『付和雷同』の意味や由来、正しい読み方を知ることで、ビジネスシーンでの使い方が分かります。付和雷同の意味からビジネスでの活用法、類義語・対義語まで詳しく解説します。
目次
付和雷同とは?意味と読み方を解説
付和雷同の意味や使い方を知ることで、ビジネス上のコミュニケーション能力が向上します。付和雷同の基本的な解説から正しい読み方まで、基本的な知識を身に付けましょう。
■付和雷同の意味は「自分の考えなく人に同調すること」
『付和雷同(ふわらいどう)』とは、自分自身の考えや信念を持たず、周囲の意見や流れに流されやすい態度・行動を指します。
付和雷同に陥る人は、自分で考えることなく、周囲の意見・行動に簡単に同調してしまいがちです。雷の音に他のものが呼応して響く様子になぞらえ、他人の言動に反射的に合わせてしまう様を表しています。
この四字熟語は、「付」が他者に寄り添うこと、「和」が調和すること、そして「雷同」が雷鳴のように一斉に同じ反応を示すことを意味しています。
全ての漢字が組み合わさることで、『自分の考えなく人に同調する』という意味が強調された四字熟語です。
■中国古典の「礼記」にも似た表現が見られる
付和雷同の『雷同』という言葉は、中国古典『礼記(らいき)』にも見られます。礼記は儒教の経典の一つで、礼儀作法から道徳、政治にまでわたる幅広い教えを収めた書物です。
礼記には『毋勦説、毋雷同(そうせつするなかれ、らいどうするなかれ)』という一文があり、『他人の意見をそのまま自分のものとしたり、安易に同調してはいけない』という戒めを示しています。
中国古典でも見られる『雷同』という言葉に、『付和』が結び付いて、現在の四字熟語『付和雷同』が生まれました。
ビジネスシーンで使える「付和雷同」の例文と活用法
ビジネスシーンで『付和雷同』という言葉を効果的に活用する方法や、例文を紹介します。会議・報告の場面やメール・資料作成時など、さまざまな状況で『付和雷同』を適切に使うことで、思考力や主体性をアピールできるでしょう。
■会議や報告で使える具体的な例文
会議や報告の場面で『付和雷同』を適切に使うことで、分析力や思考の深さをアピールできます。以下、主な例文を見ていきましょう。
【例文】
- このプロジェクトでは、全員が付和雷同せず、それぞれの意見や得意分野を生かして戦略を立てることが求められます
- 競合他社の動向に付和雷同するのではなく、自社独自の視点で課題を見極めました
ただし、分かりやすい表現を求められている場合は、「他人の意見に同調することなく」のように分かりやすく言い換える方が望ましいといえます。
■ネガティブな使い方の例文
『付和雷同』は、ネガティブで否定的な発言にも使われます。特定の人・組織に対して使う場合は、注意が必要です。
【例文】
- 彼は、集団になると付和雷同な態度を取るところがあると思う
- 他人の意見に流されがちな、付和雷同な性格は改めた方がよい
『付和雷同な態度』『付和雷同な性格』には、他人の言葉に流されやすいという意味合いが込められています。自分の意見がないかのように受け取られる言葉のため、相手に流されやすいところがあるとしても、柔らかい言い方に変える方が好ましいでしょう。
知っておきたい付和雷同の類義語とその使い分け
四字熟語には、付和雷同に似た類義語があります。それぞれ微妙なニュアンスの違いがあり、状況に応じて使い分けることで、コミュニケーションの幅が広がるはずです。類義語の意味や使い方を覚えておくと、ビジネスシーンで役立つでしょう。
■目上の人に従う「唯唯諾諾」
『唯唯諾諾(いいだくだく)』は、相手の指示・命令に対して、無条件に従う様子を表す四字熟語です。特に上司・目上の人に対して、自分の意見を述べずに従順な態度を取る場合に使われます。
【例文】
- 彼は唯唯諾諾と命令に従うしかできなかった
- 上司に唯唯諾諾と従うだけでは成長できない
この言葉は『韓非子(かんぴし)』の八姦(はちかん)に由来し、主君におもねり、顔色をうかがう家臣の様子を表したものです。
唯唯諾諾が『目上の人に対する従順さ』を表現するのに対し、付和雷同は『集団に対する安易な同調』を意味します。
