
マネージャーイネーブルメントサービスを提供するEVeMは、全国の管理職・中間管理職1210名を対象に独自調査を実施。その結果報告の中で、業務の多さと共に、人間関係に起因する悩みが深刻であることを明らかにした。
約6割が「業務が増えた」、64%が「業務が多い」と実感
「日々の自分の業務量をどう感じていますか」という質問に対し、業務量が「多い」「非常に多い」と感じている管理職は全体の64%に達したほか、 「以前より自分の業務量が増えた」と感じている人も6割を超えた。 日常的に多忙を極める状況が常態化していることがわかる。
■背景にあるのは“人手不足”と“多様化”
「ご自身の業務量が増えた背景は何だと思われますか」という問いに対し、 業務量が増加した背景に「人手不足」「業務の種類が増えている」「働き方に制約のあるメンバーの増加」といった回答が上位を占め、 構造的かつ人事的な課題が明らかになった。
■改善の光が見えず、約8割が「期待できない」と回答
「今後、業務量が見直されると思うか」という問いに対しては、約8割が「期待できない」「わからない」と回答。 “頑張っても報われない”という空気感が、現場に広がっていることがわかる。
管理職を悩ませているのは“人が育たないこと”
「管理職としてのお悩みは何か」という 自由回答において、「部下がなかなか育たない」「部下との人間関係」など、人にまつわる悩みが多数を占めた。
現代のマネジメントは、ただの“指示出し”ではなく、“信頼関係の構築”が不可欠であるにもかかわらず、時間も仕組みも不足しているという声が寄せられている。
■“人間関係” “部下の育成” “苦情対応”、自由記述から見える現実
「管理職としてこれまでに最も大変なこと・大変だったことはなんですか」という問いに対し、以下のような回答があった。(自由記述)
・部下の仕事が遅くこちらの指示が悪いのかと悩んだこと(男性38歳)
・スタッフのモチベーションをアップすること(女性45歳)
・業務量が増大しているのに、人手不足で十分なシフトが組めない(男性54歳)
・上層部と部下の意見の板挟みにあうこと。解決策がなかなか見つからずに苦労した(男性33歳)
・育児休業をとる社員が増えたこと。それに対し目標はへらされないこと(男性56歳)
さらに、自由記述をもとにしたテキストマイニングでは、「人材育成」「人間関係」「部下の育成」「トラブル処理」など、人間関係の負荷に関するキーワードが多数抽出された。
人との関係性に悩む管理職が、孤独を抱えながら日々の業務と向き合っている実態が見えてくる
■管理職が本当に求めているのは「育成への投資」と「属人性からの脱却」
「自身の所属する組織(会社など)に望むことは何でしょうか」という問いに対して「報酬アップ」に加え、「業務量の適正化」「人材への投資」が上位にランクイン。 現場は“頑張る個人”ではなく、“育成と信頼が仕組みで回る組織”への転換を求めているようだ。
調査概要
調査期間/2025年3月21日(金)~2025年3月28日(金)
調査対象/全国の管理職および中間管理職(係長・主任クラス含む)
調査方法/インターネットリサーチ
回答数/1210人
調査機関/EVeM
関連情報
https://www.evem-management.com/
構成/清水眞希