小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

話題の「ホワイトハラスメント」とは?部下のやる気を奪う〝優しい上司〟の特徴

2025.10.05

部下の成長の機会を奪うパワハラの一種として、「ホワイトハラスメント」という言葉が話題になっている。本記事では、ホワイトハラスメントの概要と共に、職場で起こり得るさまざまなハラスメントについても紹介する。

ホワイトハラスメントという言葉を耳にしたことがあるだろうか。ホワイトな環境、つまり残業や休日出勤の強要など過酷なことは課せられないのだが、逆にそれがハラスメントになる。一見すると、何とも不思議な言葉だ。なぜ、ホワイトなのにハラスメントなのだろう。

この記事では、ホワイトハラスメントとはどんなハラスメントなのか、その意味や具体例について詳しく解説する。また、ビジネスシーンで起こり得るその他のハラスメントに関しても最新の情報を紹介する。

ホワイトハラスメントとは部下の成長機会を奪うハラスメント

ホワイトハラスメント、通称「ホワハラ」は、上司が部下の負担を軽減させようと気を遣い、仕事を与えずに部下の成長機会を奪うことを指す。また、ミスの指摘を控えることもホワイトハラスメントとされる可能性がある。

まずは、ホワイトハラスメントとはどんなハラスメントか、具体例なども紹介しながら概要を詳しく解説する。

■ホワイトハラスメントの具体例

ホワイトハラスメントは、例えば次のような言動を指す。

  • 「あとは自分がするから」と、部下に残業をさせない
  • 難しい、負担になるからと、簡単な業務しか与えない
  • 聞くのも大変だろうと配慮し、携わっている企画の会議に参加させない
  • 上司の仕事を手伝わせられないと思い、部下の手伝いの申し出を断る
  • 部下が頑張り過ぎないようにと、必要以上に仕事を手伝う
  • 休日開催の運動会や社員旅行などに参加しなくていいと言う
  • 傷付けるかもしれないと気を遣い、ミスや遅刻の指摘・指導をしない

これらは上司としては部下や後輩を思うが故の行動なのだが、部下たちもそう受け取っているとは限らない。こうした言動が繰り返されることで、場合によっては「仕事をさせてもらえない」「自分の力を発揮できない」と、精神的なストレスを感じる可能性がある。

その結果、「適切に指導してもらえない」「自身の成長が上司によって妨げられている」と認識してしまい、上司からハラスメントを受けていると感じてしまう。

■ホワイトハラスメントが話題になった経緯

ホワイトハラスメントは、比較的新しく認知されるようになった言葉だ。話題の火付け役となったのは、2024年に放送されたドラマ『9ボーダー』。主人公が部下に「残業しなくていい」と声を掛け、部下が「ホワイトハラスメントだ」と発言する。

聞き慣れない言葉と、優しさからきた主人公の行動がまさかのハラスメントとされたことで視聴者が驚き、ネットを中心に話題となった。

ホワイトハラスメントはパワハラの一種

ホワイトハラスメントは、その名称や発生する経緯を考慮するとパワハラの対極にあるような印象も受けるが、実はパワハラの一種に該当する。改めてパワハラの定義を確認し、なぜホワイトハラスメントがパワハラに当たるのかを解説する。

■パワーハラスメントの定義

パワーハラスメント、特に職場におけるパワハラは次の三点を満たすものとされている。

① 優越的な関係を背景として行われること 

②業務上必要かつ相当な範囲を超えたこと

③身体的もしくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害すること

①は、上司と部下や先輩と後輩、同僚の間における業務経験の有無など、職務上の地位が上位の者による行為であることを指す。

②は、業務上明らかに必要性がない言動や業務の目的を大きく逸脱している言動などを指す。ハラスメントが疑われる言動の経緯や頻度、継続性や受けた側の言動などさまざまな要素を考慮して判断する。

③は、その言動による身体的または精神的苦痛の為に、就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指す。

参照:厚生労働省 パワーハラスメントの定義について

■ホワイトハラスメントはパワハラの「過少な要求」に該当する

パワーハラスメントと一口にいっても、その内容はさまざまだ。よって、パワハラは以下の六つに分類されている。

① 身体的な攻撃

②精神的な攻撃

③人間関係からの切り離し

④ 過大な要求

⑤過小な要求

⑥ 個の侵害

参照:厚生労働省 パワーハラスメントの定義について

ホワイトハラスメントは、⑤の「過小な要求」に当たる可能性がある。過小な要求とは、本人の能力や経験に見合わない程度の低い業務を割り振ることや、仕事を与えないことを指す。

簡単な仕事をさせたり、業務量を減らしたりすることに上司の悪意がなかったとしても、「部下の成長に必要な指導をしていない」と判断される状況であれば、ハラスメントとされるリスクがあるのだ。

