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夏場の利益は捨てた!?山形のソウルフード「あじまん」が冬季限定営業でも成長を続ける理由

2025.04.20

夏を捨て、パートの給料を上げる…思い切った企業再構築

あじまんの始まりは、現社長・佐藤友紀さんの両親がスーパーを経営していた際、行商のおばさんが売りに来た北海道十勝産小豆との出会いにある。

その小豆で作った自家製あんこを使い、買い物客のちょっとした手土産になるようなおやつを提供したいということから、大判焼きを販売。次第に評判となり、昭和55年から「味が自慢のまんじゅう」との思いを込め『あじまん』と名付け、チェーン展開を始めたという。

先代の思いを受け継ぎ、現在は東北・関東・九州各地において約250店舗を展開。広く知れ渡る存在になったわけだが、かつて現社長はこう語っていた。

『うちは夏場が苦手というよりも冬場が得意。長所を伸ばすために夏は捨てることにした』

今回、その真意を伺った。

「2000年の冬シーズン業績が芳しくないと感じたことがきっかけです。このまま進めば年間業績で初めて赤字になる危険性があったんです。そこで思い切ったリストラクチャリング(企業の再構築)の必要性を感じ、①採算の合わない夏期営業を止め冬期営業に特化(それまでは店舗の半数程度夏期営業を実施)、②店舗社員(あじまんレディ)の給料を大幅に上げる、③間接コストである本部固定費を50%削減を決めました」

2000年頃までは、あじまんに匹敵する夏の商品を開発すべく、アイスやクレープなど様々な商品を生み出してきた。

しかし、ヒット商品に恵まれず、売り上げも期待できるほどではなかった。そこで経営方針をがらりと変えることに。『苦手なものを克服するより、自信のあるものをさらに磨きをかけて提供する』。だから、あじまんには他の大判焼きとは一味違う美味さがある。

「自家製つぶあんには北海道十勝産小豆100%使用し、無添加で甘さも超控えめに仕上げております。皮も、もっちりとした超うす皮で十勝産小豆の風味を生かす為、生地には殆ど甘味をつけておりません。冷めても固くなりにくい点が大きな特長です」

60年間変わらぬ作り方とギッシリ詰まった自家製つぶあん。全ての店舗で出来立て実演販売することで、美味しさはダイレクトに伝わる。だから、売れる。

「一日の最高売り上げは約2500万円。あじまんの販売個数は、1シーズンで1200万個ほど。1日最高販売個数は約15万個になります」

夏を捨て、あじまんに心血を注いだ冬期限定経営。ある意味ギャンブルとも思える手段に見えるが、それでも企業として飛躍し成長していくための秘訣がある。

「一つは、大判焼(今川焼)という極小マーケットに特化し、極小マーケットでナンバーワンを目指していること。また、これは大げさかもしれませんが、人間の本能として大判焼(今川焼)が最も欲せられるであろう冬期に限定して営業を行っていることでしょうか」

「今後も、現場の第一線である店舗における根本思想「あじまん3原則 良い店・良い商品・良い接客」を磨き続けていきたいと思っております」

最後に改めて伺った。

これからも、夏に向けた商品は販売されないのか?密かに胸に秘めているアイデアがあればこっそり教えて欲しいのだが、

「私が経営をしている間は「夏期商品」に目を向ける可能性は低いです。申し訳ありません笑」(佐藤社長)

取材協力
株式会社あじまん
あじまん公式X
あじまん公式インスタグラム

文/太田ポーシャ

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