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雇用保険の「資格喪失届」とは何か?申請書の書き方と提出方法

2025.06.10

従業員が退職した際に企業が行うべき「雇用保険被保険者資格喪失届」の手続きについて、その記入方法から必要書類、提出方法に至るまでを網羅的に解説する。

「雇用保険被保険者資格喪失届」は、従業員が雇用保険の被保険者でなくなった際、企業が行うべき手続きだ。退職者のその後の失業給付手続きなどにも関わるため、スムーズかつ正確に行う必要がある。企業の担当者は、手続きの流れや書類の作成方法について事前に把握しておけると安心だ。

本記事では、書類の入手方法、記入の仕方、添付書類、そしてスムーズな提出方法と期限など、この一記事で必要な情報を網羅的に解説する。正確かつ迅速な手続きに役立てて欲しい。

雇用保険の資格喪失届とは?

まずは、雇用保険被保険者資格喪失届が必要となる理由と、具体的にどのような場面で提出が求められるのかを見ていこう。

■雇用主に提出義務がある書類

雇用保険被保険者資格喪失届は、雇用保険に加入していた労働者が被保険者でなくなった事実を、ハローワークに報告するための書類。従業員が退職により雇用保険の被保険者資格を失った場合、事業主は速やかにこの資格喪失届を作成し、所定の期限内にハローワークへ提出する義務を負う。

これは、雇用保険制度の適正な運営と、退職した従業員が失業給付などの給付金を受け取るための基礎となる手続きで、対象となる労働者本人ではなく、雇用していた事業主に課せられた責任となる。企業の労務担当者や人事担当者は、雇用保険の資格喪失事由が発生した際は、正確な資格喪失の手続きを行わなければならない。

■「雇用保険被保険者資格喪失届」が必要なシーン

雇用保険被保険者資格喪失届は、単なる退職時だけでなく、雇用関係や労働条件の変更によって雇用保険の適用から外れるさまざまな状況において、事業主に提出義務が生じる書類だ。

例えば、雇用保険の加入要件を満たさなくなった場合。具体的には、従業員の週の所定労働時間が継続的に20時間未満となる際、雇用保険の対象外となるため資格喪失届の提出が求められる。

また、従業員が死亡した際にも、資格喪失届の提出が必要。さらに、従業員が昇進や転籍などにより法人の役員に就任した場合、原則として雇用保険の被保険者資格を喪失するため、同様に手続きをしなければならない。加えて、従業員が他の会社へ出向する場合、出向元との雇用関係を持ったまま出向先で働く在籍出向の場合には、出向元で資格喪失の手続きが必要となる。

「雇用保険被保険者資格喪失届」の作成方法

雇用保険被保険者資格喪失届の入手方法や書き方などを具体的に確認する。

■「雇用保険被保険者資格喪失届」の様式と入手方法

雇用保険被保険者資格喪失届の様式を入手する方法は主に二つある。一つは、管轄のハローワークの窓口で直接受け取る方法。より手軽な方法として、ハローワークの公式ホームページからPDF形式の申請書をダウンロードする方法もある。ホームページでは、様式のみを印刷することも、画面上で必要事項を入力してから印刷することも可能だ。

オンラインで入力する際は、指示された文字種(全角・半角)を守り、個人番号は印刷後に手書きで記入する必要がある。

また、印刷する際には以下のような点に注意しよう。

・必ずA4サイズ、白さは68%程度以上の白色用紙を使用する

・印刷倍率は100%(等倍)に設定する

・第1面と第2面両方を印刷する(両面印刷、片面印刷は問わない)

・ハローワークではOCR(光学式文字読取装置)による読み取りが行われるため、読み取りの基準となる3箇所の黒いマーク(■)が欠損したり、かすれたりしていないかを確認

・文字や枠線が二重になったり、かすれたりしている場合も、受理されない可能性があるため、印刷後の仕上がりを丁寧に確認する

■各項目の具体的な書き方と注意点

雇用保険被保険者資格喪失届の各項目を正確に記入しないと、スムーズな手続きができない。各項目にどのような内容を書くのか、注意点とともに見ていこう。

出典:雇用保険被保険者資格喪失届|ハローワークインターネットサービス

1.個人番号

退職者のマイナンバーを記載する。利用目的を本人に伝え、番号確認と身元確認を確実に行う。オンライン入力後も、この欄は手書きでの記入が必要。

2.被保険者番号

雇用保険被保険者証に記載された番号を記入。1981年7月6日以前の旧番号の場合は下10桁のみを記入し、残りは空欄にする。

3.事業所番号

自社の番号を記入する。

4.資格取得年月日

退職者本人が雇用保険に加入した年月日を記入する。

5.離職等年月日

原則として最終就労日を記載するが、長期欠勤の場合は労働者として拘束されていた最後の日、死亡の場合は死亡年月日を記入。

6.喪失原因

死亡、在籍出向、出向元への復帰は「1」を記入。自己都合退職や定年退職、契約期間満了、懲戒解雇、取締役への就任、就労形態の変更などは「2」、事業主都合による離職は「3」を選択する。