ホワイトハラスメントの原因

ホワイトハラスメントは、なぜ起こってしまうのか。ここからは、考えられる原因について解説する。ハラスメント防止のためには、まずは原因を理解し、適切な対策を講じる必要があるだろう。

■パワハラ防止を意識した上司の気遣い

近年、パワハラやコンプライアンスに対する意識が高まっている。2020年にパワハラ防止法が施行され職場における意識の変化はより一層強まり、上司は自身の言動がパワハラとみなされないよう、部下に気を遣うようになった。その結果、部下の業務を減らしたり、ミスや遅刻などの落ち度に対しても指導を控えたりする状況が生じている。

参照:厚生労働省 パワーハラスメント対策が事業主の義務となりました! ~セクシュアルハラスメント等の防止対策も強化されました~

■上司による一方的な判断と采配

ホワイトハラスメントの原因として、上司が思い込みや一方的な判断で仕事を割り振っている可能性が考えられる。例えば、「○○は大人しい性格で仕事に消極的なようだから、この業務はこなせないだろう」「自分が引き継いだ方が早く終わるし、部下も残業するより帰りたいだろう」などの勝手な判断で指示をしている場合だ。

部下の経験や適性を考慮して、仕事を割り振るのが上司の仕事。しかし、部下の意志を汲まずに自身の思い込みや効率を重視した采配をすることで、ホワイトハラスメントが起きてしまう。

■上司と部下のコミュニケーション不足

先述の「上司の気遣い」や「一方的な判断」も、根本を突き詰めれば、そもそも上司と部下のコミュニケーションが不足していることが大きな要因といえるだろう。適度な距離の取り方が難しく、部下への接し方が分からないと悩む上司は増えている。

さらに、核家族や近所付き合いも希薄になった環境で育ってきた部下にも、上司との交流に苦手意識を持つ人は多い。意志を確認したり意見を伝えたりといった基本的なコミュニケーションをお互いが遠慮してしまうことで、ホワイトハラスメントが起こる可能性がある。

ホワイトハラスメントによる影響

ホワイトハラスメントが起こり、その状態が続くと、職場にはどのような影響が生じてしまうのか。ホワイトハラスメントが部下と上司に与える影響について確認しておこう。

■部下に与える影響

ホワイトハラスメントは、実際に部下の成長機会の損失を招く可能性がある。十分な経験を積めないためにスキルが育たなければ、チーム全体の生産力低下につながる。さらに、部下のモチベーション低下や自信の喪失、職場に対する不満による離職なども起こり得る。

■上司に与える影響

ホワイトハラスメントが上司に与える影響も深刻だ。部下が育たないことで上司としての指導力が問われる可能性があり、チームの生産力が低下すれば自身の評価も下がるだろう。また、部下の業務量を減らして他に割り振ったり自身で引き継いだりすることで、業務の停滞を引き起こす恐れもある。

ビジネスシーンでも起こり得る!さまざまな種類のハラスメント

昨今では、さまざまなハラスメントが問題となっている。最後にビジネスシーンで起こりやすいハラスメントをいくつか紹介するので、理解を深めてハラスメント防止に努めよう。

■時短ハラスメント

時短ハラスメントとは、業務が終わっていないのに強制的に定時退社を強要することだ。働き方改革によって長時間労働が見直され、定時退社が推奨されるようになってから認知されるようになる。業務量の適正化や業務手順の改善など、それまで残業が必要だった根本的な問題の解決をせずに労働時間短縮を図ろうとするために起こるハラスメント。

■ハラスメントハラスメント

ハラスメントハラスメントは、正当な指導に対しても過剰に反応して「ハラスメントだ」と主張し、相手を困らせる行為。この場合、部下や後輩など立場の弱い人が、上司や先輩に対してハラスメントをする形式になる。

■就活終われハラスメント

就活終われハラスメント、通称オワハラは、自社に来てほしいがために面接者に対してプレッシャーをかける行為を指す。企業から、就活をしている学生に対するハラスメントだ。具体的には、自社の内定と引き換えに他社の選考や内定の辞退を強要したり、研修や必要以上の選考を行って時間を取り、他社への就活をできなくしたりする。

■リモートハラスメント

リモートハラスメントとは、リモートワーク環境で起こるパワハラやセクハラの総称。監視のためにカメラを常時ONにしておくよう指示したり、全身や部屋の中を映すことを強要したり、家族や恋人など同居人に対することを聞くなど、リモートワーク特有のハラスメント行為が該当する。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文/編集部

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2025年9月16日(火) 発売

DIME最新号は、「あなたの知らない ポケポケの秘密」。開発の舞台裏やヒットの軌跡、今からでも楽しめる効果的な遊び方まで、知ればもっとポケポケが楽しくなる“ポケポケ現象”の秘密を徹底解明!特別付録は、BIGサイズの超限定「フォルクスワーゲンBUZZトート」!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。