■相手に気に入られようとする「阿諛追従」
『阿諛追従(あゆついしょう)』とは、相手に気に入られようと、こびへつらうことを意味する言葉です。『阿諛』は相手に気に入られようと顔色をうかがって行動する意味で、『追従』は相手に気に入られようとする言動を表します。
付和雷同は集団全体に流される傾向を指す一方、阿諛追従は特定の人物に対してへつらう点が異なります。出世や利益を得るために上司に阿諛追従する様子は、多くの職場で見られる光景かもしれません。
【例文】
- 重役に阿諛追従するだけでは真の信頼は得られない
- 部下が阿諛追従するばかりで率直な意見が聞けない
この言葉は『漢書』の匡衡伝(きょうこうでん)に由来し、『阿諛曲従(あゆきょくじゅう)』という言葉から発展したとされています。
長い歴史を持つこの四字熟語は、自分の考え・信念を持たずに相手に取り入ろうとする姿勢を、批判的に表現する際に使われます。
■周囲の様子をうかがう意味を持つ「右顧左眄」
『右顧左眄(うこさべん)』は、周囲の状況や人々の反応を気にして、自分の態度・判断を決めかねる様子を表す言葉です。『顧』はかえりみる、『眄』は横目で見るという意味を持ちます。
右顧左眄が『周囲の状況や思惑を気にして決断できない状態』を表すのに対し、付和雷同は『他者に同調・賛同する』ことを意味する点で異なります。右顧左眄は、優柔不断さや迷いが強調される表現です。
【例文】
- 彼は上司の顔色をうかがって右顧左眄するばかりで決断できない
- ライバルたちを見て右顧左眄するのではなく、自分の強みを生かした戦略を立てましょう
この言葉は、周囲の意見に惑わされず、確固たる自分の考えを持つことの大切さを教えています。
付和雷同の対義語
付和雷同には、さまざまな対義語があります。他人の意見に流されるのではなく、自分自身の考えを持ち主体的に行動する姿勢は、現代のビジネス環境で特に重要です。最後に、主な対義語と使い方のポイントを見ていきましょう。
■自分の道を歩もうとする「独立独歩」
『独立独歩』は、他人に依存せず、自分の力と判断で道を切り開くことを意味します。
【例文】
- 彼女は独立独歩の精神で新規事業を成功させた
- 周囲の意見に流されるのではなく、独立独歩の考えを持ちましょう
付和雷同が他者の意見に流されやすい態度を示すのに対し、独立独歩は自分の考えを大切にする強さを表す言葉です。自分の信念を貫く姿勢は、ビジネスパーソンとして大切な資質といえるでしょう。
■自身で判断する「自主独立」
『自主独立』は、他者に頼らず、自分の意志と能力で物事を決めて行動する姿勢を表します。他人に依存せず、自らの力で行動する姿勢や精神を表す言葉です。
【例文】
- 自主独立の精神で新たな市場を開拓した
- 自主独立の判断ができる人材が求められています
- 市場調査の結果に付和雷同するのではなく、自主独立の観点から分析してみました
この言葉は付和雷同の対義語として、自分の考えを持ち、主体的に行動することの大切さを示しています。自分の意見を持たず周囲に流される付和雷同とは、正反対の姿勢といえるでしょう。
■自分の意志を貫く「初志貫徹」
『初志貫徹』は、最初に決めた目標・考えを、途中で変えずにやり抜くことを表します。簡単に意志を変えてしまう付和雷同とは、反対の意味を持ちます。
【例文】
- 私は常に初志貫徹を心掛けている
- 彼は初志貫徹の精神を持っている
初志貫徹を心掛けることで、周囲に惑わされず自分のやりたいことや大切な目標を忘れずにいられるでしょう。
付和雷同の意味を知りコミュニケーションに生かそう
『付和雷同』は、自分の意見を持たずに周囲に合わせてしまうことを指し、否定的な意味合いで使われることが多い四字熟語です。
会議やメール作成などビジネスシーンでの使い方を理解できれば、コミュニケーションがスムーズになるでしょう。「唯唯諾諾」「阿諛追従」といった類義語、「独立独歩」「自主独立」などの対義語も覚えておくと、さまざまな場面で使い分けができるはずです。
構成/編集部







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