
100円ショップとして代表的なブランドであるDAISO(ダイソー)や300円台をメインにした3COINS(スリーコインズ)。
かつては100円、300円台がプチプラ雑貨のメインの価格帯だった。しかし、そのようなブランドが、こぞってその値段以上の高額商品を作り、新たな顧客層を狙う昨今。
なかでも「500円」前後で買える雑貨の競争が激化し、「ワインコインで買えること」の価値に再び注目が集まっている。
ワンコインは、手軽に購入できる金額でありながらもクオリティを求められる価格だ。物価高による経済的な不安からコストパフォーマンスを重視する社会情勢の中で、「ワンコイン」商品が重要な位置を占めるようになってきたのだろうか?
ダイソーやスタンダードプロダクツを手がける大創産業
100円ショップとして名高く、低価格でユニークかつ実用的なアイテムが手に入るDAISO(ダイソー)を手掛ける大創産業。
近年では女性向けの可愛らしい雑貨を扱うTHREEPPY(スリーピー)や、食器など実用的なアイテムを扱うStandard Products(スタンダードプロダクツ)も展開している。
スリーピーでは110円の商品もあるが、330円や550円などの価格帯が多く、スタンダードプロダクツでは330円?1,500円のアイテムが販売されている。
最近は、ダイソーの「ゴミ袋ホルダー」や「コレクションケース」などがコスパが良いことからSNSなどで話題になっていたが、どちらも税込550円だ。
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100円台ではない商品が続々と増えているように感じるが、ワンコインという価格帯に焦点を当てた商品開発に注力しているのだろうか?ダイソーの広報担当に質問したところ以下のような回答をいただいた。
「ダイソーに関しては、100円商品が8割、残りの2割が100円以外の商品です。その中でも特に500円台が増加しているという傾向はなく、あくまで商品次第になります」
ダイソーは2002年頃から100円以外の商品の取扱を開始。そのきっかけは「もっと大きなサイズ、容量の商品はないのか」という要望があったからだという。
それが好評だったことを受け、それ以降はニーズがあれば、100円以上になる場合でも商品化を進めているという。
消費者が今まで以上に、価格に対してハイクオリティ、ハイコスパな商品を求める状況になっていることに関してはどのように考えているだろうか?
「ダイソーは創業時より価格帯が決まった中で価格以上の価値、クオリティを追求してまいりましたので、最近はじまったわけではなく常に注力しております。価格帯も100円が主軸なのは変わりません」
現在の状況に関わらず、商品に値段以上の価値を求める姿勢は昔から変わらないというわけだ。
スリーコインズは大型店スリーコインズプラスの出店を強化
スリーコインズは、その名の通り300円という価格帯を中心に、デザイン性が高い雑貨やインテリア商品をメインに展開している。若年層や女性をターゲットにした商品が多いのが特徴的だ。
近年ではスリーコインズの大型店舗である『3COINS+plus(スリーコインズプラス)』の出店を強化。取り扱いカテゴリーに食品(ごはんもん・おかしもん)があるのが特徴で、店舗によってはメンズカテゴリーなども取り扱っている。
最近のスリーコインズでは、300円台の商品よりも500円や800円などの商品が多い印象だ。300円以上の価格帯が増えている背景はどのようなものだろうか?
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スリーコインズ広報担当者は「300円均一を撤廃したのは2015年頃です。近年、店舗の大型化を進めており、それに応じて新しいカテゴリーなど企画の幅を広げるにあたり、高価格帯の商品も増えています」と解説。
今後の商品展開でも、高価格帯は増えていくだろうと考えられる。それに関しては次のような回答をいただいた。
「為替の影響や原料費、輸送コストなどの高騰もありますが、単に値上げという考えではなく、新たなカテゴリー開発も強化し、価格以上の価値を見出せる商品づくりを進めています」
2022年から「無印500」を展開した良品計画
株式会社良品企画では2022年から500円以下の日用品や消耗品を中心に集めた「無印良品 500」を展開。取り扱い商品の約7割が、500円以下を中心に構成されている。
都心部の駅ナカや駅チカを中心に店舗数を増やし、2022年に1店舗目を三鷹に出店してから、2025年4月時点では約50店舗に拡大している。
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景気の不安定さや消費者の節約志向が強まる中で、手が届きやすい価格帯の商品でアピールを強めているようだ。
100円、300円から500円へ
消費者が注目するプチプラ雑貨の中心価格帯は100円、300円から500円へと移行しているようである。500円程度で手に入る商品は、高品質なものを低価格で購入できる選択肢になっているようだ。今後はどのような雑貨がワンコインで登場するのか、それぞれの企業のワンコイン戦争の戦略を見守りたい。
文/まなたろう
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