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Excel 2021で新たに登場した「LET関数」の役割と基本的な使い方

2025.05.30

Excelの比較的新しい関数「LET」は、数式内で値に名前をつけて使い回せる便利な機能。数式をシンプルに整理でき、作業効率や可読性が大幅に向上。売上集計や税計算、予算管理にも効果を発揮するので覚えておいて損はない。

Excelの新関数「LET」を使えば、複雑な数式もシンプルに整理できる。計算の繰り返しや長すぎる式をすっきりとまとめ、作業効率を大幅にアップさせることができる。

この記事では、LET関数の基本的な使い方と実務で役立つ活用方法を紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。

LET関数とは

LET関数は、Excelの数式の中で「名前をつけて値を使いまわす」ことができる新しい関数。何度も同じ計算を繰り返したり、長い式で読みにくくなるのを防げる。Microsoft 365 や Excel 2021以降で利用できる。

■LET関数の概要

LET関数は、「この値を●●という名前で使う」と定義して、それを数式の中で何度でも使えるようにする関数。プログラミングでいう“変数”のような役割を持つ。例えば、以下のような数式を考えてみる。

数式

この場合、xには10、yには20が入っていて、最後の「x + y」の部分で30が返る。

今までのExcelでは、同じ計算を何度も書く必要があったが、LET関数を使えば一度定義して使い回せるようになる。

■LET関数を使用するメリット

  • 同じ値や計算を何度も書かずに済む
  • 数式が短く、読みやすくなる
  • 複雑なロジックを整理しやすくなる
  • 間違いが起きにくくなり、修正もラクになる
  • 名前をつけられるから、数式の意味がひと目で分かる

特に、複雑な売上計算や予算管理など、長い数式を使うシーンで効果を発揮する。関数の中にルールを整理して書けるようになるため、作業効率もアップする。

 LET関数の使い方

LET関数を使いこなせば、複雑になりがちな数式をスッキリ整理できるようになる。まずは構文を理解し、シンプルな例から試してみよう。

■ LET関数の構文

LET関数の基本構文は以下の通り。

=LET(名前1, 値1, 名前2, 値2, …, 計算式)

名前:定義したい変数の名前(自由に設定可能)

名前

値:その変数に代入する値や計算式

値

計算式:最後に実行したい処理

計算式

名前と値のセットは最大126個まで設定可能。最後の計算式の部分だけが「結果」としてセルに表示される。

■ LET関数の基本的な使い方

例えば、商品Aの単価が100円、個数が5個だったとき、合計金額を求める数式は以下のようになる。

=LET(price, 100, qty, 5, price * qty)

  • price に 100 を代入
  • qty に 5 を代入
  • 最後に price * qty を実行 
  •  結果は 500

同じような計算を複数のセルで使いたいときや、複雑なロジックの途中で共通する値がある場合にとても便利。

LET関数の実務での活用方法

LET関数を使えば、実務でありがちな売上集計や税計算、予算管理の場面でも、大きな効果を発揮する。いくつか活用方法を紹介する。

■ 売上データの集計を効率化する方法

複数の項目を掛け合わせて売上を計算するとき、同じ数値を何度も参照すると数式が長くなる。例えば「単価 × 数量 × 税率」のような計算を行う場合、LET関数で値をまとめておくと見やすくなる。

例えば、商品を「単価:1,200円」「数量:3個」「消費税:10%」で販売したとする。これを税込売上として計算する場合、以下のようにLET関数で整理できる。

=LET( price,1200,qty, 3,tax,1.1,price * qty * tax)

この式では、「1,200 × 3 × 1.1」で税込売上が 3,960円となる。同じような計算を大量のデータに使いたい場合にも、変数で分けておくと分かりやすく、修正も簡単にできる。

■ 複雑な税計算を簡略化する

例えば、金額が2,500円の商品に、「軽減税率(8%)」か「標準税率(10%)」のどちらかを使うケースを考える。

=LET(amount, 2500,taxRate, IF(“軽減”=”軽減”, 0.08, 0.10),amount * taxRate)

この例では、「軽減」という条件に当てはまるので、税率は0.08(8%)が選ばれ、計算結果は2,500 × 0.08 = 200円となる。

条件を変えたければ、”軽減”の部分を”標準”にするだけで変えることができる。

■ 定数を使った予算管理を自動化する

ある作業の基準コストが1,200円で、15%の割増しを加えるケースを考えてみる。

=LET(基準コスト,1200,割増率,1.15,基準コスト * 割増率)

結果は 1,200 × 1.15 = 1,380円。

「基準コスト」や「割増率」に名前をつけておけば、あとで簡単に値を変更することができ、何の計算かもひと目で分かる。

まとめ

LET関数は、Excelの数式の中で「名前をつけて値を使いまわせる」便利な関数。複雑な計算式をシンプルにし、作業の効率化やミスの防止に役立つ。

LET関数のポイント

  • 同じ値や計算を何度も書く必要がない
  • 数式が短くなり、見やすくなる
  • 名前をつけられるから、数式の意味がわかりやすくなる
  • 変更や修正もカンタンにできる

実務での活用例

  • 売上や税込金額の計算をスッキリ整理
  • 軽減税率や標準税率などの条件分岐も対応しやすい
  • 予算や定数をまとめて管理することで、再利用や変更もスムーズ

Excel 2021以降やMicrosoft 365を使っているなら、LET関数を使わない手はない。「長くて見づらい数式」に悩んでいる人は、まずは簡単な計算から試してみよう。

構成/編集部

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