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ヘアマスクに革命を起こした「Gyutto」の販売計画比が400%を突破!ロート製薬が目指すヘアケアの商品戦略

2025.05.12

2024年9月、ロート製薬から誕生した『Gyutto(ギュット)』は“大人のうねり悩み”を改善する「質感整形ヘアマスク」として打ち出し、販売計画比400%を突破。従来のヘアマスクとは一線を画すポジションを確立し、大ヒットとなった。

今回はロート製薬株式会社 開発担当 新菜摘さん、広報PR担当 蓮池ちひろさんに、商品の特徴や差別化ポイント、開発の経緯、ヒットの要因についてお話を伺った。

左)広報PR担当 蓮池ちひろさん、右)開発担当 新菜摘さん

*本稿はVoicyで配信中の音声コンテンツ「DIMEヒット商品総研」から一部の内容を要約、抜粋したものです。全内容はVoicyから聴くことができます。

ロート製薬の独自技術“コアコルセット技術”が叶える質感整形

ダメージによる大人のうねりをほぐし、柔らかくまとまる髪へ導くヘアマスクGyutto。“質感改善”を実現している独自技術「コアコルセット技術」について、新さんは次のように話す。

「コアコルセット技術は、3つの成分からなるうねり改善技術です。毛髪のねじれやうねりの補正効果が期待できる『トステア』、髪の内側に入り込んで髪を整える『乳酸』、整った髪を外側から柔らかくコートする『PVP』。この3つの成分によって広がりを抑え、自然なまとまりを与えることで、コルセットのように髪質を整えます」(新さん)

サイエンスに基づいた高い機能性が評価され、販売計画比400%を突破する大ヒットとなった同商品。開発のきっかけは、ちょっとした“立ち話”だったという。

「神戸大学の先生から『髪がまっすぐになる面白い成分を見つけた』と声をかけてもらったのが開発のきっかけでした。そこから共同研究が始まったんです。ただ、トステア単体では横に広がりやすく、収まりにくい髪になってしまう特徴がありました。同商品が目指すのは、うねりは抑えつつ、自然でまとまりのある髪です。伸びの良さや原価を考慮しながら何百通りも試して、やっとたどり着いたのが、トステア・PVP・乳酸の組み合わせでした」(新さん)

ヘアマスクの常識を覆す!“軽さ”が叶えた使いやすい1本

ヘアケア市場はまさに戦国時代。うねりケア商品も星の数ほどひしめくレッドオーシャンで、Gyuttoは「自然な仕上がり」で差別化を目指した。

「ヘアマスク使用後に髪がベタつくように感じるのは、重めのシリコンや油が髪の表面に残っているからです。同商品は、重たくベタつきやすいシリコンやワックスなどは使用せず、軽い質感の成分を厳選して配合しています。また、濡れた髪に塗布すると、すぐにほどけて浸透する設計なのもポイントです。細毛や軟毛の方にも、使いやすい使用感になっています」(新さん)

ターゲットに訴求するためのパッケージ作りには、AIも活用した。

「もともと、髪の断面図をパッケージで見せるデザインは決まっていました。そこから、お客様に届けたい“効果”や“親しみやすさ”といった要素をAIに読み込ませて、パッケージをブラッシュアップしたんです」(蓮池さん)

開発にあたり、「今まで以上にリサーチを重ねた」と振り返る蓮池さん。お客様の声を聴くのはもちろん、ターゲット層である30代、40代の社員を集めて座談会をしたり、家族にヒアリングをしたりして、消費者のニーズを突き詰めた。

「年齢による髪のうねり悩みに対し、お客様はただ髪をまっすぐにしたいと考えているわけではないことが分かりました。求めていたのは『まとまって清潔感のある髪』。印象を変えたい。そんなお客様のニーズを実現しようと、商品の開発を進めました」(蓮池さん)

