質問」のような文書があると精度の向上に繋げやすい。最適な文字数はLLM環境やコストに関わるので、まちまち。
トト先生の生成AI塾
(トト)生成AIの精度の話はなかなか終わりのない話なんじゃがの。
(トー君)LLM側も進化するじゃろうし、会社側のデータも増え続けるということじゃろう。
(トト)そうじゃな。データが増えていかない会社は企業活動が停止しているとしか考えられんからの。LLMの方は現在も進化中じゃし、精度を向上させなくて良いなんてことはないはずじゃ。ある程度は自動化できるかも知れないがな。
(トー君)ほう、自動化か、少しでも作業が減るなら嬉しいのかもしれんな。
(トト)例えば、チャットの回答にGoodボタンを付けられるサービスなどもあるじゃろう?
内部的にはVectorStoreへの検索で成り立っておるのじゃから、よくヒットするチャンクのスコアが良くなっていくような、通常の検索エンジンと同じような仕組みで精度を上げていくこともできそうじゃな。ただ、元の文書のわかりやすさや、チャンクの切り方などのほうが優先度は高いし、精度も上がりやすくなるじゃろう。
会社として気をつけたいのは、開発しているシステム部門に丸投げしてしまうこと。学習させる元の業務文書の中身をきれいにしておくことが大事だし、業務内容がわかっているひとが修正していくことが必要になる。安易に「うちの会社も生成AIやりたいからシステム部よろしく~」というのではなく、全社で取り組んで良くしていくことが重要じゃな。
原作者のオマケ裏話
「〝兆し〟から〝実装〟へ!?2025年最注目キーワード「AI エージェント」の高度化が止まらない」という記事を、小学館ダイム公式サイト「@DIMEアットダイム」で2025年初に書かせてもらいました。
〝兆し〟から〝実装〟へ!?2025年最注目キーワード「AI エージェント」の高度化が止まらない
2024年4月からDIMEにて連載が始まった「マンガでわかる生成AI」の原作を担当している、アステリア株式会社、および生成AI協会(GAIS)のエバンジェリスト...
最近は言葉が先行している事例もあるようで、個人的には、単にキャラクター付けをした生成AIチャットのことをエージェントと呼んでいることもあるようで、モヤッとします。「AIエージェント」という言葉に明確な定義があるわけではなく、大手のサービスでも多少定義が揺れている気はしますが、特定の目的があり、LLMの外との連携があり、AIの判断で連携先を使ったり使わなかったりして目的を遂行する仕組みというのがだいたい共通している認識のようです。
RAGで構築する仕組みも、VectorStoreを複数用意して、質問の内容によって切り替えるようにすれば立派なAIエージェントと呼べるものかと思います。予算を確保する際や、提案する際に「RAGによる自社チャット」と表現するのか「自社専用AIエージェント」と表現するのか、伝える相手によっては、その言い方ひとつで印象が変わるかも知れませんよ。
私のXアカウントではマンガの裏話や日々のつぶやきも更新中です。
また「@DIMEアットダイム」では、生成AIの新機能や新サービスを「やってみた」レポートとして紹介するコラムを連載しています。最新回のテーマは「【生成AIやってみた!NotebookLM編】自分だけのチャットボットをかんたんに作れる超便利な新時代のノート活用法」です。
【生成AIやってみた!NotebookLM編】自分だけのチャットボットをかんたんに作れる超便利な新時代のノート活用法
2024年4月からDIMEにて連載が始まった「マンガでわかる生成AI」の原作を担当している、アステリア株式会社、および生成AI協会(GAIS)のエバンジェリスト...
お時間のある方はぜひチェックしてみてくださいね。
森 一弥(もり かずや) https://twitter.com/dekiruco
アステリア株式会社 ノーコード変革推進室 エバンジェリスト。 テレワーク推進の波に乗り、某有名SFアニメの聖地である箱根に移住。アニメや漫画、甘いものとかっこいいクルマをこよなく愛す、気まま系な技術系エバンジェリスト。 AIやブロックチェーンなど先端技術とのデータ連携を得意とし、実証実験やコンサルティングの実績も多数。見聞きしたことは自分でプログラミングして確かめた上でわかりやすく解説することが信条。 現在は AI や IoTなどの普及啓発に努め、生成AI協会(GAIS)のエバンジェリストとしても活動中。
佐倉イサミ(さくら いさみ) https://twitter.com/sakura_isami
東京在住の漫画家。執筆作品は『29時の朝ごはん』『姫ばあちゃんとナイト』など。 現在『もふっとキャンプ』(トゥーヴァージンズ)『お茶の間スイーツガーデン』(KADOKAWA)を連載中。