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リカバリーウエア、カフェイン50%オフ商品、経済損失15兆円といわれる「睡眠不足」市場に商機

2025.05.09

睡眠関連市場が拡大している。日本人は世界中で最も睡眠が短く、睡眠不足による経済損失は年間約15兆円(2018年厚労省調査)とも試算されている。睡眠不足は個人の問題ではなく社会問題として認識されてきた。

ネスレ日本(兵庫県神戸市)は睡眠に影響を与えるカフェインを50%カット(※1)したレギュラーソリュブルコーヒー「ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインハーフ」を3月1日から全国発売したほか、睡眠に特化して開発したリカバリーウエアのBAKUNEを開発・販売しているTENTIAL(テンシャル:東京都品川区)が、東京証券取引所グロース市場へ新規上場した。ヘルスケアビジネスの中でも特に睡眠を切り口にした新商品やサービスが目立ってきた。

パジャマでより良い睡眠を目指すBAKUNE

TENTIALはコンディショニングの実装をビジョンに掲げ、2月28日に東京証券取引所グロース市場に新規上場した。ヘルスケア市場の拡大と共に順調に売り上げを伸ばし、特に疲労回復パジャマであるリカバリーウエアBAKUNEが大ヒットしている。

BAKUNEは、血行促進による疲労回復に効果があり、寝返りを妨げないデザインのスウェット型パジャマである。2021年に販売開始直後から好調に推移して、現在までに100万セットを突破した。

中西裕太郎CEOは上場に伴う会見で、「社名のTENTIALはポテンシャルから付けた名前です。体が元気でないと、新しいことに取り組むことが難しくなってしまいます。私たちは『いかに健康でいられるか』を目指した会社です。(中略)日本人の4人に一人が健康課題の自覚症状があると言われています。特に日常生活で健康を支えたいという考え方から、今後もリカバリー市場に注力していきます」とあいさつした。

ヘルスケア市場は2020年に約24.3兆円。2050年には約77兆円と試算されている。病気に伴う社会保障給付は2024年に137.8兆円で、対GDP比22.4%を占める国の財政負担ともなっている。TENTIALは遠赤外線の血行促進作用に着目して、身体から発する遠赤外線を輻射するセラミック粉末を配合した特殊繊維SELFLAMEを採用。疲労や筋肉のこり等の改善を目的とした、衣類形状の医療機器「家庭用遠赤外線血行促進用衣」に力を入れて行く。

ネスカフェが提案する「カフェインチョイス」

誰もがコーヒーを日常的に飲んでいると考えられてきたが、実は20~30歳代の若い世代の約4割が、カフェインの摂取量を気にして、コーヒーを飲み控えている現象が見られると言う。ネスレ飲料事業本部中西弘明さんは今春から全国発売した、カフェイン50%オフのレギュラーソリュブルコーヒー「ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインハーフ」に関する発表会で「(コーヒーにおける)カフェインレス市場は直近10年で3倍以上も伸びています」と述べている。

「その背景には、いろいろな理由はあると思いますが、コーヒーに含まれるカフェインを摂取することで、睡眠に影響を与える点を気にして飲まない人は多く、特に若い世代ではカフェインの摂取量を気にする人が特に増えている傾向にあります」(中西さん)

新商品の発売で、ネスレ日本は、朝はカフェインを含むコーヒーを飲み、昼はカフェインハーフ、夜にカフェインレスという新しい『カフェインチョイス』という考えを取り入れたコーヒーの飲み方を提案していく。ネスレ日本は日本初のフリーズドライ製法を採用したり、上質という言葉を生み出すなど、絶えず新しい提案をコーヒー市場に投げかけてきた。「ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインハーフ」はコーヒー離れの若者にも訴求できる、新商品となっている。

豊かな睡眠のためにソーシャル・ジェットラグを防ぐ

大東文化大学スポーツ・健康科学部 健康科学科 福島洋一教授は特にこの春から新生活を送るビジネスパーソンに、「睡眠で大切なポイントはソーシャル・ジェットラグを防ぐことにあり、そのためにコーヒーは有効な手段のひとつ」と教えてくれた。

「睡眠では、平日も休日も同じような起床・就寝の習慣がとても大切です。多くの人は平日の睡眠不足を、休日の寝だめという形で挽回されますが、こうした就寝や起床の時間のズレはソーシャル・ジェットラグと呼ばれ、体の不調の原因のひとつとなります。ジェットラグとは時差ぼけという意味なので、社会的な時差ボケです。ソーシャル・ジェットラグは単に仕事上で集中力が無くなるといった問題だけでなく、病気の原因となるとも考えられています」(福島先生)。

厚生労働省が発表した「Good Sleepガイド(ぐっすりガイド) 」によると、睡眠不足は肥満・メタボリックシンドローム、循環器系疾患である高血圧、心筋梗塞、狭心症、脳卒中や、うつ病などの発症リスクとなるとともに、 仕事の効率も低下させると書かれている。慢性的な睡眠不足にならないような工夫は必須となってきた。

福島先生によると、良質な睡眠のためにコーヒーは役立つと言う。「コーヒーはソーシャル・ジェットラグ対策の一つとして、日常生活のオンとオフに役立ちます。朝のコーヒーはスイッチをオンにしてくれ、活動的な一日のスタートとなりますし、日中に少し眠くなったら、カフェイン入りのコーヒーを飲んでから短時間(15~20分)の昼寝を行う「コーヒーナップ」がおすすめです。カフェインはだいたい30分~1時間程で効果のピークを迎えるので、昼寝からスッキリ目覚めることができるでしょう」。

「さらに日中、仕事をもう少し集中して行いたいと思ったときは、カフェインハーフのコーヒーを飲むと良いでしょう。仕事から帰った夜は、カフェインの摂取はお勧めできないので、カフェインレスのコーヒーでリラックスした時間を過ごすことで、スイッチを上手にオフすることができます」と教えてくれた。飲み方ひとつで、嗜好品としてのコーヒーが、健康のための飲み物にもなる。誰でも試せて身体によいコーヒーの飲み方を、あなたもぜひ日常生活に取り入れてみては?

※1 飲用時、一般的なコーヒー抽出液と比較
※2 厚生労働省Good Sleepガイド成人版

文/柿川鮎子

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