Gyuttoの魅力の一つに、今のヘアケアに一品を取り入れられる“手軽さ”がある。新さんは、使い勝手の良さを叶えるために、2つのポイントにこだわったと話す。

「一つ目は、ビルドアップケア処方です。 ビルドアップとは、シリコンをはじめとするヘアケア成分が、使い続けることで髪表面に蓄積し、徐々にベタついてしまう現象を指します。同商品は蓄積しにくいシリコンを配合し、さらに余分なシリコンが付着しないような成分を配合しました」(新さん)

普段のケアアイテムと置き換えて使用できるよう、美容成分も惜しみなく配合した。

「トリートメントとしての効果をしっかり持たせるために、13種類の美容液成分を配合しています。普段お使いのトリートメントと置き換えていただいても、ダメージケア効果に遜色ない仕上がりになっています。もちろん、トリートメントの後に、ヘアマスクとして使っていただいても大丈夫です」(新さん)

「ヘアケアはもっと手軽に!」開発者の発想が消費者に刺さる

Gyuttoは、新さんのこだわりがたっぷり詰め込まれた商品。

「同商品は、時間を置かずにすぐに洗い流すことができます。私自身、お風呂でヘアマスクを置く時間を面倒に感じていたため、どうにか時短できないかと考えたのが開発のきっかけでした。社内モニターやアンケートでも同じ悩みを持つ方が多いと分かり、時短機能をアピールポイントにしています。最近は、男女関係なく、ヘアケア商品が使われるようになっています。ヘアケア商品としては珍しい香りですが、男性からも女性からも好評を得られるように設計しました」(新さん)

Gyuttoのターゲット層は、30代後半から50代の女性。蓮池さんは、この年代の方々の声を聴いていくうちに、うねりが深刻な悩みになっていることが分かった。

「サロンで施術を受けたり、短く切ったりして対策しているものの、満足できていないという結果も見えてきました。年齢を重ねても、清潔感のある髪で好きなヘアスタイルを楽しみたい。そんなお客様に、同商品を届けていきたいと考えています」(蓮池さん)

サイエンスの力で髪の悩みを解決。ロート製薬が目指すビジョン

蓮池さんは、Gyuttoがヒットした要因は「お客様の悩みにしっかり応えられる商品ができたから」と分析する。

「今回の市場調査を通じて、ヘアケアの悩みに対して対処法がわからないと感じているお客様が多いと分かりました。 髪の悩みを諦めている人に、解決策をもたらしたい。これが、私たちの思いです。まだまだチャレンジャーですが、サイエンスの力で“医薬品のように髪悩みを治せるポジション”を今後も目指していきたいと思っています」(蓮池さん)

ヘアケア市場への参入は、ロート製薬としてもチャレンジだった。社内のハードルが高い中で、意識したのはコミュニケーションだったと振り返る。

「社内の士気を高めてファンを作ろうと、エビデンスを伝えるストーリーの作り込みを一緒に行ったり、とにかく使ってもらったりして、効果を感じてもらえるよう注力しました。実際に使用して効果を実感できたからこそ、自信を持って社外の人に魅力を伝えられたのだと思います」(蓮池さん)

苦労が多かった分、完成したときの達成感はひとしおだった。

「開発初期の試作品を社内モニターに試してもらったとき、反応は真っ二つに割れました。生まれつきくせ毛の社員からは高評価だった一方、一番届けたかった、ダメージでうねりに悩む社員の評価はイマイチだったんです。試行錯誤を繰り返して、『これでいこう』と決まったときは嬉しかったですね」(新さん)

今後も改良を重ね、より良い商品を目指していきたいと続ける。

「Amazonで先行発売したとき、嬉しい声が増えていく様子をリアルタイムで見ていました。売れなかったらどうしようとドキドキしていたのですが、フタを開けてみると大ヒットということで、本当にありがたいなと感じています。改善点の指摘は真摯に受け止め、改良を重ねていきたいです」(新さん)

最後に、リスナーに向けてメッセージをもらった。

「Gyuttoのおすすめポイントから開発秘話まで、たくさんお話させていただき、チームを代表して感謝申し上げます。ぜひ実際に商品を使っていただき、ワクワクしながら今日の答え合わせをしてもらえると嬉しいです」(新さん)

取材・撮影・文/久我裕紀 構成/DIME編集部

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