
今回発表した主な最新プロダクトおよびビジネスアップデートは以下のとおり。
PayPayの決済機能を導入
Stripeに登録者数6800万人を誇る日本最大のコード決済サービスPayPayのオンライン決済が加わった。PayPayは、Stripeに初めて導入される日本発のコード決済となる。
<4営業日で入金を完了>
通常翌月末入金の業界平均と比べて入金サイクルが早く、キャッシュフローを改善。Stripe上で決済が可能な他の決済手段と同一スケジュールとなる。
<スムーズな決済と顧客体験で途中離脱を軽減>
決済時のウェブブラウザ起動や PayPay からのリダイレクトも円滑で、途中離脱を軽減できる。特にモバイルでの決済に最適化されている。
<モバイルアプリ・ウェブなど様々な環境に対応>
開発に関わるエンジニアリングチームの工数を削減する。
<ブラウザのプライバシー設定対応>
クッキーに依存しない高度なセッション管理技術により、ブラウザのプライバシーモードやアプリ内ブラウザでも安定した決済体験の提供が可能だ。
PayPay株式会社 執行役員 笠川 剛史氏は、今回のサービス開始について次のように述べている。
「世界中で多くのオンライン決済導入実績を持つStripeとのパートナーシップを実現することを心待ちにしていました。Stripeユーザーに向けてPayPayオンライン決済という新たな選択肢をご利用いただくことで、安心・安全で快適な決済体験を提供していきます。PayPayであれば、クレジットカードを持たない若年層の利用も促進が可能です。ぜひこの機会にPayPayオンライン決済の導入をご検討ください」
DeNA PayがStripeを決済パートナーとして採用
DeNA Pay は、DeNAアカウントの保有者が事前にチャージした金額内で、対応サービスの支払いが可能な、第三者型の前払い式決済だ。横浜スタジアムでの野球観戦を便利にする公式アプリ「BAYSTARS STAR GUIDE」、公式リセールサービス「ベイチケリセール」などに対応している。
DeNA Pay 専用のバーチャルプリペイドカード「DeNA Pay カード」をスマートフォン等のウォレットアプリに追加することで、全国の Visa タッチ決済・iD に対応した加盟店でも利用が可能になる。
カード分割払いの提供を開始
Stripe はクレジットカード決済における分割払い機能の提供も開始した。
キャッシュレス決済の浸透や法人分野への利用領域拡大を背景に、クレジットカード市場は伸び続けており、2028年度の市場規模は約158兆円と予測されている(※)。
※ 出典:日本クレジット協会
その中でも利用代金を複数回に分けて支払う分割払いは、支払いの負担を軽減する人気の決済方法。しかし、従来の分割払いの場合、月末入金が通常で、遅い場合は数か月後となる場合もあり、入金のタイミングが把握しづらく、導入にあたってのハードルとなる場合もあった。
これに対してStripe が提供する分割払いは、クレジットカード入金と同様に、4営業日での入金が可能。全額での売上入金が可能となるため、キャッシュフローの改善につながる。追加の決済手数料率は発生せず、大きな導入作業も発生しない。
■3Dセキュア (EMV-3D セキュア) と不正利用対策の強化
クレジットカードの不正利用被害額は 2024年に555億円を超えた(※)。被害は増大している中、オンライン事業者の不正対策を定めた「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が更新され、3Dセキュア2.0導入が必須化。
※出典:警察庁
一方、導入後に厳しい不正対策を行うことで、問題のない利用者も誤ってブロックしてしまい、決済成功率が下がり、売上に影響が出てしまっている企業が増加している傾向にある。
Stripeの不正対策では、AIを活用した自社開発の認証エンジンが、3Dセキュアの適用を自動で判断する。
この高度なエンジンが、3Dセキュアに対して常に最新の除外ルールを反映しており、ユーザー自身で対応する必要はない。
また、Stripeでは 3D セキュアとともに不正対策ツール Stripe Radar と決済ソリューションをワンプラットフォームで提供している。
Stripe Radarは、カードの種類や利用国、デバイス、行動などの数百を超えるシグナルを活用しながら、機械学習によるリスク判定を行なうことで高精度での不正検知を実現している。このアプローチにより、売上を落とすことなく最適なバランスを適用することができる。
■日本初ネットワークトークンをサポート
Stripe は、日本初となるネットワークトークンのサポートを開始した。
クレジットカードの不正利用が増加する中、クレジットカード情報を保持することはリスクとして考えられる。実際、不正利用のうち、92.5% がカード番号の盗用といわれている。
情報漏洩の頻度は高まってきており、警察庁の調べによると、過去5年間で国内の約40のEC サイトが不正アクサセスにより、カード番号を含んだ個人情報の流出被害を受けているという。
そこで、注目されているのが、次世代の決済認証技術のネットワークトークンだ。
ネットワークトークンは、現在よく使われているクレジットカードなどにある番号の代わりとなる決済認証情報を指す。クレジットカードの紛失や期限切れなどの際に、ネットワークが自動的にトークンを更新するため、顧客が手動で情報を入力する必要がない。
また、支払い情報を常に最新の状態に維持でき、安定したと高速処理により機会ロスを軽減することができる。さらに、顧客情報は暗号化するため、情報管理リスクがないなどのメリットがある。
構成/清水眞希