ビジネスシーンでよく聞く言葉「TIPS」の意味と正しい使い方

ビジネスの世界で広がっている「TIPS」という言葉をご存知だろうか。

TIPSは、現代のビジネスパーソンが知っておきたい用語の一つだ。営業成績の向上から業務効率化まで、組織内のさまざまな課題を解決するうえで、TIPSという言葉は役立つ。

具体的な使い方を知り、ビジネスコミュニケーションを高めていこう。

TIPSの読み方と意味

TIPSには、「アドバイス」や「コツ」などの意味合いがあり、ビジネスの場面で使われることもある。資料や動画のタイトルとして用いることで、「役に立つ情報である」ことを伝えられるだろう。

まずは、TIPSの読み方や意味など、基本的な内容から見ていこう。

■TIPSの読み方と意味

TIPSは「ティップス」と読み、主に「助言」「ヒント」「新しい気付き」などの意味合いで用いられる。具体的には、仕事や日常生活における有用な知識やコツ、アドバイスを意味する。

「営業のTIPS」や「プレゼンテーションのTIPS」など、有益なアドバイスを指すニュアンスで用いられることもある。

なお、海外のレストランやサービス業での「チップ」や「心付け」という意味合いで使われることもある。しかし、日本においては「助言」や「コツ」という意味合いで使われるのが一般的だ。

■TIPSの語源

「TIPS」という言葉には複数の語源があり、一つは英語の「tip（先端、ヒント）」という単語が挙げられる。古英語の「typpan（軽く叩く、軽く触れる）」に由来しており、「少しプラスの情報を与える」という意味に発展したと考えられている。

ビジネスシーンで一般的に使われる「役立つアドバイス」としてのTIPSは、英語の「tip」という単語の複数形として広く使用されている。

■TIPSの関連用語

TIPSの関連用語や類似した言葉は、いくつかある。

• ハック （Hack）：効率的に問題を解決するための創造的な方法やテクニック。「仕事効率化ハック」のように使われる
• ノウハウ （Know-how）：特定の分野での実践的な知識や経験に基づいた技術を指す
• ベストプラクティス （Best Practice）：ある領域で最も効果的だと認められている手法や手順を指す
• コツ：日本語での「秘訣」「要領」を意味し、TIPSの日本語訳としてよく使われる
• アドバイス （Advice）：問題解決のための提案や忠告を指す

これらの用語は、場面によって使い分けられる。いずれも「物事をより良く進めるための情報や方法」という意味合いを持っており、日常生活やビジネスシーンで見聞きしたことがある方もいるだろう。

TIPS（ティップス）のビジネスシーンでの使い方

TIPSは営業や業務改善など、ビジネスシーンで用いられることがある。具体的な使い方について、詳しく見ていこう。

■ビジネスシーンの使い方1：営業トークでの活用

営業チームのミーティングで「新規顧客開拓のための効果的なTIPS」「お客様との最初の10秒で信頼関係を構築するTIPS」として、営業成績を上げるためのコツやノウハウを共有する場面で使われることがある。

好事例を挙げながら「どうすれば営業成績を伸ばせるか」を議論する際に、TIPSを共有し、各メンバーの能力向上や啓発を図れる。具体的なテクニックやアドバイスをまとめた情報を共有し、営業トークで活用すれば、チーム全体の成績向上につながるだろう。

■ビジネスシーンの使い方2：業務改善の提案

現在の業務体制を改善する必要性があるとき、ボトムアップで業務改善の提案をする場面があるかもしれない。提案をするときに「業務効率化TIPS」として、日常の仕事の中で発見した効率的な作業方法や時間短縮のコツを社内で共有すれば、理解を得やすくなるだろう。

具体的には、「Excel作業を30%速くするTIPS」や「会議時間を半分に削減するTIPS」など、具体的な改善策をまとめて紹介する場面で活用される。風通しがよく、社員の提案を柔軟に受け入れる土壌の企業であれば、TIPSの提案が受け入れられやすいだろう。

■ビジネスシーンの使い方3：プレゼンテーション資料での見出し

ビジネスプレゼンテーションの資料を作成する際に、「TIPS」という文言を使う場面がある。

「プレゼンを成功させる5つのTIPS」「相手に新しい気づきを与えるための5つのTIPS」「聴衆を惹きつけるためのTIPS」「説得力のあるデータ提示のTIPS」のように用いるケースが代表的だ。

これにより、重要なポイントや実践的なアドバイスをまとめた資料であることをアピールできるだろう。資料の読み手としては「実践的で即効性のある役立つ情報」と認識するため、よりプレゼンの理解が深まるメリットが期待できる。

まとめ

「TIPS」という言葉は、助言やコツという意味を持ちつつ、ビジネスコミュニケーションのツールとして機能している。

ビジネスシーンでは「営業成績向上のTIPS」「業務効率化のTIPS」といった形で、実践知の共有ツールとして活用されるケースが多い。また、プレゼンテーション資料の見出しに配することで、「即効性のある情報」「新しい気づきを得られる情報」であることを伝えられるだろう。

文／柴田　充輝（しばた　みつき）

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。 FP1級と社会保険労務士資格を活かして多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。