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ビジネスシーンにおける「踏襲」の正しい使い方とは?

2026.01.08

踏襲は、主にビジネスの現場で頻繁に用いられる表現です。言葉の意味や正しい読み方、実際の活用例、さらに関連する類語や反対語についても解説します。

「踏襲」の読み方と意味

『踏襲』は、ビジネスの場でしばしば目にする用語ですが、読み間違いや意味の取り違えが起こりやすい言葉でもあります。まずは、正しい読み方と、仕事の現場での具体的な使い方を紹介します。

■「踏襲」の正しい読み方は「とうしゅう」

『踏襲』の正しい読み方は、『とうしゅう』です。ビジネスシーンでよく耳にするこの言葉ですが、『ふしゅう』『とうじゅう』と間違えて発音してしまう人もいるかもしれません。

『踏襲』には『蹈襲』という表記もありますが、どちらも同じ『とうしゅう』と読みます。『踏』は『ふ』と読むことが多いため混乱しがちですが、この熟語では『とう』と読むことを覚えておきましょう。

会議や商談で使う際に、正しく発音できないと、相手に意図が伝わらない可能性もあります。特に上司や取引先の前では、正確な読み方で話すことが求められるでしょう。

■踏襲の意味は「前例や方針を引き継いで同じように行うこと」

『踏襲』とは、『前例や方針を引き継いで同じように行うこと』を意味します。語源は『足跡をそのままなぞって行くこと』です。『踏』には『重なり合う』、『襲』には『重ねる』という意味があります。

ビジネスシーンでは、会社や部署に存在する方針・ルールを、継承する場面でよく使われます。例えば、「今年度も昨年度の営業戦略を踏襲します」といった使い方が一般的です。

踏襲するものには、明文化されたルールだけでなく、暗黙の了解事項や慣習など目に見えないものも含まれます。新入社員が先輩のやり方を参考にする際も、「先輩の接客方法を踏襲する」と表現できます。

ビジネスシーンでの「踏襲」の3つの使い方と例文

パソコンを見ながらの打ち合わせ
(出典) pixta.jp

ビジネスの現場では、『踏襲』が活用される場面が多数あります。実際のビジネスシーンで『踏襲』がどのように使われているのか、具体的な例文と代表的な使用場面を見ていきましょう。

『踏襲』を適切に使いこなせれば、ビジネスでの信頼性向上やスムーズな業務進行に役立ちます。

■会議での例文

会議では、踏襲を含むフレーズがよく使われます。例えば、以下のような例文が挙げられます。

【例文】

  • 春季の販促イベントの成功を踏襲して、同じ形式で秋季キャンペーンを実施したいと思います
  • 前例踏襲ばかりでは、新しい発見がない

踏襲は、ポジティブな言い回しだけでなく、ネガティブな言い回しにも使える点が特徴です。会議の発言の際にも、幅広く活用できます。

■仕事の引き継ぎでの例文

業務の引き継ぎ場面では、『踏襲』が重要な役割を果たします。引き継いでほしい部分があるときや、前例を手本にする必要があるときには、踏襲という言葉を使ってみましょう。

【例文】

  • 取引先の〇〇については、これまでの対応方法を踏襲してください
  • 月次報告書の作成手順は、前任者のものを踏襲することとしました

ただし、仕事の引き継ぎに関しては、前任者と後任者がお互いの意図を把握していなければなりません。

踏襲の意味を分かっていないことによるトラブルや、踏襲する範囲があいまいになってしまうリスクを防ぐためには、具体的で簡単な言葉に言い換える方がよいケースもあります。

■企画で過去の事例を取り入れるときの例文

企画書・提案書の作成において『踏襲』の概念を理解しておくと、スムーズに業務が進みます。まずは、どのような使用例があるか確認しましょう。

【例文】

  • 昨年の企画で売り上げに貢献した部分を踏襲しつつ、新たな視点を加えました
  • 単なる前例踏襲ではなく、最新のトレンドを考慮した企画に仕上げました

企画で前例を踏襲する場合は、良い部分を参考にし、悪い部分に関しては改善を行う柔軟性が必要です。

「踏襲」の類義語とそれぞれの使い分け

セミナー
(出典) pixta.jp

『踏襲』の類義語には、同じように何かを受け継ぐという意味を持ちながらも、使い方やニュアンスに微妙な違いがある言葉がいくつか存在します。主な類義語について、それぞれの特徴や『踏襲』との違いを確認しましょう。

