
4月の初旬、新年度が始まったばかりにもかかわらず、退職代行サービスに新入社員からの依頼が殺到しているというニュースが波紋を呼んだ。このように近年話題を呼び、度々議論を巻き起こしている退職代行サービスだが、同サービスについて、20代と50代のビジネスパーソンはそれぞれどのような意見を持っているのだろうか?
Beatrustはこのほど、会社員1,000人を対象に「退職代行」に関する意識調査を実施し、そのランキングデータを公開した。
退職代行についての考え、1位は「退職代行が必要ない職場環境が理想」
「退職代行をどう思うか」について尋ねたところ、1位は「退職代行が必要ない職場環境が理想」となった。退職代行サービスの是非を問う前に、企業の対応や職場環境に課題があると考えている人が多いようだ。次いで2位「会社の対応が悪い場合は仕方ないと思う」、3位「職場とのトラブルを避けられるのが良い」となり、退職時のトラブル回避の手段として一定のニーズがあることを示していた。
一方で、4位「他人に頼るのは抵抗がある」、5位「最後まで自分で責任を持つべき」という意見も多く、退職の意思は自分で伝えるべきという考えも根強いようだ。
20代と50代のランキングデータを比較すると、退職代行に対する世代間の価値観の違いが浮き彫りとなる。
20代では「退職代行が必要ない職場環境が理想だ」が最も多く選ばれているが、同時に「職場とのトラブルを避けられるのが良い」や「便利だと思う(退職がスムーズになる)」といった項目が上位に入り、退職代行を前向きに捉える傾向が見られる。これは、若年層が円滑な退職を重視し、必要に応じて退職代行を選択肢として考えていることを示していると考えられる。
他方、50代では「最後まで自分で責任を持つべきだと思う」が1位となり、「他人に頼るのは抵抗がある」も5位に入るなど、自らの責任で退職を進めるべきだという意識が強いことがわかる。また、「退職代行を利用するのは社会人としてどうかと思う」が7位に入っており、退職代行の利用に対する否定的な見方が20代よりも顕著だ。
また、「高額な料金設定が気になる」は両世代で共通して10位以内に入っており、コスト面への関心は世代を問わず強いことがわかる。
総じて、20代は退職代行を柔軟に活用する意向が見られる一方、50代は自らの責任で退職することを重視する傾向があるといえる。この違いは、社会経験やキャリア観の違いに起因していると考えられる。
<調査概要>
調査対象: 全国の会社員1,000人(22~59歳)
調査方法: インターネット調査
調査期間: 2025年2月6日
出典元:ビートラスト株式会社
構成/こじへい