7.離職票交付希望

本人が希望する場合や離職日現在の年齢が59歳以上の場合は「1」を、希望しない場合は「2」を選択。

8.1週間の所定労働時間

離職日時点の労働時間を記入する。

9.補充採用予定の有無

採用予定があれば「1」を記入。

10.新氏名

雇用保険被保険者証の氏名から変更があった場合のみ新しい氏名を記入し、変更前の氏名と変更年月日をそれぞれ20と25欄に別途記載する。

14〜19の欄

外国人労働者の場合に記入する。

20〜25の欄

被保険者の氏名や住所などの基本情報を記載する。

26.被保険者でなくなったことの原因

離職理由を具体的に記載。自己都合退職の場合は「本人からの申し出」、会社都合の場合は具体的な理由を明記する。契約期間満了の場合は契約期間を限った理由を詳細に記入することが求められる。離職理由は失業給付の受給資格や給付日数に影響するため、正確な記載が必要だ。

「雇用保険被保険者資格喪失届」提出時に必要な添付書類

雇用保険被保険者資格喪失届を提出する際は、いくつかの書類を用意する必要がある。必要となる添付書類は離職票の有無で異なるため、以下を確認してほしい。

■離職票を交付しない場合

離職票を交付しない場合は、以下の書類が必要だ。

・労働者名簿(資格喪失の事実や離職年月日、離職理由などを確認するため。死亡による離職の場合は死亡年月日とその原因も記載が求められる)

・出勤簿またはタイムカード(退職日の確認ができる書類として必要)

・賃金台帳または給与明細

・離職理由が確認できる書類

※離職理由によって必要な書類は異なる。

例)

自己都合退職:退職届

解雇:解雇予告通知書

定年退職:就業規則

契約期間満了による退職:雇用契約書など

■離職票を交付する場合

退職した従業員へ離職票を交付する必要がある場合、離職票を交付しない場合で挙げた添付書類に加え、「辞令及び他の社会保険の届出の控え」と「雇用保険被保険者離職証明書」の提出が必須となる。

離職証明書は、従業員が失業給付を申請する際に重要な書類だ。また、退職者の年齢が離職日時点で59歳以上の場合は、離職票の交付の有無に関わらず、原則として離職証明書の提出が求められる。

「雇用保険被保険者資格喪失届」の提出方法と提出期限

書類作成後、ハローワークへ提出する方法について見ていく。雇用保険被保険者資格喪失届は提出期限も重要となるため、いつまでに提出する必要があるのかもしっかりと把握しておこう。

■提出方法は窓口・郵送・電子の3つ

雇用保険被保険者資格喪失届の提出方法は、事業所の状況や利便性に合わせて、窓口への持参、郵送、そして電子申請の3つから選択できる。

ハローワークの窓口に提出する

ハローワークの窓口に直接提出する場合、その場で書類の確認を受けられ、不備があればすぐに修正が可能。離職票の交付を希望する際は、通常、同時に離職証明書を提出し、確認後、退職者へ渡すための離職票を受け取る。

郵送で提出する

郵送で提出する際は、マイナンバーを含むため、特定記録や簡易書留など、配達状況が追跡できる方法で管轄のハローワークへ送付する必要がある。また、ハローワークから離職票が郵送されるため、返送先の住所と希望する郵送方法(特定記録や書留など)、必要な料金分の切手を貼付した返信用封筒を同封しなければならない。

電子申請を利用する

電子申請を利用する場合は、政府の運営するオンラインポータルサイト「e-Gov」を通じて手続きを行う。電子証明書の準備や添付書類のPDFファイル化が必要となるが、自宅やオフィスから手軽に申請できるため便利。離職票の交付の有無にかかわらず電子申請が可能で、申請後は関連書類が電子公文書として交付される。

参照:厚生労働省 雇用保険被保険者資格喪失届 電子申請手順

■「雇用保険被保険者資格喪失届」の提出期限

雇用保険被保険者資格喪失届の提出期限は、従業員が雇用保険の被保険者資格を喪失した日の翌日から起算して10日以内と定められている。

例えば、従業員が退職した場合、退職日の翌日が資格喪失日となり、そこから10日以内が提出期限となる。

「雇用保険被保険者資格喪失届」についてよくある質問

最後に、雇用保険被保険者資格喪失届についてよくある質問と回答を確認する。

■提出が10日過ぎた場合はどうなる?

10日を過ぎての提出でも受理されるが、離職票の交付が遅れ、退職した従業員がスムーズに失業給付などの給付金を受け取れなくなる。また、新しい職場での雇用保険の資格取得手続きに影響が出るなどの事態につながるため、期限は遵守しよう。

なお、事業主が正当な理由なく期日以内に届出を行わなかった場合や虚偽の申告をした場合、従業員が給付を受けられなくなるだけでなく、事業主自身も雇用保険法に基づき、処罰の対象となる可能性がある。資格喪失の手続きは迅速かつ正確に行ってほしい。

■雇用保険被保険者資格喪失届はどこでもらう?

ハローワークの窓口で受け取る方法とハローワークの公式ホームページからPDF形式の申請書をダウンロードする方法の2つから選択できる。

■離職票なしでも「雇用保険被保険者資格喪失届」提出が必要?

離職票の交付有無に関わらず、従業員が雇用保険の被保険者でなくなる場合は、雇用保険被保険者資格喪失届の提出が必要となる。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文/編集部

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