出納とは、ビジネス上で何を意味する言葉なのか、業務の内容を具体的に説明します。また、効率的に業務を進めるためのポイントや、リスク管理についても見ていきましょう。
目次
出納の基本的な意味と重要性
企業活動において、お金の管理は重要です。まずは、出納の基本的な意味を解説します。企業の資金管理の要となる出納業務について、具体的な内容を見ていきましょう。
■出納とはどんな業務?初心者にも分かる基礎知識
出納とは、企業の経理業務の一部を指し、主に入出金管理を示す業務のことです。経理業務は『出納』『記帳』『集計』の3つに大きく分類され、その中でも出納は会社の資金管理の基礎となる重要な業務です。
主な仕事内容には、現金管理・預金管理・小切手管理・手形管理などがあります。各段階で正確な記録と確認作業を行うことで、企業の健全な資金管理が実現できます。
■経理部門における出納の位置付け
経理部門において、出納業務は企業の資金管理を担う重要な役割を持ちます。企業活動では日々、現金・預金の出し入れが発生するため、正確に管理し記録しなければなりません。
会社の金庫・銀行口座における資金の動きを把握し、適切に処理することは、経理部門の基本的な役割です。
特に、従業員の交通費精算や備品購入の立て替えなど、社内での日常的な現金のやりとりは、現金出納帳に正確に記録する必要があります。出納業務がしっかりできていれば、不正や金銭トラブルのリスクが少なくなるでしょう。
出納業務の業務内容と基本の流れ
出納業務では、入金処理・支払い処理・帳簿管理など、重要なプロセスが存在します。ここでは、具体的な業務内容とポイントについて確認しましょう。
■入金処理と支払い処理の基本的な業務
出納業務では、入金処理と支払い処理を行います。まずは、それぞれの業務内容と業務の流れについて確認しましょう。
【入金処理に関する主な業務】
- 現金・小切手などを受け取る
- 通帳の入金状況を確認する
- 入金伝票を作成して入金を記録する
- 入金の状況を帳簿に記入する
【支払い処理に関する主な業務】
- 取引先からの請求書を確認する
- 支払伝票を作成して支払いの履歴を記録する
- 銀行振込を行う(または小切手などの発行)
- 支払いの状況を帳簿に記入する
入金処理と支払い処理は、入出金の管理を行うための大切な業務です。毎日の取引やお金の流れを把握し、帳簿に書き込んでいきます。
■帳簿管理と残高照合の流れ
帳簿管理とは、入金処理・支払い処理によって発生した入金・支払いの履歴を、帳簿に書き込んでいく作業のことです。出納業務では、主に『現金出納帳』と『預金出納帳』に、入金・支払いの履歴を記帳していきます。
帳簿への記入を終えた後は、残高照合が必要です。定期的に、帳簿の記録と実際の現金・預金の残高を照合します。
基本的には、手元にある現金の集計や、銀行の預金残高を確認し、帳簿に書かれている内容と照らし合わせることが主な業務です。
もし帳簿の内容と現金・預金の残高が合わない場合には、なぜ不一致が起こったのか原因を探り、原因が分かったときは帳簿の修正を行います。
■報告書作成の手順
出納業務では、入金処理・支払い処理を毎日行い、帳簿管理と残高照合を定期的に行います。しかし、帳簿に記録するだけでは、他部署や経営陣に入金・支払いの状況が伝わりにくいでしょう。
関係者に分かりやすく説明するために報告書を作成するのも、出納業務担当者の主な役割です。一定期間の収支状況をまとめた資金繰り表などを、作成することが多いでしょう。
報告書の作成は、出納業務担当者が独断で作成するものではなく、基本的には関係者からの依頼や、上層部からの指示に従って作成します。依頼や指示の内容に応じて、必要な情報をまとめた報告書を作成することが大切です。
効率的に出納業務を進めるための方法
入金・出金に関するお金の動きをスムーズに把握できれば、さまざまなメリットがあります。事務の負担軽減だけでなく、ミス・トラブルを防ぐためにも効率化を検討してみましょう。
■キャッシュレス化を取り入れる