■伝統や権利を受け継ぐ意味を持つ「継承」

『継承』は、地位や財産、権利など具体的なものを受け継ぐ際に使われることが多く、踏襲は主に手法・方針など無形のものを引き継ぐ場合に用いられる点が異なります。

【例文】

  • 先代社長から事業を継承し、今後はさらに成長させていくつもりだ
  • この技術を次世代に継承するため、新人への研修制度を導入した

ビジネスシーンでは『事業継承』『技術継承』のように使われることもあり、主に形あるものや権利の移転を表現します。

■手本としてまねをする意味を持つ「倣う」

『倣う』は『習う』と同じ語源を持ち、『すでにあるやり方や例をまねする』という意味があります。『踏襲』が組織や制度の方針・仕組みを引き継ぐニュアンスなのに対し、『倣う』は手本としてまねるという意味合いが中心です。

【例文】

  • 前例に倣って企画書を作成しました
  • 成功事例に倣い、同様の広告戦略を採用しました

『模倣』という熟語でも使われるように、すでに実例のあるやり方を手本としてまねる場面で適しています。『踏襲』より柔軟性があり、良いと思った部分だけを取り入れるニュアンスも含まれています。

■基準や規則に従う意味を持つ「準拠」

『準拠』とは、基準・規則などに従うという意味を持つ言葉です。『踏襲』と似ていますが、『踏襲』が前例や方針を引き継ぐのに対し、『準拠』はより具体的な基準・規則に沿うことを表します。

【例文】

  • 新システムは最新のセキュリティー基準に準拠しています
  • この就業規則は、労働基準法に準拠して作成されています

『準拠』を使うことで、客観的な基準に従っているという信頼感・正当性をアピールできるのが特徴です。類語には『のっとる』『依拠』『準ずる』などがあり、対義語としては『逸脱』『違反』などが挙げられます。

「踏襲」の対義語とその使い方

資料を見ながら作業をする
(出典) pixta.jp

『踏襲』に対立する考え方や行動を表す言葉を知ることで、ビジネスシーンでの語彙力をさらに高めることができます。それぞれの言葉が持つニュアンスの違いを解説しましょう。

■古いものを一新する意味を持つ「刷新」

『刷新』とは、従来の仕組み・慣習を根本から見直し、全く新しいものへと作り変えることを意味します。踏襲が過去のやり方を受け継ぐのに対し、刷新は現状を打破し変革する姿勢を表します。

【例文】

  • 前年の企画書を踏襲するのではなく、デザインを刷新して新鮮な印象を与えました
  • 役員陣を刷新して組織の活性化を図る

『刷新』は、主に動詞として『刷新する』『刷新される』の形で使われ、マンネリ化した状況を打破したいときや、改革が必要な場面で使用されることがほとんどです。

類似した言葉には『一新』『革新』『更新』『改善』などがありますが、『刷新』は特に悪いものを取り払い、完全に新しくするニュアンスが強いのが特徴です。

■大きく変えて新しくする意味を持つ「革新」

『革新』とは、古いものを改めて新しくすることを意味します。踏襲が前例を守るのに対し、革新はこれまでの方法や考え方を抜本的に変えようとする姿勢です。

ビジネスシーンでは、『技術革新』『経営革新』『業務革新』などの形で使われることが多いでしょう。

【例文】

  • 前任者のやり方を踏襲するのではなく、営業手法を革新することで新規顧客の獲得に成功した
  • デジタル技術を活用した業務革新により、生産性が30%向上した

『革新』は単なる変更ではなく、従来の枠組みを超えた創造的な変化を意味するため、組織に新しい価値をもたらしたい場面で使うと効果的です。

似た言葉として『イノベーション』『変革』などがありますが、革新は特に積極的・能動的に新しいものを生み出すニュアンスがあります。

■内容を改めて正す意味を持つ「改正」

『改正』とは、既存の法律・規則の内容を、一部修正して正しいものにすることを意味します。『踏襲』が前例をそのまま引き継ぐのに対し、『改正』は内容に不備や時代の変化に合わなくなった部分があるとき、それを修正する行為です。

ビジネスシーンでは、『規則の改正』『社内制度の改正』『就業規則の改正』などの形で使われます。

【例文】

  • 前年度の営業マニュアルを踏襲するのではなく、問題点を洗い出して改正しました
  • 業務効率化のため申請手続きを改正し、承認プロセスを簡略化しました

『改正』は必ずしも全面的な変更ではなく、部分的な修正・改善を意味するため、良い部分は残しながら問題点を直したいときに適した表現です。

「踏襲」の意味や使い方を知りビジネスで生かそう

引き継ぎ業務
(出典) pixta.jp

『踏襲(とうしゅう)』は、ビジネス用語としても知られており、文書や会話でもよく使われます。

前例や方針を引き継いで同じように行うという意味を持ち、ビジネスシーンでは会議や業務引き継ぎ、企画提案などさまざまな場面で活用できる言葉です。

類義語・対義語との違いも理解しておくと、語彙の幅が広がります。前例を尊重しながらも、必要に応じて新しいアプローチを取り入れる判断力を磨いていきましょう。

構成/編集部

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