
リモートワークからオフィス出社の比率を上げている会社も増えているが、その時に気になるのが職場でのランチの金額だろう。リクルートの外食市場に関する調査・研究機関『ホットペッパーグルメ外食総研』は、職業が「公務員」、「経営者・役員」、「会社員」、「自営業」、「自由業」を有識者として、彼らを対象にして首都圏・関西圏・東海圏の平日ランチについてアンケート調査を実施して発表した。
平日のランチは「自炊」が5年連続で最多
有職者の平日ランチ、食べ方の1位は5年連続で「自炊、または家族等が作った食事」(31.1%)だった。同率2位は、「自分、または家族などが作った弁当」(昨年3位)と「小売店や飲食店で購入した食事」(同2位)で20.7%、続いて4位「社食、学食」(8.5%)、5位「外食店内での食事」(7.7%)という結果だった。
2023年5月に新型コロナウイルスが5類に移行して以来、順位や回答割合の変動は少なく、「自分、または家族などが作った弁当」の比率が前年からやや増加しているが、前年からの順位上昇は物価高における節約志向の影響もありそうだ。性年代別では、「自分、または家族などが作った弁当」では20代~40代女性と60代女性、「外食店内での食事」では50~60代男性がほかの性年代より高かった。
ランチ予算の全体平均は485円で過去最高額を記録
平日ランチの形態別の予算の全体平均は485円で上昇率は7.3%だった。これは3年連続で過去最高額を更新している。もっとも高かったのは「出前、デリバリーしたもの」で平均1418円(前年1368円)、次いで「外食店内での食事」が平均1250円(前年1243円)で、ともに5年連続で増額だった。もっとも安い「自炊、または家族が作った食事・弁当」の平均432円(前年392円)も含めて、すべての食べ方で前年より増額している。
1年前と比較してすべて「増えた」と「やや増えた」の回答者の割合の合計値の数値でみると、ランチの食べ方で増えているものに関しては「自炊、または家族などが作った食事・弁当」(17.5%)が調査開始以来6年連続で最多だったが、選択肢の食べ方のほとんどは前年より割合が減少している。
唯一、外食の「小売店でその場でイートイン」の割合だけは前年と変化がなかった。性年代別に見ると、「自炊、または家族などが作った食事・弁当」の頻度が「増えた」回答者の割合は、他の性年代に比べて20代、30代女性で高かった。
20代男性では、多くの食べ方について頻度が「増えた」割合が、他の性年代よりも高かったようだ。特に20代男性において「外食店内での食事」が「増えた」割合が昨年の13.7%から今年の17.4%と増加している。
働き方の変化で「ひとりランチ」が増加傾向
平日ランチの形態別の予算についての質問では、全体平均は485円で3年連続して過去最高額を更新している。上昇率は7.3%と最近の消費者物価の前年比(2025年2月上昇率3.0%:総務省発表、生鮮食品を除く)を大きく上回っていた。
もっとも高かったのは「出前、デリバリーしたもの」で平均1418円(前年1368円)だった。次いで「外食店内での食事」が平均1250円(前年1243円)でともに5年連続の増額だった。ほかの食べ方に関して、もっとも安い「自炊、または家族などが作った食事・弁当」の平均432円(前年392円)などすべての食べ方で前年より増額している。
もっとも安い「自炊、または家族などが作った食事・弁当」の上昇率は10%を超えており、単価の高い「出前、デリバリーしたもの」、「外食店内での食事」などに比較して、高い上昇率となった。
性年代別では、「出前、デリバリーしたもの」では30代男性と50代女性(1584円)、30代女性(1580円)の単価が高く、「外食店内の食事」では40代女性(1409円)の単価がほかの性年代よりも高かった。
働き方の変化によるランチへの影響は、テレワークの普及・常態化による「ひとりでランチを食べることが増えた」(26.4%)、コロナ禍前の働き方に戻ったことに伴う「決まった時間にランチを食べるようになった」(21.3%)、人手不足や時短・効率化要因による「ひとりでランチを食べることが増えた」(17.9%)などがあった。
さまざまな要因で「ひとりランチ」の増加がみてとれる。性年代でいえば、働き方の変化によるランチへの影響について20代男女は多くの食べ方で「増えた」とする割合が他の性年代より高かった。コロナ禍後の働き方の変化は、平日ランチの食べ方でほかの性年代よりも若年層への影響が大きそうだ。
働き方の変化に伴い、「ひとりランチ」が増加傾向か
働き方の変化によって1年前と比較してランチの食べ方に変化があったかという質問で、もっとも割合の高かった回答は、テレワークの普及・常態化による「ひとりでランチを食べることが増えた」で26.4%だった。
次いでコロナ禍前の働き方に戻ったことに伴う「決まった時間にランチを食べるようになった」で21.3%。3番目に人手不足や時短・効率化要因による「ひとりでランチを食べることが増えた」で17.9%だった。
「ひとりランチ」増加は、働き方の異なる人が仕事先に増えたためとする回答もあって14.0%に達した。この数値はすべて「あてはまる」と「ややあてはまる」の回答者の割合の合計値ではあるが、3つの要因で「ひとりランチ」はどれも前年より増加傾向で世の中では「ひとりランチ」が増加していることがわかる。
性年代別では、ほかの性年代に比較して多くの食べ方で20代男女の「増えた」とする回答割合が高かった。コロナ禍後の働き方の変化は、平日ランチの食べ方については若年層への影響が大きいと言えそうだ。
構成/KUMU