キャッシュレス化を取り入れることで、現金の受け取りや支払い、お釣りの管理などが不要になります。
キャッシュレスで販売した商品の売り上げは、後日まとめて入金されることが多いため、個別の入金処理を行う手間も省けるでしょう。
可能な範囲でキャッシュレス化を取り入れれば、出納業務や記帳業務がスムーズに進みます。まずは、自社で取り入れられるキャッシュレスについて考えてみましょう。
■ソフトやアプリを活用する
出納業務や記帳業務は、紙媒体だけでなく、会計ソフトやアプリを使って対応することもできます。
ソフトやアプリは、業務を効率的に進められるよう、さまざまな機能を備えているのが特徴です。入力箇所がある程度決まっており、初めて経理や記帳業務に触れる人でも分かりやすいように設定されています。
通帳やクレジットカードと連携できるサービスもあり、自動で入金・支払いが入力されるタイプならさらに効率化が進むでしょう。
■細かい経費は立て替えて後日精算する
宿泊費用や突発的な交通費、業務に必要な商品の購入など、経費を毎回精算していると出納業務が増えていきます。
細かい経費は一旦本人が立て替えて、月末にまとめて精算するようにすれば、作業が簡略化できるでしょう。
ただし、後日精算するとはいっても、社員の負担になるような運用は望ましくありません。立て替えが難しい金額になる場合や、社用のクレジットカードなどを使用できない場合には、都度精算も検討しましょう。
出納業務のリスク管理と対策
出納業務にはさまざまなリスクが潜んでおり、その管理と対策が重要です。特に金銭を扱う業務だけに、単純なミスが大きな問題に発展する可能性があります。
最後に、出納業務における具体的なリスクとその対策について、実践的な視点から解説していきます。
■よくある出納業務のミスと防止策
出納業務でよく起こるミスには、金額の入力間違いや記帳漏れがあります。特に現金を取り扱う際は、渡し間違いや受け取り金額の確認不足が深刻な問題につながります。
重要なのは、ミスを未然に防ぐ体制づくりです。まず、入出金の際は必ず2人以上で金額を確認し、ダブルチェックを徹底します。
記帳作業は取引発生後すぐに行い、その日のうちに残高照合を完了させることで、記帳漏れを防げるはずです。
また、システム入力時のミスも要注意です。数字の打ち間違いや桁のズレは、会計処理に大きな影響を与えます。入力後は必ず証憑と画面を見比べ、金額が正しいか確認しましょう。
■内部統制とセキュリティー対策の基礎知識
出納業務における内部統制とセキュリティー対策は、不正防止と資産保護につながります。
特に重要なのが、管理担当と記帳担当の分離です。同一人物が両方の業務を担当すると、架空経費の計上や残高操作のリスクが高まるためです。
出金時には必ずダブルチェック体制を敷き、現金支払い承認申請書を活用することで、不正を未然に防ぐことができます。
また、事務所や店舗などに現金を置いている場合には、毎日決まった時間に確認し、出納帳と会計ソフトの残高を照合することが大切です。紛失・着服などの問題を防ぐため、一定の金額に達したときは、銀行に入金するなどの手続きも行わなければなりません。
経費精算においては、明確な規定を設け、定期的な見直しが必要です。領収書の確認では、日付・宛名・金額などの基本項目を徹底的にチェックし、連番管理することで不正請求を防止できます。
出納とは入出金管理に関わる業務のこと
現金・預金の管理は、企業活動を進める上で重要な業務です。経理に関する、幅広い実務の知識が求められます。
現金出納帳や預金出納帳への正確な記帳はもちろん、電子化されたシステムの活用も必須といえるでしょう。また、内部統制やセキュリティー対策の実施により、ミス・不正を防止することも大切です。
出納業務を確実に遂行することで、企業の資金管理の健全性が保たれ、経営の安定性向上につながります。業務内容の基礎を理解し、正確な実務処理を心がけましょう。
構成/編集部







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