Date3|不正を通報する「内部通報窓口」半数以上がその存在を知らない
設置が義務となっている従業員300人以上の企業でも、内部通告窓口の認知度はそれほど高くない。社内研修などで、まずは従業員へ認知することが求められそうだ。
内部通報窓口とは?
社内の不正・不祥事等を発見した従業員からの通報・相談を受け付ける窓口で、従業員数が300人を超える企業は「内部通報窓口」の設置が義務付けられている。匿名での通報も可能で、氏名を名乗った場合でも改正公益通報者保護法の趣旨を踏まえ、通報者の氏名を明かさないことが原則となっている。
内部通報制度の理解度
消費者庁「内部通報制度に関する意識調査」(令和6年実施)
禁じ手の告発者探し
兵庫県の斎藤元彦知事は内部告発された際、告発文書を自ら入手して部下に調査を指示。
問題把握も公表せず
フジテレビ社員がトラブルを上司に相談するも公表を控え、約半年も表立った対応をせず。
内部告発をずっと放置
ビッグモーターでは保険金不正請求の内部告発があったにもかかわらず、長い間問題を放置。
Date4|不正を防ぐにはどうしたらいい?具体的な策についての是非
「リニエンシー制度」は、日本では「課徴金減免制度」と呼ばれる。2019年に独占禁止法が改正したことで、2020年末からより利用しやすい課徴金減免制度として施行された。……が、まだうまく活用されていないのが現実だ。
リニエンシー制度とは?
不正に関与している従業員や役員が自ら通報した場合、懲戒処分や刑事罰などを減免する制度。
米国「不正を告発した人に奨励金を支払う制度」に関する意識調査
国内企業で一部導入されている「リニエンシー制度」についての意識調査
消費者庁「内部通報制度に関する意識調査」(令和6年実施)
不正を告発・自白するのは重要だが、それにより報奨金がもらえたり罪が軽減されたりすることは受け入れられない人もいるようだ。
取材・文/高山 惠 イラスト/フジノマ 編集/寺田剛治